渋谷公園通り、パルコPART1の前に現れた高さ6メートルの巨大なゴミ袋。パルコの外壁の「PARCO」のネオンサインから突如消えた「C」と「P」の2文字。これはパルコミュージアムで開催された、いま最もラディカルな活動を繰り広げるアーティスト集団・Chim↑Pom(チンポム) の大型個展『Chim↑Pom展』の作品の一つである。 パルコ全館を巻き込んだ展示のインパクトはニュースとして広がり、会期23日間トータルで1万1,000人を越える観客を集めた。
Chim↑Pomは卯城竜太・エリイ・林靖高・岡田将孝・水野俊紀・稲岡求の6名からなるアーティスト集団で、2005年の結成以来、社会に向けた強いメッセージを持つ作品を発表してきた。2011年4月には、渋谷駅内に設置されている岡本太郎さんの壁画『明日への神話』に福島第一原子力発電所事故の絵をゲリラ的に付け足したことで話題を集めたことは強く記憶されている。
今回の個展で、彼らがテーマとしたのは「生産・消費・廃棄」。前述した巨大ゴミ袋の作品「Gold Experience」をはじめ、ポップな消費文化を象徴する渋谷という街、さらにファッションビルのパルコという装置を最大限に生かした作品を作り出した。
展覧会場を入って最初に現れるのは、アパレルショップを再現した空間インスタレーション「S-H-O-P-P-I-N-G」。洋服も置かれた什器やレジカウンター、試着室などを配したショップそのままの空間がペインティングされている。壁面に描かれた「SMILE¥0」などの文字、試着室の鏡を開けて隣の展示室に移る順路など、あちこちに彼ららしい仕掛けが施されている。
今回の展覧会で最も反響が大きかった作品は、壁面から撤去したネオンサインを使った作品「PAVILION」だろう。高さ3m×横2mの「C」と「P」の2文字はChim↑Pomの頭文字を示し、それが大音量で流れる曲に合わせて点滅する。『We Will Rock You』(クイーン)『カルミナ・ブラーナ』(カール・オルフ)というスペクタクル感のある曲や、閉店時間を思い出させる『蛍の光』といった楽曲が、ネオンサインを間近で見るというスケール感と相まって面白い効果をあげている。
このネオンサインの実物を撤去してそのまま作品にしたことは、それを受け入れたパルコの姿勢も含めて大きなインパクトを伴って受け止められたようだ。90年代に中村正人さんがマクドナルドやコンビニエンスストアのネオンサインを用いた一連の現代美術作品を発表しているが、それを更にポップに、かつ事件性をもって展開したような新しさがある。
Chim↑Pomは卯城竜太・エリイ・林靖高・岡田将孝・水野俊紀・稲岡求の6名からなるアーティスト集団で、2005年の結成以来、社会に向けた強いメッセージを持つ作品を発表してきた。2011年4月には、渋谷駅内に設置されている岡本太郎さんの壁画『明日への神話』に福島第一原子力発電所事故の絵をゲリラ的に付け足したことで話題を集めたことは強く記憶されている。
今回の個展で、彼らがテーマとしたのは「生産・消費・廃棄」。前述した巨大ゴミ袋の作品「Gold Experience」をはじめ、ポップな消費文化を象徴する渋谷という街、さらにファッションビルのパルコという装置を最大限に生かした作品を作り出した。
展覧会場を入って最初に現れるのは、アパレルショップを再現した空間インスタレーション「S-H-O-P-P-I-N-G」。洋服も置かれた什器やレジカウンター、試着室などを配したショップそのままの空間がペインティングされている。壁面に描かれた「SMILE¥0」などの文字、試着室の鏡を開けて隣の展示室に移る順路など、あちこちに彼ららしい仕掛けが施されている。
今回の展覧会で最も反響が大きかった作品は、壁面から撤去したネオンサインを使った作品「PAVILION」だろう。高さ3m×横2mの「C」と「P」の2文字はChim↑Pomの頭文字を示し、それが大音量で流れる曲に合わせて点滅する。『We Will Rock You』(クイーン)『カルミナ・ブラーナ』(カール・オルフ)というスペクタクル感のある曲や、閉店時間を思い出させる『蛍の光』といった楽曲が、ネオンサインを間近で見るというスケール感と相まって面白い効果をあげている。
このネオンサインの実物を撤去してそのまま作品にしたことは、それを受け入れたパルコの姿勢も含めて大きなインパクトを伴って受け止められたようだ。90年代に中村正人さんがマクドナルドやコンビニエンスストアのネオンサインを用いた一連の現代美術作品を発表しているが、それを更にポップに、かつ事件性をもって展開したような新しさがある。