韓流ファンの聖地として有名な、東京のコリアンタウン・新大久保。韓流グッズや韓国グルメを楽しみに来た人の出発地点となるJR新大久保駅前から路地を入ったほど近くに、韓国コスメ等が無料で試せる、会員専用ラウンジ「コリデパ」がある(オープン:2011年11月10日)。母体は、韓国コスメや洋服を扱う通販サイト「コリアデパート」だ。実はこの「コリデパ」、幣サイトが某コスメメーカーと行っている共同研究のインタビューで、実際に「コリデパ」を訪れ、そこで試した商品を「コリアデパート」で購入したという人に出会ったことから、今回取材することにした。
「コリアデパート」は、韓国・釜山に本社を置く「ALLKOREA Inc.」が2000年から運営する老舗の通販サイト。日本人をターゲットにした日本語表記のサイトで、会員6万人以上に上る人気通販サイトだ。スタート時は韓国のDVDやCD、食品がメインだったが、2000年代半ばに韓国コスメを扱うようになり、人気が拡大。近年はアパレルにも力を入れており、自社ブランドも展開している。人気の理由は、業界随一という13万点以上の豊かな商品数と、安さ。メーカーとの直接取引で、韓国から購入者に直送することで関税もかからないため、通常日本で販売されている価格の半額程度で販売できるのだという。
「コリデパ」に揃う商品は、「コリアデパート」で扱うコスメと、靴・バッグ等のファッションアイテム。同店最大の特徴は、自由に商品を試すことはできるが、販売は一切しておらずあくまでも、ショールームにとどめていること。日本の店頭で販売するとなると、関税の関係で現地価格を維持することができず、サービスの質を落とすというのがその理由である。
コンセプトは、大人の女性の遊び場。入店や試用は無料だが、利用できるのは会員登録をした女性限定で、2時間制/回。会員登録も無料で、店舗はもちろん「コリアデパート」サイト上でも可能だ。無料ドリンクも提供しており、ソファや椅子で寛いだり、ゆっくり商品を試したりできる、まさにラウンジのような空間である。
「おかげさまで、ネット通販の『コリアデパート』は今年12周年を迎えました。『コリデパ』オープンの背景には、それを支えて下さった顧客に感謝の気持ちを表したいという社長の思いがあり、顧客様へのサービスの場所に徹底しています。店内では、お客様から商品やハングル表記についてなどの質問を受ければもちろんアドバイスはしますが、基本的には自由に過ごして頂いています」(コリデパ/金 志妍さん)
物件は、賑やかな新大久保エリアのなかでも、韓流グッズやコスメなどの専門店や韓国料理の店が軒を連ねる繁華街とは逆方向。あえて静かな立地を探したそうだ。店舗構成は、1階がコスメフロア、2階がバッグと靴のファッションフロア。グレーが基調の内装は、アーバンなカフェをイメージした。1階には洗面設備を完備しており、なかにはその場でメイクをすべて落として、アドバイスを求めつついちからサンプルを試す人や、端から端までくまなく商品を試す人もいるという。客が自由に商品を試し、気に入った商品の品番をメモしたり、QRコードからその場でケータイ・スマートフォンで商品情報をさらに調べたりするというのが、他には無い光景だろう。