国内の主要メーカーからもデザイン性の高い家電が開発されるようになり、注目を浴びている。従来からある「無印良品」や「フランフラン」などに「±0(プラスマイナスゼロ)」が加わるなど、国内発のデザイン家電マーケットは拡大する一方だ。そんななか、また1つアイテムが増えた。
2月27日、渋谷区円山町のクラブ「WOMB(ウーム)」で、(株)リアル・フリートの新製品発表会が行われた。しかも、テイ・トウワや大沢伸一といった名立たるDJが登場するクラブイベント『REALFLEET TOUR 2004』と併せての開催である。
今回発表されたのは、(株)東芝とのコラボレーション展開第2弾となるノート型パソコン『dynabook REALFLEET MODEL』(税抜価格25万円)。専用ケースとパームレスト(キーボード下部)にタンカラーの天然皮革を採用したのをはじめ、チョコレートのような色調の3色のキーボードやブラウンのマウスコードなど茶系を基調にした色使いはスタイリッシュな印象だ。また、各キーの表記は英字とアイコンのみ。
「現在ほとんどのかたがローマ字入力ですからね」というのは、(株)リアル・フリートの新井光慶さん。
同社は、(株)東芝在籍時に家電シリーズ「atehaca(アテハカ)」を立ち上げた田部井正輝CEOと熊本浩志COOを中心メンバーとし、フランフランを運営する(株)バルスの出資を受けて、02年に設立された。その後、03年4月に(株)東芝との協業第1弾・液晶テレビ「FACE」を、同年11月にはオリジナルブランド「amadana(アマダナ)」の空気清浄器とマルチリモコンを発表するなど、今“旬”なベンチャー企業の1つである。
「パソコンの場合、製品のライフサイクルが早く、スペックは日進月歩。一般の消費者側は、そんなスペックを使いこなすことができず、あたり前にこだわりやデザイン性を求めているのに対し、メーカー側は未だに機能を追求しているという状況です。そこで弊社では機能を必要最小限に抑え、使えば使うほど価値が上がり、愛着を持って長く使っていただけるパソコンをテーマに企画しました。天然皮革を使用したのもそのひとつ。発想としては新しくありませんが商品化したことに意義があるんです」(新井さん)。
同社とメーカーとがコラボレーションする際の最大の特徴は、プロパーの製品の企画・デザイン・販売をすべて共同開発する点だ。今回の場合、上記同社モデルとは別に、透明感のあるアクリル素材を採用し、ホワイトを基調としたスタンダードモデル『CX-1シリーズ(3モデル)』(オープン価格)を開発している。同社モデルを特別仕様にし、500台の限定発売とすることで話題を集め、スタンダードモデルとの相乗効果を狙っているという。
「REALFLEET MODELをつくり、プロパーモデルを含めたコラボレーションをすることによって、製品ブランドの価値を高めていくのが目標です」(新井さん)。
また、同社モデル製品は「ユナイテッドアローズ」をはじめとするセレクトショップや、「AGITO」、「シボネ」といった高級インテリアショップ、そしてネットによる通販と、販路を限定している。
「そもそも自分たちの欲しい家電がなかったことから立ち上げた会社です。家電製品は生活に不可欠なのでみなさん必ず購入しますが、隠すように使っているかたたちも多いのではないでしょうか。弊社のターゲットは“自分たちのライフスタイルにこだわりを持っている層”。家電もブランドで指名買いしていただけるようになりたいですね」(新井さん)。
なお、同社では今夏以降、「amadana」ブランドからマッサージチェアなどを発表していく予定だという。
REAL FLEET TOUR 2004
レポート
2004.03.17
ライフスタイル|LIFESTYLE
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