日本でのLAムーブメントを牽引するセレクトショップ「Ron Herman(ロンハーマン)千駄ヶ谷」の真裏に、ストリート系のアパレルブランド「AlexanderLeeChang(アレキサンダーリーチャン)」が発信する、マルチ・コミュニケーションスペース「2【Ni】」(facebookはこちら)がある。「ロンハーマン」よりスケーターカルチャーらしい、自由な空気に溢れる同店がオープンしたのは今年1月。
運営は、デザイナーのアレキサンダー・リー・チャンさんが代表を務める「Chang Co., Ltd.」。ブランド初の路面旗艦店ともなる同店は、カフェ、アートボックス、ウォールギャラリー、ショップの4つのコンテンツで構成されている。
「コンセプトは人と人が絡み合い、つながる場所。洋服だけでなく、食やライフスタイル、アート、音楽など沢山の異なるコンテンツが絡み合うようなスペースを作りたかった。同時に、自分が影響を受けてきたバックボーンを提示することで、ブランドの世界観を表現できれば」
と話すのは、店長でデザイナーのアレキサンダー・リー・チャンさん。04年にスタートした自身のブランドが安定したことに伴い、約2年前から出店を計画していたそうで、店名には”来てくれた(2人)が
そこで繋がり(=to)、 ニコニコと笑顔になれて、しかも(=too)何かを得られる場所”という多くの意味が込められているという。
75年サンフランシスコ生まれのリー・チャンさんは、10代の頃から日本でプロスケーターとして活躍し、96年から7年間、国内のアパレルブランド「アクアブランチ」のディレクターを務めてきた。その後03年に独立し「Chang Co., Ltd.」を設立、04年SSより自身のブランド「アレキサンダーリーチャン」をスタートした。ファッションに携わる以前から、絵や立体物、グラフィックの制作をしていたそうで、06年のスワロフスキーのクリスマスアート展着物クチュールをはじめ、アート展やアパレルショップでのオブジェやインスタレーション、スケートの映像制作など、様々なアートワークの制作も精力的に行っている。
白を基調に木目を生かした約42平米の店内は、もともと事務所だったところを自分達で改装したもので、その時に出た木材や金物などの廃材も活用。新たな空間へと再生させた。もちろん、インテリアも全てが手作り。廃材による棚や家具、ジョウロやケトルを活用した照明など、DIY精神と遊び心溢れるクリエイティブな空間に仕上げている。屋内外には、「グリーンを育てるのが好き」というリー・チャンさん自身が育てるサボテンやアロエなどの多肉植物、ミントやローズマリーなどのハーブ、ドライフラワーなどが至るところに配されており、麻袋、廃材を使った手作りの花瓶や鉢など、ユニークなディスプレイも見物だ。
フリーwifiを完備したカフェスペースでは、自身が好きな「OMOTESANDO KOFFEE(表参道コーヒー)」(幣サイトの取材記事はこちら)の厳選豆を使ったコーヒー(350円〜)や、季節の野菜を使ったヘルシーなグリーンスムージー(400円〜)を提供。素材は有機・無農薬で産地にこだわり、自身が買い出しを行うというこだわりようだ。不定期でバー・スタンドSugar BAR(by Sugar Boy)も登場し、東京の地ビール(600円)、アガベ100%のテキーラ(600円〜)などを提供する。また、ランチタイムには、リー・チャンさん自らランチをつくることもあるそうだ(!)。
外壁のコンクリート部分は、ウォールギャラリーとして使用。「街を歩いている人にも、楽しんでもらえたら」と設置したそうで、年に3回の入れ替え予定。第一弾にはサーファー、スケーターとしても活躍するアーティスト新倉孝雄さんのアート作品を掲示している。
壁一面に並んだ27個のアートボックスは現在、『“2nd lives for trash”=ごみにも第2【Ni】の人生を』というコンセプトのもと、展示『TRASH GARDEN』を開催中。アレキサンダー・リー・チャンさんの手により、普段の生活の中で不要になったモノ、捨ててしまうモノ(TRASH)が、素敵な植物(GARDEN)へと変わるという。