charifuri(チャリフリ)
レポート
2013.06.20
ファッション|FASHION

charifuri(チャリフリ)

ブリヂストンサイクル社とのコラボバイク&キッズバイクに特化。自転車アパレルブランド「narifuri(ナリフリ)」が発信する自転車セレクトショップ

ブリヂストンサイクル社とのコラボレーションで、街乗りのために生まれた自転車『HELMZ(ヘルムズ)』(9万9,000〜17万9,000円)
HARO BIKES社の「HARO(ハロー)」のキッズバイクは、1歳半から乗車できるものもあり、価格は9,980〜2万4,150円。
ライト、サドルなどの各種自転車パーツ〜グローブ、ヘルメットなどの部品や小物類も充実。
「charifuri」の店長自らがメンテナンスを行い、カスタマイズなど相談も可能。
「charifuri」店長の福永弦生さん(取材時/28歳)。店頭にある自転車は試乗も可能。
都心部の移動手段の1つとして定着しているのと同時に、ライフスタイルとしてもある種のトライブが確立しつつある自転車。そのことを象徴するような自転車のセレクトショップ「charifuri(チャリフリ)」が2012年11月にオープンし、人気をよんでいる。
 
運営元は、サイクルアパレルの注目株である「narifuri(ナリフリ)」を展開する株式会社narifuri。商品は、ブリヂストンサイクル社との協業開発によるバイク「HELMZ(ヘルムズ)」と、子ども向けのキッズバイクに特化し、ヘルメットやライトなどの基本的な自転車アイテムをはじめ、「narifuri」の小物やサイクルジャージなども揃う。
 
場所は、渋谷駅と恵比寿駅のちょうど中間で、旧東横線とJRが交差するところにあるビルの1階。既に2階にオープンしている「narifuri」と併設することで、同社が掲げるコンセプト“fashion + bicycle”の世界観を具体的に表現することに成功したといえる。
 
もともと自転車ユーザーである同社オーナー兼デザイナーの小林一将さん(34歳)は、海外の大学を卒業後帰国し、コレクションブランドを展開するアパレル企業で生産管理や営業、PRなどの経験をもつ。あるとき、日本で自転車に乗る人が急増していることに着目。その光景から動きやすい洋服への将来的な需要を見込み、自身も乗車時の服装に不便さを感じていたことから、2007年にデザイン性と機能性を備えたファッションブランド「narifuri」を立ち上げた。
 
サイクルショップをはじめ、CIBONE(シボネ)TODAY’S SPECIAL(トゥディズスペシャル)など順調に卸し先を増やしてきた同ブランドは、2011年8月に現住所に直営店をオープン。当時からサイクルショップも展開することを視野に入れていたため、1〜2階の2フロアを賃貸契約し、1階を事務所として活用していたそうだ。
 
そんな「narifuri」とブリヂストンサイクル社の出会いは、2008年にまで遡る。当時新たなバイク構想を持っていたブリヂストンサイクル社が「narifuri」のコンセプトに共感したことから、2009年には共同開発がスタート。“実用性に見た目の良さを加える”という開発テーマのもと、小林さんがメインフレームのデザインに携わり、2010年以降、厳選したサイクルショップにて販売してきたという。
 
街乗りの自転車というと、ある意味『なんでもいい』と思われがちですが、街なかは一見平坦に見えるようでも、案外凸凹しているところが多く、段差もあり、実は自転車がタフでないと快適に走れません高級なロードバイクもあれば安いママチャリもありますが、自転車はシーンに応じた“ちょうどいいもの”があるんです。街乗り用にもちょうど良い機能を持つ自転車があるということを提案していきたいですね」(charifuri店長/福永弦生さん)。
 
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2Fのサイクルアパレル「narifuri」

メインはメンズアパレルとなり、アウター類はダウンジャケットやウインドブレーカーなど4万円〜。
機能性に特化した通気性の良いトップスは、Tシャツで8,000円〜、ポロシャツは1万6,000円〜となる。
靴下(2,000円)やベルト(1万円〜)などの小物類も扱い、バックは斜め掛けのポシェットや通勤用の鞄など、平均で1〜4万円となる。
スーツなどのビジネスラインも扱い、乗車時の動きを邪魔しないストレッチや、スリムなシルエットが特徴。加えて裏地に貼られたメッシュ素材が発汗性にも優れている。ジャケットは4万2,000円〜、スラックスは1万9,950円〜、シャツは1万7,850円〜など。
恵比寿駅から歩いて10分ほどの線路と交差する左角のビルに同店を構える。1Fが自転車セレクトショップの「charifuri」、2Fがサイクルアパレルの「narifuri」。
「HELMZ」は、街乗りのために最新技術とデザイン性を備えた自転車で、フレームは頑丈だが軽量なアルミを用いて空気圧を使う特殊製法SPFで成形。フロントギアは変速にしないことでメンテナンス性を向上させ、快適性につながる太めのタイヤを開発するなど細部にまでこだわり、スピードクルーザーというバイクの新たなジャンルを提唱している。
 
一方、キッズバイクは、アメリカでマウンテンバイクなどの製造をを手掛けるHARO BIKES社の「HARO(ハロー)」のZシリーズという商品。2歳前後の子供が初めて乗るランニングバイクから、ペダル付きのものまで子供の成長に合わせて選べるタイプを揃えている。
 
店内では完成車の他、ライト、サドルなどの各種パーツ、ヘルメット、グローブ、などが揃う。価格帯は、「HELMZ」の完成車が9万9,800円~17万9,000円、キッズランニングバイクは9,970円~2万4,150円、ライト2,000~3,000円。整備士でもある店長の福永弦生さん(28歳)がメンテナンスをしてくれるのも安心だ。
 
実は、福永さんは同社のロゴデザインも手がけたグラフィックデザイナー出身。「charifuri」オープンに向けて、木場のプロショップ「サイクルショップ よしだ」で整備や販売など自転車に関することを幅広く修行し、整備士資格を取得したそうだ。

出店場所は、メンズファッションの有名店が多く、30代以上の大人が多く訪れる恵比寿界隈で探したそうだ。
 
ターゲットは、キッズバイクは30代~40代の親子連れ、「HELMZ」は30代~40代の趣味にお金をかけられる大人。「HELMZ」は30代~40代を中心に、上は60代まで来店するという。こちらは自転車初心者よりも、2台目を持つに当たって品質・グレードが良いものをと考えて「HELMZ」を求められることが多いそうだ。また、「HELMZ」のオリジナルパーツを付けたいという目的客も少なくないという。
 
メンテナンスも行うことで、その待ち時間に2階も見てもらうという流れもでてきており、“fashion + bicycle”という提案も徐々に浸透してきているようだ。
 
自転車は乗って損することはありません。まずは運動になる。そして、電車賃が掛からず、エコにも貢献できるというメリットがあります。そして何よりも、自転車に乗ること自体が楽しいことであるということに必ず気づきます。震災以降、自転車ユーザーが増加したとも言えますが、実は都内は自転車の方が動きやすいということにたくさんの人が気づき、定着していると思います」(福永さん)
 
弊サイトでも紹介したワイズロード渋谷本館や自分の自転車を自分でつくる自転車工房BYOB Build Your Own Bike(ビョブ ファクトリー トウキョウ)をはじめ、電動アシスト自転車専門店代官山Motovelo(モトベロ)、カナダのサイクルブランド・ルイガノの国内初直営店でアパレルや雑貨も扱うルイガノストア(吉祥寺)、カゴやキャリアなどの小物も充実させた通勤自転車専門店POTEVEL FIGO!(ポタベルフィゴ)(上目黒)など、個性的な自転車ショップが増えている。
 
また、「H&M(エイチ&エム)は、イギリスの自転車専門店「ブリック・レーン・バイク」とコラボレーションしたアパレル、「H&M for Brick Lane Bikes(エイチ&エム・フォー・ブリック・レーン・バイク)」の発売を2013年3月に開始したことから、ライフスタイルとしても、ファッションとしても、自転車をめぐる消費はますます多様化していくと思われる。
 
取材・文:緒方 麻希子+ACROSS編集部
 

carifuri(チャリフリ)

住所:東京都渋谷区恵比寿西2-5-2 今村ビル1F
TEL:03-6416-9301
定休日:水曜日


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