1991年のオープン以来、関西を代表するライブハウスとして親しまれてきた心斎橋クラブクアトロ。2011年9月30日の心斎橋パルコ閉店に伴い営業を終了したが、約半年を経た2012年4月13日、梅田エリアに移転して再オープンを果たした。
梅田クラブクアトロ(以下梅田クアトロと略)は、西日本最大の乗降客数を誇る梅田エリアに立地。北区太融寺町「プラザ梅田」の9階〜11階、かつて映画館「梅田ピカデリー1」であった3フロアを使用している。キャパシティは約500人という心斎橋と同規模ながら、アクセスのよさ、見やすく快適なホール環境、設備面の充実など全面的にアップデートを果たしている。
梅田エリアでは現在JR大阪駅を中心とした大規模再開発が進行中で、今後さらに集客力の向上が期待されている。梅田クアトロは北区JR線・阪急線・阪神線・地下鉄線の各駅から徒歩10分以内、地下街「ホワイティ梅田」経由でアクセス可能という至便な立地にあり、この立地のよさは運営面でさまざまな変化をもたらしそうだ。
「梅田エリアにはオフィスが多いので、勤め帰りの会社員など心斎橋よりも年齢層の高いお客様にも来ていただきやすくなると思います。大阪駅が近くなったことで、遠方の方でもライブ終演後に食事などを楽しむ時間的なゆとりができます。企画面でも椅子席でじっくり鑑賞するスタイルのライブや、講演会やイベントなどにも対応していきたいですね」
と梅田クアトロ店長、柿原晋さんは語る。
従来、ライブスペースの内部にあったバーカウンターを、ホワイエに設置したのもそうした姿勢の現れだ。観客はライブ終了後にもこのバースペースに留まって余韻を楽しむこともできるという。
黒を基調とした落ち着いた空間のホワイエには、約20年間に渡り運営されてきた心斎橋クアトロで使用されていた看板やレンガタイル、楽屋の扉などが所々に配置され、クアトロを訪れたアーティストたちのサインなどを見ることができる。クラブクアトロというブランドの歴史を感じさせる演出は、ファンにとっては嬉しいところだろう。
ライブが行われるステージとフロアの環境は、もともと映画館であったスペースだけあって観やすさを考慮した空間設計が施されている。ステージを遮る柱が名物でもあった心斎橋クアトロから大きく向上したポイントだ。十分な天井高とひな壇状の客席形状により、どの場所からでもステージが観やすいことは特筆するべきポイントだ。
ひな壇席にはピカデリーで使用されていた椅子を一部そのまま残して使用していて、ホワイエの演出と同様、新しさの中に旧い記憶を残した空間になっているのが面白い。一方、防音などの設備面には投資をかけて充実を図ったという。
数の面では既に飽和状態となり、競争も激化するライブハウス。サウンドの質や見やすさ、ライブを観る前後の快適性など、オーディエンスの求めるレベルも高まっている。梅田クアトロでも喫煙室を設置して完全分煙化を行い、ゆとりのあるトイレスペースやコインロッカー室など、快適性の向上を図っている。
梅田クアトロは4月12日のプレオープンイベントとしてラジオ局・FM802とのコラボイベント『“QUATTRO Comes Alive!”KICK OFF PARTY』を、そして4月13日のこけら落とし公演には心斎橋のラストライブを飾ったEGO-WRAPPIN’のワンマンライブを開催。チケットは両日ともにソールドアウトの盛況で、オープニングの模様は新聞でも報じられるほどの注目を集めている。オープン以降ソールドアウトとなった公演も多く、まずは順調なリスタートを切ったと言えるだろう。
2012年4月には、ZEPP大阪が南港から難波に移転、nanbaなんば大阪としてリニューアルオープンを迎えている。大阪のミュージックシーンでは、ここ数年心斎橋エリアの大型クラブの閉店が続いている。クラブへの締め付けは全国的に厳しくなっているが、中でも大阪はそうした傾向が顕著だと言われている。そんな状況下にあって、こうしたライブスペースが魅力を増してリニューアルしたことは、大阪のミュージックシーンの活性化に繋がる明るい話題だ。もちろん周辺エリアにもプラスに働くだろう。
大阪エリアの拠点がクラブクアトロというブランドにとって重要な存在であるのは言うまでもない。クラブクアトロは東京ー大阪ー名古屋の大都市でライブハウスチェーンを展開した先駆であり、クアトロでの東阪名ツアーが若手アーティストや海外アーティストの発信とプロモーションの場となってきた。クラブクアトロが90年代以降、日本のミュージック・シーンに果たしてきた役割は大きい。
もちろん単独のハコとして考えても、梅田クアトロの見やすく快適なフロア環境はかなり魅力的で、使い方次第でさらに面白くなっていきそうなスペースだ。 ここから発信されるコンテンツがどのように大阪のカルチャーシーンに作用していくのか、今後も楽しみである。
取材・文/本橋康治(ACROSSコントリビューティングエディター/フリーライター)
数の面では既に飽和状態となり、競争も激化するライブハウス。サウンドの質や見やすさ、ライブを観る前後の快適性など、オーディエンスの求めるレベルも高まっている。梅田クアトロでも喫煙室を設置して完全分煙化を行い、ゆとりのあるトイレスペースやコインロッカー室など、快適性の向上を図っている。
梅田クアトロは4月12日のプレオープンイベントとしてラジオ局・FM802とのコラボイベント『“QUATTRO Comes Alive!”KICK OFF PARTY』を、そして4月13日のこけら落とし公演には心斎橋のラストライブを飾ったEGO-WRAPPIN’のワンマンライブを開催。チケットは両日ともにソールドアウトの盛況で、オープニングの模様は新聞でも報じられるほどの注目を集めている。オープン以降ソールドアウトとなった公演も多く、まずは順調なリスタートを切ったと言えるだろう。
2012年4月には、ZEPP大阪が南港から難波に移転、nanbaなんば大阪としてリニューアルオープンを迎えている。大阪のミュージックシーンでは、ここ数年心斎橋エリアの大型クラブの閉店が続いている。クラブへの締め付けは全国的に厳しくなっているが、中でも大阪はそうした傾向が顕著だと言われている。そんな状況下にあって、こうしたライブスペースが魅力を増してリニューアルしたことは、大阪のミュージックシーンの活性化に繋がる明るい話題だ。もちろん周辺エリアにもプラスに働くだろう。
大阪エリアの拠点がクラブクアトロというブランドにとって重要な存在であるのは言うまでもない。クラブクアトロは東京ー大阪ー名古屋の大都市でライブハウスチェーンを展開した先駆であり、クアトロでの東阪名ツアーが若手アーティストや海外アーティストの発信とプロモーションの場となってきた。クラブクアトロが90年代以降、日本のミュージック・シーンに果たしてきた役割は大きい。
もちろん単独のハコとして考えても、梅田クアトロの見やすく快適なフロア環境はかなり魅力的で、使い方次第でさらに面白くなっていきそうなスペースだ。 ここから発信されるコンテンツがどのように大阪のカルチャーシーンに作用していくのか、今後も楽しみである。
取材・文/本橋康治(ACROSSコントリビューティングエディター/フリーライター)
梅田クラブクアトロ
住所:大阪市北区太融寺町8-17 プラザ梅田
JR大阪駅、阪急・阪神・御堂筋線梅田駅より徒歩7分
ホワイティ梅田イーストモール突き当り"泉の広場"M14出口すぐ
電話:06-6311-8111