3月26日に、東京・青山に、レッグウェアブランド「MARCOMONDE(マルコモンド)」がプロデュースするショップ、「OPTRICO(オプトリコ)」がオープンした。運営は名古屋のカフカ株式会社。ディレクションは、グラフィックデザインを本業にする、株式会社ドロワーの池田充宏さんと、同ブランドの角末有沙さんが担当する。
「マルコモンド」は『旅』をテーマに、毎シーズン、さまざまな国をイメージしたレッグウェアを展開。これまでにベトナムやロシアなどをめぐり、2011S/Sのテーマはメキシコ、来季はウズベキスタンの予定だという。
「ブランドの立ち上げから5年。これまで『MARCOMONDE(マルコモンド)』が各国を旅してきた中で出会った技術やアイテム、そしてその世界観を表現し、広げていく場が必要だった」とプレスの松本絵理さん。
場所は表参道駅から徒歩約5分、テナントビルHOLON1階。「±0(プラスマイナス・ゼロ)」青山本店の跡地だ。青山周辺で物件を探していた時に、同店が移転になり空室になったことがきっかけ。同ビル内に共有の中庭があることが決め手となり、また、交通の便が良いにも関わらず、路地裏の静かな環境もポイントが高かったという。140平米の店内には、奥にギャラリースペースも設置した。
店構えはかつてのシンプルな装いから一転、ショップコンセプトである『架空の国』を表現。西洋とも東洋ともとらえがたい空間には、ヨーロッパのアンティークの什器が配され、レジ背面の壁にじゅうたんが貼られている。マルチカラーのタイルが施された入り口も印象的だ。緑や赤の壁、アーチを描いた壁など、同じ店内でも立つ位置によって、その表情はくるくると変わるのが面白い。
取り扱っている商品は、5月現在はマルコモンドをはじめ、「TROPOPAUSE(トロポポーズ)」や「BEAUTIFUL LABOR(ビューティフルレイバー)」をはじめ、「ELEY KISHIMOTO(イーリーキシモト)」、「FRANK LEDER(フランクリーダー)」、「commono reproducts(コモノリ プロダクツ)」、「Atelier el(アトリエ エル)」などとする国内外からセレクトしたウェア、アクセサリー、インテリア、生活雑貨とお茶など。
ターゲットは性別を限定せず、ウェアはメンズ、レディースともに販売し、サイズ展開によってユニセックスに対応するアイテムもある。シャツブランドの「TROPOPAUSE」では、ボタンを1つだけ別素材にしたり、胸ポケットにニットを使用したりと、遊び心を重視。シンプルながらこだわりを大事にしたい男性に好評なのだとか。価格帯は1万円前半〜2万円台が中心だ。
また、松本さんがオススメするのは、自身も愛用しているという「BEAUTIFUL LABOR」のインナーウェア。価格はカディコットンのキャミソールが12,600円、シルクのもので16,800円。
「毎日使うものだからこそ、良いものを。外に着て行くものばかりを飾るのではなく、大事なのはその『内側』。インテリアも含め、日常からきちんと整えることが大切だと思います。暮らしに手間をかける、余裕を持つ。そういった価値観が広がって欲しい」(松本さん)。
ブランド名の「BEAUTIFUL LABOR」は、直訳すると「美しい労働」。「多くの人の『LABOR』が、美しくあってほしい」との思いが込められ、商品、作り手、使い手の隔たりをなくしたいという意思がある。
「せっかく良い技術を持った作り手がいるのだから、ただ消耗されるだけの商品ではなく、普段使いのアイテムも良いものが作れたら」(松本さん)。
インテリア部門では、ドイツのブラシメーカー「REDECKER(レデッカー)」や、ベルギーのソープメーカー「SAVONNERIES BRUXELLOISES(サボネリーズ ブリュッセル)」などのほかに、マルコモンドが現地シーズンテーマの各国で買い付けてきたファブリックや雑貨なども。ファッションからインテリアまで、ライフスタイル全般の提案を目指している。
今後は国内外問わず、良い作家との出会いがあれば取り入れていく。ギャラリースペースでは、そんな作家の展示会や企画展も精力的に開催していく予定だ。ちなみに、ショップオープン時に同スペースで予定していたオープニングパーティーは、東日本大震災の影響で延期に。その代わりに開催したチャリティーマーケットは、初日から好評だったという。
「お店はまだ始まったばかりなので、次にどんなことが出来るは模索中です。だけど、新しいことに次々と手を出すのも違うと思う。時間をかけて、進めていきたい」(松本さん)。
こんな時代だからこそ、量産型のファストファッションではなく、良いものを長く愛用したい。そろそろ、短いサイクルで変わりゆくトレンドを追うことに疲れた人たちが、自分の価値観や求めるライフスタイルに沿った物づくり、物選びを始めているのかもしれない。
取材・文/皆川夕美(フリーライター)
レポート
2011.05.24
ファッション|FASHION
レッグウェアブランドから生まれたセレクトショップ「OPTRICO(オプトリコ)」
毎日着るものだからいいものを
「コスパ」から「上質ベーシック」へ
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OPTRICO(オプトリコ)
〒107-0061
東京都港区北青山3-12-12
TEL:03-6805-0392
HP:http://www.optrico.com/ - OPTRICO facebook account
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