6月30日(木)から7月3日(日)にかけての4日間、第12回Japan Expoがパリで開催された。会場は、シャルル・ド・ゴール国際空港近くの展示会場、ノール・ヴィルパント。パリ中心部から地下鉄郊外線で約30分で着き、フランス最大のインテリア見本市メゾン・エ・オブジェなどの大規模な展示会に利用される会場だ。
行く途中の電車の中で向かいに乗り合わせた少女2人。漫画のイラストをあしらったバッグやTシャツを着ていて、行き先は一目瞭然だった。
Japan Expo(以下JE)とは、漫画やアニメ、ゲームなどの現代ポップカルチャーのブースに加え、伝統文化も紹介する世界最大規模の日本関連イベント。その他日本アーティストのコンサートやプロレス、武道のデモンストレーション、たこ焼きの屋台が出たりと、とにかく日本に関連するものはくまなく紹介している。
最終日は日曜日ということもあってか、かなりの混雑を見せていた。特にゲームのブース周辺は人が集中していて、来訪者の中には、ゴスロリファッションの女の子たちや、コスプレイヤーも多かった。中でもファイナルファンタジーやモンスターハンターなど、TVゲームのキャラクターが目立った。
JEがパリで最初に行われたのは、今から11年前の2000年のことである。当時は会場もポルト・ド・ヴェルサイユの小さな会場で、来訪者も3200人程度だったという。それが今回の来訪者数はなんと約20万人と、この11年間で約60倍に膨れ上がっている計算になる。
今年のJEの特徴としては、3月に起きた東日本大震災への支援の動きが多く見られた。例えば、日本の経済産業省、外務省(国際交流基金)、農林水産省、観光庁の4省庁が合同で日本文化のPRの他に食の風評被害対策を行ったり、JE主催者により「Gambare Japan!」プロジェクトと題し、応援メッセージの掲載や応援バッジの販売(収益は赤十字社に寄付)が行われた。そして来訪者では、在仏日本人の参加も目立った。震災の影響からか、日本という国を外国にいながら改めて見つめ直す機会として今回初めて訪れたという人も多かったようだ。
出展者として、日本文化専門TV局NOLIFE(http://nolife-tv.com/)の事業部長である浅岡鈴果さんにお話を伺った。NOLIFEは、日本の伝統文化と現代ポップカルチャーを主軸テーマにフランス国内で750万世帯に配信しているTV局で、J-POPをフランスで初めてTV電波に乗せてオンエアした局でもある。現在日本に興味のあるフランス人で知らない者はいないと言っても過言ではない位、フランスにおける日本紹介no.1メディアとなっている。