「DAILYVERYSTOREは、“異業種同コンセプト型”のショップです」と言うのは、同店を運営するエバーパル・インターナショナル・リミテットのプロデューサー柴山直裕さん。
「もともと10年近く、大手セレクトショップや有名ドメスティックブランドのOEM商品を企画・製作してきたんですが、最近のトレンドは複雑。いろんな意味で、もっと消費者からのリアルな反応が欲しくなり、小売店にチャレンジすることにしました」(柴山さん)。
場所は、渋谷・並木橋のそば。以前本企画でも紹介したメンズショップ「時しらず」やカフェ&レストラン「FRAMES DAIKANYAMA」とクラブ「AIR」、そして人気ブランド「GDC」などがオープンするなど、渋谷、代官山、恵比寿のどの駅からもちょっと離れた話題のエリアでもある。
「当初はオリジナル・メンズブランドBLUE GLOBEのオンリ−ショップとして考えていたので、原宿という立地も候補として考えていました。しかし、最近の原宿はティーンズに交じり、30代〜40代のファミリー層が多く来街者が煩雑。これでは自分たちがやりたいことがうまく表現できないと思い、代官山界隈に絞って物件を探したのが昨年の11月頃です」と柴山さん。駅に近づくほどレディスショップが多くなるなど、複雑な代官山エリアをリサーチした結果、この物件と出会ったのだそうだ。
地上3階+屋上の小さなビルは、1Fがメンズウェア、2Fがレディス&家具・雑貨、3Fと屋上がカフェという構成。外装から内装まで全面的にリノベートしたのは、あのランドスケーププロダクツだ。
ショップコンセプトは「モダン・ドメスティック」。「BLUE GLOBE」を核に、モダンなデザインのステーショナリーや食器、ソファ、ローテーブル、そしてテキスタイルのメーター売りなどの「DVSN(DAILUVERYSTORE NAMIKIBASHI)」、さらに、同店セレクトによる「DVSNレコード」など、各フロア盛りだくさんのアイテムがところ狭しと並び、まるでショールームのよう(!)。
「また、屋上もいいんですよ」(プレス・坂本直樹さん)と言われて上がったルーフテラスは、向こう岸に埼京線の渋谷駅のホームを望みつつ、360度視界が開け、かなり気持ちがいい。JR山手線の線路ギリギリの場所に位置するため、目下には複数の電車が走り去るなど、都会のど真ん中にいる臨場感を味わいつつも、フロア全面に木材を起用するなど、暖かさがミックスされた絶妙なバランス感となっている。
「ひとつひとつのコンテンツを成功させて、将来的にはFC展開ができるように頑張りたいですね」(柴山さん)。
アパレルに限らず、卸業で培ったノウハウをベースに小売業へと発展するケースは少なくない。核となるアイテムが、リアルクローズ(日常着)であればあるほど、洋服に止まらず、同じコンセプトでライフスタイル全体を提案するブランディングが求められているのである。同店は、そんな今の時代を象徴するショップともいえそうだ。
DAILYVERYSTORE
レポート
2003.09.09
ファッション|FASHION
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