ここ数年、アラウンド90年生まれの台頭とともに、まるでアニメのキャラクターのようなポップでキッチュなコスプレ系ファッションがストリートで登場していることは、幣サイトでもたびたび紹介してきた。
2012年6月26日、原宿とんちゃん通りにオープンしたレディス古着店PIN NAP(ピンナップ)は、そんな90年代生まれをターゲットにした古着店のひとつである。
グラフィティ風のペイントが施されたGジャンやラメのボディコンワンピース、スタッズ付きのキャップ、ヒップホップ風のゴールドアクセサリー…店内は80’sをテーマに、キッチュで個性的なデザインの古着や、一癖ある小物たちで溢れている。
運営元は、原宿でレディスアパレルのショップやメンズのヴィンテージ古着店を運営する(株)シャッフル。もともと同じ場所で営業していた系列のメンズ古着店VOSTOK(ボストーク)の移転にともない、新業態として同店を立ち上げた。
商品のバイイング、セレクトを行うのは店長のBOB(ボブ)さん(31歳)。
BOBさんは新品レディスウェアを扱う系列店での経験を通し、近年、安価な新品がたくさん登場したことによって、古着をまったく着たことがない若者たちが増えていることを実感していた。そういった若い世代に向けて、テイストを強く打ち出したセレクトショップ感覚の古着店を提案していきたい、と考えていたという。
「古着は全て1点ものなので、究極のセレクトショップでもあります。今の若い子たちには、膨大な古着のなかから掘り出しものを見つける、という感覚はありません。古着に先入観がないぶん、古着屋というカテゴリーを強調せずに、テイストを明確に打ち出すことで抵抗なく楽しんでもらえるのではないかと思いました」(BOBさん)。
原宿で店をやるなら、トレンドを追いかけるのではなく、発信していく店でなければダメだと語るBOBさん。古着を1点ミックスすることで自分の個性を際立たせ、地方都市では成り立たない個性を思いきり発揮するファッションの楽しさを伝えたいと語る。
ターゲットは年齢・性別に関係なく、原宿にいる人全て。実際の来店客層は10代後半〜20代前半の男女で、『TUNE』『FRUITS』を読んでいるようなファッション好きが多いそうだ。