PROUD with UNITED ARROWS
レポート
2012.06.21
ライフスタイル|LIFESTYLE

PROUD with UNITED ARROWS

あのユナイテッドアローズがマンションとコラボ
野村不動産「PROUD」と共同で住空間を提案

ユナイテッドアローズのショップで培われたノウハウを凝縮したウォークインクローゼット。
天井の高さを利用し、靴をディスプレイするように収納するシューズクローゼット。湿気を囲いこまないためにオープンな構造になっている。
シューズクローゼットには靴を磨くためのライティング・ビューロー(照明付きの棚)を設置。
ベルトを丸めるのではなく、吊り下げて収納するなど、アイテムの特性に合った収納スタイルを提案するシステム収納。
コンセプトは、「着心地のいい家」。洋服と同じように、長く住むほどに居心地がよくなる、経年変化を楽しめる空間を追求した。
 野村不動産(株)(以下、野村)が展開する住宅ブランド「PROUD(プラウド)」と、アパレルセレクトショップを展開する(株)ユナイテッドアローズ(以下、UA)による、新しい住空間を共同提案するコラボレーション企画「PROUD with UNITED ARROWS(プラウド ウィズ ユナイテッドアローズ)」が始動した。

これはUAのライセンス事業の一環で、同社初の住宅事業となる。第一弾は、東京都江東区の豊洲駅や東雲駅などから徒歩11分の場所にあるタワーマンション「プラウドタワー東雲キャナルコート」で、インテリアオプションを販売する。2012年4月、今回の取り組みを展開したショールームが豊洲駅徒歩圏の販売センターにてオープンした。

ロケーションとなる東雲キャナルコートは、UR都市機構、野村不動産や三菱地所などの民間事業者、建築家によって開発された街。「プラウドタワー東雲キャナルコート」は、地上52階・地下2階建て(一部地上2階建て)、総戸数は600戸。間取りは1LDK+DEN〜3LDK+DEN(専有面積は64.08〜87.42平米)、販売価格/戸は4300万円台〜7100万円台(100万円単位)。(※掲載の情報は未分譲区画に対する数字)東日本大震災後に地盤改良工事の範囲を拡大した液状化対策や、防災倉庫を9カ所設置するなど防災対策に配慮。雨水利用などのエネルギー対策も整えられており、都が定める「東京都マンション環境性能表示制度」(2009年度基準)において、都内初となる5項目評価すべて3つ星を獲得したマンションである点にも注目したい。

今回のコラボレーションのきっかけは、2009年頃に野村からUAにアプローチしたことから。もともとUAは“新しい日本の生活文化の規範となる価値観を創造し続ける”という理念があり、住空間への進出に興味を持っていた。また、「世界一の時間へ」を合言葉に上質な住空間を創造する野村と、上質なファッションや店舗空間を提案するUAの細部までこだわったものづくりに取り組むクラフトマンシップが両社に共通しており、共鳴したことから実現に至った。
 
 ディレクションは、UAのクリエイティブ・ディレクターである鴨志田康人さん(54歳)が担当。鴨志田さんはUAの一号店から内装設計に携わった人物で、そのノウハウを住空間づくりに反映させていくという。
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「収納=隠す」ではなく「ディスプレイ」する発想にクローズアップ。お気に入りのコレクションやグッズを“見せる”ことによって、より自分らしさやプライベートを味わう廊下収納。
細かいピッチで高さを調節できるラック。UAの店舗で採用されているアイデアを、そのまま住居用に作りかえている。
まるでショップを再現したような収納が特徴。棚の内側には、アイテムを美しく引き立てる天然素材のクロスを使用。
一般的に、マンションのショールームには家族連れでの来場が多いなか、同ショールームには友だちどうしでの来場も多く、予想外の反響に驚いているそうだ。
「プラウドタワー東雲キャナルコート」は、超高層52階建て全600邸のタワーマンション。豊洲駅徒歩11分、銀座まで5分という立地。
タワーマンションから湾岸を見下ろす夜景。
UAのオプション設置前のスタンダードな内装はこちら。

第一弾では収納に特化。現在の住宅ではものを隠すことが収納の主流だが、鴨志田さんは「見せる収納」をテーマに企画した。例えば、廊下の壁面には靴や自転車を掛けて収納。これは店舗なら装飾と言われる部分で、自分のお気に入りのアイテムを見せた状態で片付けられる。


「店の売場は究極の収納場所。ここでは店舗開発のノウハウが随所に活かされています。鴨志田も、「収納と言うとテンションが下がるが、ディスプレイと言うと上がる。例えば今まで洋服に興味が無かった方が興味を持つようになったり、ものを大切にするなど、自分なりの価値観を見出せる」と話しています」(UA店舗開発部・岩野徳郎さん)

「PROUD」は野村不動産が展開する高級マンションシリーズでメインターゲットは30代半ば〜40代前半のアッパーミドル。「プラウドタワー東雲キャナルコート」は銀座一丁目駅まで電車で約5分の好立地のため、都心に勤務していて初めて家を買う人がターゲットになるという。一方のUAの店舗は年齢でのターゲットは設けていないが、来客層は30代が中心。このコラボ企画では、自分らしく住むことを考えている人をターゲットにしたいそうだ。

というのも同プロジェクトのターゲットである30代半ば〜40代前半は、セレクトショップブームの中で育ってきた “セレクトショップ支持層”である。彼らが持つ、住まいもファッション化したい、というニーズに応えようというのが同企画である。

実際の反響は予想を上回り、同マンションを第一期・第二期で購入した層や、住宅購入の予定が無かった層からも反響があったというから驚く。オープンの前日に、「UAが住空間をつくると聞いて見にきた」という男女3人組と、女性2人組が訪れたそうだが、この光景は、住宅展示場では非常に珍しいケースだそうだ。

「ご家族連れのお客様が多いなか、お友達同士でいらっしゃるのは珍しいです。モデルルームは敷居が高いと思われがちですが、UAさんとのコラボレーションによってお客様が来場しやすくなっているのだと思います」(野村不動産 広報部/阿部和人さん)。

近年では、無印良品と三菱地所による集合住宅「MUJI VILLAGE」や自由設計マンションの「スタイルハウス目黒緑が丘」や、「mastermind JAPAN(マスターマインド・ジャパン)」とヴェリタス・インベストメントがコラボレーションした投資用マンション「mastermind JUBAN(マスターマインド ジュウバン)」が誕生している。リーマンショック以降、住宅需要の低迷が顕著になる中で、住宅会社もいろいろな工夫でユーザーへの訴求を試みている。住宅企業が共通ターゲットにアプローチして相乗効果を生める異業種コラボレーションは、今後も増えそうだ。

第二段コラボレーションは、今年7月中旬に販売開始となる「プラウド船橋」を予定している。

取材・文 緒方麻希子(フリーライター/エディター)+ACROSS編集 

プラウドタワー東雲キャナルコート

〒135-0062
東京都江東区東雲1-1-23


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