「FRAMS代官山店」や「時しらず」などが軒を並べる“奥・代官山エリア”。八幡通りから1本渋谷寄りに入ったこの裏通りに、パリを拠点とするウィメンズクローズブランド『t.yamai paris(ティー・ヤマイ パリ)』の日本唯一の直営店『t.yamai paris(店名表記は“t***”)』がある。オープンしたのは01年11月だ。
デザイナーの山井孝氏は、日本のアパレル企業に勤務後91年に渡仏し、「ズッカ」の立ち上げに参加した後独立。95年、パリ・サンジェルマンに1号店とフランス現地法人を設立。以降、デザイン、製造ともに現地で行なっている。
「パリ店の周辺は高級住宅街。東京でいう自由が丘のようなエリアなんです。学校も多いためお子さま連れのお客さまが多く、オープン時から“子ども服もつくってみたら?”というご提案をよくいただいていました」というのは、運営元の(有)チップス・ジャポン、プレス担当の三浦明子さん。
04年3月1日、満を持してスタートしたのが2〜10歳までの女児を対象としたブランド『& Rose Paris(アンド ローズ パリ)』。04年春夏は、3つボタンのカーディガンや裾にリバティプリントの小花柄をあしらったスカートをはじめ、帽子、靴など全40型を展開する。テーマカラーであるくすんだピンクを中心に、モーヴ(パープル)、サックスブルー、ゴールド(モカシンのみ)など、ちょっと大人っぽい色使いが特徴だ。
「これは日仏共通の印象なんですが、お母さまがたの意識が変わった気がします。“子どもと一緒におしゃれを楽しみたい”と考えるかたが以前よりずいぶん増えました。実は、『& Rose Paris』を2〜10歳までの女児向けとしたのは、ターゲットであるお母さまがたがいちばん選びやすい設定だろうということからだったんです。でも実際は、“子どもの意志を尊重したい”というお考えからお子さまに服を選ばせるかたが多くて、驚きました(笑)。お子さまもちゃんとご自身で決めていますよ」(三浦さん)。
同ブランドの中心価格帯は8,000〜1万1,000円。GAPほど手ごろではないが、ナルミヤブランドほど高くはない。1シーズンに2〜3着は買えるくらいの価格設定だ。
ここ1〜2年、フェラガモ、ジル・サンダー、ルシアン・ペラフィネ、プリングルなどの子ども服がぞくぞく上陸している。これは、バーバリーやポロ・ラルフローレン、そしてナルミヤといった大人服と同等の価格帯で展開している女児向け商品が“高くても売れる”ことを証明したからにほかならない。
それは“少子化だから”、“親がバブル景気を経験している世代だから”というだけでなく、子どものおしゃれへの目覚めを促す母親と、母親のようにおしゃれを楽しみたいと思う早熟な子ども、その双方が増えてきたからこそなのではないだろうか。
なお今後『& Rose Paris』では、バッグやストール、マフラーなどのファッションアイテムを増やすほか、ディスプレイで使用している子ども用のイス(上記写真のモカシンの下にある木製のイス)など、インテリアも販売する予定だ。
& Rose Paris
レポート
2004.03.29
ファッション|FASHION
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t. yamai paris
渋谷区鴬谷町8-9
tel:03-5728-1612
営業時間:12:00〜20:00
(不定休)
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