ライブハウス「LIQUIDROOM (リキッドルーム)」(東京都渋谷区恵比寿)2階に2012年5月にオープンしたギャラリー「KATA(カタ)」。展覧会やトークイベント、アパレルブランドの展示会など、多様なジャンルのプレゼンテーションの場として運営されているスペースだ。
「KATA」は2013年2月、1周年を前にリニューアルを実施。スペースを拡張、床と壁面を改修し、さらに防音を強化することで、高い音響性能を持つという他に類のないタイプのギャラリーへと進化した。2012年3月にはディジュリドゥ奏者にして画家でもあるGOMAの個展「記憶 第3章」を開催し、ビジュアルアートとサウンドが融合した展覧会として話題を集めた。
2004年に新宿から現在の場所に移転した「リキッドルーム」では、「KATA」をオープンする前にも、2階に併設したカフェ「Time out Cafe&Diner(タイム アウト カフェアンドダイナー)」でのトークイベントやラウンジスペースでの展覧会など、音楽以外の企画を開催してきた経緯がある。それが「KATA」という名称のもとでギャラリーとしての運営を行うようになった背景には、音楽のイメージが強い「リキッドルーム」という“カタ”を破るという意味が込められている。「KATA」は約48平方メートルの縦長の形状。着席時は60人、スタンディング時で100~150人を収容可能だ。
「KATA」のディレクション全般を手かげているのは、「リキッドルーム」の佐々木奈美さん。音楽系CSチャンネル「スペースシャワーTV」から原宿「VACANT」の運営の仕事を経て「KATA」の担当に就任した。
「母体となる『リキッドルーム』を音楽だけのハコではなく、いろいろなカルチャーがクロスする場として機能させていくために、『KATA』が誕生しました。『KATA』は完全防音の“音モノのイベントもできるギャラリー”として、より多目的に使えるスペースにしていきたいと考えています。ここから発信する音楽を、音楽以外のフィールドにも広げていくことで、リキッドルーム全体のブランド力を高めていきたいですね」(佐々木さん)。