2011年7月、東京・代々木上原の「ウエストパークカフェ」の通りに、セレクトショップ・カフェ・ポップアップスペースが一体となったショップ「JOHN(ジョン)」がオープンした。
オーナーは、檀上佑一さん、良子さん夫妻(ともに32歳)。佑一さんはかつて恵比寿でメンズ/レディースのセレクトショップ「penderie(ペンデリー)」のディレクターを務めており、良子さんは、キハチカフェにパティシエとして勤務していた経歴を持つ。
もともと「いつかはアパレルとカフェが一緒になった店をやりたい」と考えていた檀上夫妻。2010年11月の「ペンデリー」の閉店に伴い、自分たちのショップの開店準備をスタートした。当初は、以前から好きだった麻布十番で物件を探していたが、ショップコンセプトやターゲット層との差異を感じ断念。もともと2人が住んでいて、馴染みのあった代々木上原に候補地を変更したところ、すぐに今の物件に出会えたという。
以前は外国人向けの託児所だったという築20年の1戸建てを改装。1階はカフェ兼展示会やイベントを期間限定で行うポップアップスペース、メインフロアとなる2階はセレクトショップとカフェが同居したスペースとなっている。
コンセプトは、「時間を共有するパブリックスペース」。一つの長いテーブルを訪れた人達が共有し、各々、自分の時間を楽しむ。そんなロンドンのカフェのような場所を再現したかったという。
「お茶や食事をしにくる人もいれば、PCで仕事をする人もいて、洋服を買う人もいる。そんな、お客さんが時間の使い方を選択できる場所を作れたらと考えていたんです」(檀上さん)
アパレルの取扱商品は、佑一さんがロンドンで買い付けてきたインポートの衣類や雑貨が中心。シーズントレンドにとらわれない、面白いものを基準にセレクトしており、中には日本初上陸のアイテムも。人気は「BALMAIN(バルマン)」出身のデザイナーによるブランド「YOHAN KIM(ヨハン・キム)」のTシャツや、「St.Saviours(セイント セイバース)」のハンドメイドのハット。このハットは、ロンドンの「TOPSHOP(トップショップ)」のバイヤーが気に入り店舗限定で展開しているという、日本初上陸のブランドである。メンズ/レディースは半々で、価格帯は約3,000〜20,000円で、客単価は約6,000〜7,000円だそうだ。
「ロンドンのマーケットなんかで、面白いモノを見つけると、それを自分で取扱ってみたいと思うんです。今はネットで何でも買えてしまう時代だけれど、“ここにしかない”感じを大事にしたい。その商品が作られたときの背景が見えたり、作り手のコンセプトが明確だったり、『モノとしての面白さ』を重視しています」(佑一さん)。