IDOL(アイドル)
レポート
2012.10.09
ファッション|FASHION

IDOL(アイドル)

東京のクリエイティブを発信するプロジェクト・ショップが青山にオープン

骨董通り沿い右手「Cafe & Meal MUJI 南青山」に隣接した石造りの壁が入り口。
入り口から地下を降りると、レストランフロアを中心に天井が高くゆったりとした雰囲気の店内。
「ストア」のポップアップショップで展開していた東京コレクションブランドの「CHRISTIAN DADA」。
「JOHN LAWRENCE SULLIVAN(ジョンローレンスサリバン)」のアーティストとのコラボレーション・ライン「THE SULLIVANS(ザ サリバンズ)」よりフォトグラファー「iO Tillett Wright(アイオ・ティレット・ライト)」のコラボTシャツを販売。
「THE LAUNDRESS」の洋服クリーニングサービスでは、ドライマークや水洗い不可の衣類、ケアが不安なジャケット、ダウン、スーツ、ドレスなどのお洒落着洗いを中心に取り扱う。
ランチメニューには、サンドウィッチ、サラダ、ステーキやローストチキンなどがあり、+スープ&ドリンクとこのボリュームで1,000〜1,200円。
IDOLのディレクションを手掛ける、クリエイティブ・ディレクターの畑仲英司さん。
セレクトショップとカフェ&ラウンジ、ギャラリー、さらに撮影スタジオなど、使うシーンに合わせてコンテンツが変化していくプロジェクト・ショップIDOL(アイドル)」が港区青山に8月5日オープンした。骨董通り沿いにある「Café & Meal MUJI(カフェ&ミール ムジ)南青山」に隣接したビルの地下1Fの1フロアで、延床面積約500平方メートル。複合した機能を活かしてクリエイターとのコラボレーション企画やファッションイベント、アートの展示など多様なクリエイティブを発信する。
 
セレクトショップ機能を持つ「ストア」ではDRESSEDUNDRESSED(ドレスドアンドレスド)」「G.V.G.V.(ジーヴィジーヴィ)」といった東京ブランドに「Ann Demeulemeester(アン ドゥムルメステール)」や「A.F.VANDEVORST(エーエフ ヴァンデヴォースト)」など、ハイファッションブランドをメンズ/ウィメンズで展開する。また今回はショップ・イン・ショップとして、ニューヨークのファブリックケアブランド「THE LAUNDRESS(ランドレス)」の洋服クリーニングサービス「THE LAUNDRESS CLEANING LAB. TOKYO(ザ ランドレス クリーニングラボ トウキョウ)」のコーナーも設けられていた。
 
店内中央には、ヨーロッパやNYのアンティークファニチャーで構成された、ランチからディナーまで楽しめるデイリーレストランが広がる。地下フロアながら入口からは自然光が入り、高い天井とオープンな作りもあって居心地のよさそうなスペースだ。営業時間は月〜木・日曜は23時、金・土曜は26時までと、幅広いシーンに対応が可能。
 
また奥に広がるフロアはフレキシブルに使うことができる多目的な空間。ギャラリースペース、ラウンジ、撮影スタジオなど用途に応じてアレンジすることができ、発信する内容とともに姿を変えていくというから面白い。無骨な雰囲気の金属製シャッターで空間を間仕切りすることも可能で、まだ新しい建物ながらリノベーション物件、そしてNYのソーホーに立ち並ぶ倉庫街のような雰囲気も漂っている。
 
IDOLのディレクションを手がけるのは、クリエイティブ・ディレクターの畑仲英司さん(32)。CIBONE(シボネ)でイベントの企画、内装設計デザインに携わった後、フリーランスでグラフィックやプロダクトデザイン、展示会の内装、ファッションスタイリストと幅広く経験。その後、トランジットジェネラルオフィスのブランディングチームで「THE LAUNDRESS」やショッププロデュースに携わった後、2011年に独立。
 
畑仲さんが掲げるIDOLのコンセプトは「ANOTHER ONE」セレクトショップでもギャラリーでも飲食店でもない何か違う場所でありたい、という畑仲さんの10年来の構想が実現する形となった。
 
お客さんとコミュニケーションをしていくために、分かりやすく伝えることも大切なんですが、一言で説明しきれないような、行ってみないと分からない、ということも今の時代では大切だと思うんです。もっと生々しい、表現者たちのリアルな表現をここから生み出していければと思っています。いろいろなジャンルの表現者たちが作品や表現を持ち寄ってパワーを発信する、“お店”というよりは“サロン”のような人が根付く場所にしていきたいです」(畑仲さん)
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ファッションエディターや、スタイリストなど多方面で活躍するミーシャ・ジャネットさんのウィッグブランド「Plumb(プラム)」のディスプレイ。
Numero TOKYO創刊時から誌面に掲載してきたフォトグラファー操上和美氏による「男の利き手」の写真約40点が展示された。
アーティストの高木綾子さんが手掛ける「NOBODY(ノーバディ)」(税込み4,800円)。ベージュはIDOL限定色となる。
エディターやモデルをはじめ、インターナショナルな顔ぶれが目立ったオープニングイベントの東京晩餐会。
またIDOLのオープニングイベントとして開催されたクリエイティブ・プロジェクト「東京晩餐会(TOKYOVANSANKAI)」は、このコンセプトを分かりやすい形で伝えるものだ。第1回が2011年10月にTABLOIDで開催され、今回が第2回目の開催となる。
 
年代や分野の垣根を越えてカテゴライズされないプロジェクトに」という思いから、デザイナー・森川マサノリさんが手がけるCHRISTIAN DADA(クリスチャン ダダ)のポップアップショップ、ファッション&カルチャーのサイトTOKYO DANDY(トウキョウダンディ)の設立者、写真家ダン・ベイリーさんのアートブック「DISPOSABLE LIVES SET NO. 1」の展示、ミーシャ・ジャネットさんが立ち上げたウィッグブランド「Plumb(プラム)」のインスタレーション、写真家・操上和美さんが「Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)」で連載する『男の利き手』の写真展など、多彩なクリエイターが集まった。オープニングイベントには、ファッションエディターやクリエイター、服飾系の学生、アパレル関係者やその友人を含めた2,000人余りが集まるという盛況振りからも、関心の高さが伺える。
 
2009年頃から原宿VACANT(ヴァカント)をはじめ、高円寺のASOKO(アソコ)、渋谷PARCOパート1、4階のぴゃるこなど既存の業態にとどまらない、ショップのような、ギャラリーのような、用途が限定されないオルタナティブスペースが増えている。
 
その背景には80年代生まれのデザイナー、スタイリスト、編集者、イベンターなど、ファッションやアート、建築など幅広いジャンルを横断しながら、活躍する人たちのネットワークの存在が大きい。それぞれがSNSやUstream、クラウドファウンドなどを用いることにより、各ネットワークがオンラインで、またこのようなリアルな場で容易に繋がれるようになったことも大きいといえる。
 
今の時代はメールやSNSで繋がることも多いですけど、本来は人がリアルに出会うことで、ドラマがあって深まっていくものだと思います。イベントにしてもストアのセレクトにしても、いい意味でそれぞれがぶつかり合う場所でありたいですね。他の場所と連携したり、海外に出ていったりと、予測のできないことにもチャレンジしていきたい」(畑仲さん)
 
【取材・文:本橋康治(ACROSSコントリビューティングエディター/フリーライター)+『ACROSS』編集部】

IDOL(アイドル)

〒107-0062
東京都港区南青山5-11-9 B1F
表参道駅B1出口 徒歩4分
TEL:03-6427-4779

営業時間:
〔ストア〕 月〜木曜日/日曜日:11:00〜20:00 金/土曜日:11:00〜21:00
〔デイリーレストラン〕 月〜木曜日/日曜日:11:00〜23:00 金/土曜日:11:00〜26:00
・HP:http://www.idoltokyo.com/

○スタジオ利用:スチール 26,250 円/1h(最低使用5h)ムービー 応相談
○イベント利用:各エリア 375,000円〜/1日(15h)
※早朝・深夜(20:00〜8:00)、日曜・祝日は料金20%増となります。
■イベント・撮影に関するお問い合わせ先:
http://www.soulplanet.jp/IDOL.html(SOULPLANET受付)


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