「3〜4年前から原宿界隈のマーケットはめまぐるしく変化しています。青山・表参道はビッグネームの大型旗艦店が増えましたし、明治通りやウラ原宿エリアは若者ブランドが溢れています」と言うのは、3月12日に原宿、キャットストリートに日本初の旗艦店をオープンしたイタリアの靴ブランド、「CLONE(クローン)」のデザイナー、ブルーノ・ボルデーゼさん。
ブルーノ氏は、イタリアの有名シューズブランド、チェザーレ・パチョッティでのキャリアの末94年に同ブランドを設立。ヴィヴィアン・ウエストウッドや山本耀司など、世界屈指のデザイナーとのコラボレーションワークも手掛けるなど、アヴァンギャルドとクラシックという一見相反するテイストを巧くミックスするのが特徴の、欧米では有名な靴ブランドの代表でもある。
本国イタリアでは95年にミラノにショールームを開設後、97年に旗艦店をオープン。99年にはパリにも出店した他、NYではバーニーズやバーグドルフ・グッドマン、ブルーミング・デールス、香港ではITなどで展開。日本では90年代半ばごろよりバーニーズをはじめ、いくつかのセレクトショップで取り扱われてきたが、反応は良好で、以来、ずっと日本での出店を目論み、7年ほど前からブルーノ氏自ら東京のマーケットをリサーチしてきたというから驚く。
「クローンは誰もが知っている有名ブランドではないが、まったく無名でもない。愛用してくれている方も、子ども過ぎず大人過ぎもしない。そんな微妙なブランドイメージが、ここキャットストリートにぴったりだったんです」とブルーノさん。
店舗面積は48.40平方メートル。什器やチェアはイタリア本国と同じ素材を使用し、鏡面を用いることで外部と内部を連続させ、商品や什器を映り込ませるグラデーションがデザインの一部となっている。
日本で展開する商品ラインはメンズ、レディスどちらも3つ。「変化しつづけること」をコンセプトに、ウナギやカエル、コブラ、ニワトリの足の皮などの素材を用いるなど、ブルーノ氏自身を表現するアヴァンギャルドな「CLONE(クローン)」と、よりクラシックなシルエットに現代的なトレンドをミックスした「BRUNO BORDESE(ブルーノ・ボルデーゼ)」の2つがインポート・ライン。そして、ストリートのトレンドをほどよく盛りこんだカジュアルな「C クローン」は、(株)リーガルコーポレーションとのコラボレーションにより製作。平均価格帯を1〜2万円台に抑えるなど、日本市場参入に積極的だ。
着こなしのポイントがバッグや靴、帽子、アクセサリーといった小物が決め手と言われて久しいなか、ここ数年、マノロ・ブラニクやマーク・ジェイコブス、ミュウミュウ、ツモリチサトなど、デザイナーズブランドならではの個性的なデザインや色・素材、装飾を駆使した“オンナ靴”を買う女性が増えている。価格も3万円〜5万円、7万円とかなり高額。ロングブーツになると10万円を越えるものも少なくない。
たしかに、“ブランドもの”のバッグを誰もが持つようになった今、個性を発揮するポイントがバッグから靴へと移っていったのはごく自然の流れといえるだろう。
また、ストリートの若者が牽引するトレンドが蔓延するなか、このクチュール感覚の“オシャレ靴”のトレンドは、比較的大人の女性がトレンドセッターになっている点も注目しておきたい。
CLONE(クローン)
レポート
2004.04.27
ファッション|FASHION
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