「眼鏡はもう完全なファッション・アイテムになりました」と、(株)グローブスペックス代表取締役社長岡田哲哉さんは言う。
「98年にグローブスペックスを開店して5年。これまで、世界の眼鏡のトレンドを紹介し、アイウェアのさまざまな可能性を提案してきました。最近は、視力矯正や遮光目的だけでなく、個性を演出する“ファッション・ギア”として楽しむお客さんが確実に増えてきていることから、今度は、逆に、専門店の仕事の中からファッションの提案をしていこうと、ネックレスやブレスレット、リングなどのアクセサリーや帽子などの小物を専門に扱う新業態にチャレンジすることにしました」(岡田さん)。
その新業態の店舗の名称は「s by GLOBE SPECS」。「s」は「自己表現・主張」の意味を持つ“statement”から取ったのだそうだ。取扱うのは、ロンドンのジュエリーデザイナー、ララ・ボーヒンクをはじめ、NYのハットデザイナー、パトリシア・アンダーウッド、トレイシ−・ワッツ、ロンドンのビクトリア・グラント、そして、日本人デザイナーによるコヘジョンやマットなど、新進気鋭のデザイナーが手掛ける個性的なものばかり。さらに、70s、80sに人気だったフォルムをベースに社長自らがデザインしたオリジナルアイウェア・シリーズ「s by GLOBE SPECS」もかなりグラマラスでゴージャス(!)だ。
「シンプルな装いにトレンド感のあるアクセサリーをプラスするような、大人の着こなしに役立てて欲しいと思っています」(岡田さん)。
場所は「GLOBE SPECS」1号店のあった神南の公園に隣接するビルの3階。眼鏡店は、すぐ近くのビルの1階に移転。売場面積も拡大し、旗艦店として新たにスタートすることとなった。コンセプトは「家」だという。
「単純に手狭になったというのもあります」(岡田さん)。店舗デザインのディレクションは、代官山店に引き続き、シー・ユー・チェン氏が率いるデザインオフィスCIAに委託。代官山店では、いかに検眼室をウラに配備し、ファッション性を追求するかがテーマだったが、新・旗艦店では、逆に検眼室をオモテに見えるように配備。フランスの郵便局で仕分け作業用デスクとして使われていたものを始め、工場などで使われていた照明器具、医療用のガラス整理棚、旧いビスレ−の書類整理棚、旧い製図台など、より“眼鏡の専門店”らしい風格が備わった。
「おもちゃメガネ」(85年5月)、「横長メガネ」(87年5月)、「サングラス」(88年4月)、「メガネの頭かけスタイル」(91年3月)、「冬のサングラス」(95年1月)、「細身の縁あり眼鏡」(96年12月)、「デカサングラス」(2001月4年)、「ラップアラウンド型グラス」(2002年7月)。そして、2003年は70年代〜80年代の女優風のヴィンテージものや、ナードな雰囲気の大きめのセルフレームなどが復活。と、幣誌の「定点観測」で取りあげたアイテムの中から眼鏡関係のアイテムだけを振り返って見ても、消費者の眼鏡に対する意識が、「ダテメガネ」から「オシャレ眼鏡」になり、「アイウェア」へと進化しているのがよくわかる。
その背景には、
(1)90年代後半に、グローブスペックスをはじめとする「眼鏡の正統派のセレクトショップ」が全国各地に次々と誕生したこと
(2)国内外を問わず、アイウェアやジュエリーなどを専門とする若手のデザイナーが増えていること
が、大きく影響しているのはいうまでもない。
さらに、(3)「モード」というファクターをどれだけバランスよく取り入れることができるか、ということも、今どきの「アイウェア」のポイントなのである。
S by GLOBE SPECS
レポート
2003.08.12
ファッション|FASHION
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