都心でありながら、どこかローカルな雰囲気が漂う東京・代々木八幡。駅から徒歩1分の高架沿いに、レディス古着とオリジナルアイテムを扱う「CaNARi yoyogi(カナリヨヨギ)」がある。オープンは2011年2月。運営元は(株)メローカナリア。
「僕はもともとハードコア音楽やスケボーが好きで、アメリカのストリートカルチャーに影響を受けているんです。代々木八幡はスケーターも見かけるけど、近所のおばちゃんも歩いている。近所に住んでいたり、仕事で来ている人など、街にゆかりのある人以外にはほとんど話題にも上らないのに意外とオシャレな人や店が集まってる街」(齊藤さん)というのは、オーナーの齊藤秀行さん(38歳)。
齊藤さんは、国内の某アパレルメーカーでパタンナーを努めていたが、2000年前後にアパレルメーカー各社が続々とOEM/ODM生産を導入するとともに独立。2003年に都内に古着屋をオープンした。当初はメンズ古着を中心にハードコア系バンドグッズ、7インチのレコードなどを販売していたが、市場の動向やニーズに合わせてレディスに移行。アメリカのレギュラー古着を中心に扱っていた。
2009年、営業体制の見直しから、旧店舗を閉店。同年会社を設立し、渋谷区笹塚に「CaNARi sasazuka(カナリササズカ)」をオープンした。そして今回、2店舗めとなる「CaNARi yoyogi(カナリヨヨギ)」を代々木八幡にオープン。同エリアを選んだ理由は、メジャーではないが街全体に根付いたセンスの良さと程よいストリート感、飲食先行でファッション系の店の少ないこと。
品揃えはすべてレディスで、古着が7割、オリジナルが2割。インポート&ドメスティックブランドが1割。古着は年数回アメリカで買い付けを行っている。70〜80年代の古着に加え、プラダやマークジェイコブスなどのハイブランドの古着や靴、USEDのアクセサリーなどが並ぶ。オリジナルは、ミリタリーアイテムなどのベーシックな古着をイメージソースに、齋藤さんがパターンを引き現代的にアレンジ。生地や縫製にこだわった上質なアイテムを提供している。
「たとえば百貨店で上代5万円で販売している品質のものでも、うちでは3万円で販売します。この5万円と3万円の商品が同じ品質だと認識できる、ファッション・リテラシーの高い人たちがコアターゲットです」(齊藤さん)