(株)ナルミヤ・インターナショナル(以下ナルミヤ)が牽引する日本のジュニア(小学校高学年〜中学生<8〜15歳>の女児)マーケット。01年より展開する「ナルミヤ・ジュニアシティ」をきっかけに、翌02年8月には文具・雑貨専門店「レインボーパーク」(協業先:(株)学研トイホビー、ビーエスエス(株)、(株)サカモト)、03年8月にはインナーウェアショップ「フラワーガーデン」(協業先:(株)ワコール)、シューズ専門店「シュークリームバー」(協業先:(株)神戸レザークロス)と、他企業との“コラボレーション事業”を推進。常に新しいマーケットを創造してきたのは周知の事実である。
そして04年、ナルミヤが注目したのはジュニア・コスメ・マーケットだ。3月20日にはジュニアコスメ専門店『コスメティックパーラー』を渋谷109-2、丸井今井札幌本店、熊本鶴屋百貨店と3店舗同時期にオープン。今回のパートナー企業は玩具メーカーの(株)バンダイである。
「ナルミヤさんと弊社は2年前より、ベンディングマシンや携帯電話の待受画面などで提携してきました。また98年からは(株)サンリオのキャラクターを採用した未就学児向けのコスメシリーズ『ジュエルドロップ』も展開。今回の協業はその双方の実績が評価されたからではないでしょうか」というのは、(株)バンダイ メディア部プロデューサー第四チームの中田京子さん。
「実は、ジュニア層を取り込めなくなってきているという玩具メーカー側の業界事情も背景にあります」というのは、同社社長室広報チーム・サブリーダーの中西香澄さん。
「小学生ともなると関心事はオシャレ。クリスマスやお誕生日にはおもちゃより洋服などを欲しがるようになります。今回のジュニア向けコスメショップ展開では取り逃がしていたトライブが何を求めているのかリサーチするという意味も含んでのことです」(中西さん)。
今回商品化されたのは、ナルミヤブランドの中でも最も女の子らしい『Mezzo Piano(メゾピアノ)』。全部で60種類あるアイテムは、同ブランドの指定色である白とピンクを基調に商品やパッケージがデザインされている。価格は、パウダーやオードトワレなどのメイクアップアイテムが1,050〜5,250円、シャンプーやアイケアジェルなどのスキンケアアイテムが840〜1,260円、マニキュアやネイルシールなどのネイルアイテムも525〜1,050円と若干高めだ。
「お子さまたちはメイクをする過程やその行為を楽しんでいます。お母さまがメイクしている姿を見てうらやましい、同じようにしてみたいと思っているんです」(中田さん)。
店頭には百貨店のコスメカウンターのようにテスターを設置。また美容部員ならぬ“お姉さん”がおり、母親が見守る横でメイクのアドバイスも受けられる。
実は、ジュニア・コスメ市場が注目されるようになったのは95〜96年ごろにまで遡る。ちょうど1,000円以下で購入できるチープコスメが次々と登場したことにより、小・中学生のおこづかいでもコスメが買えるようになったのが直接的なきっかけだ。97年にはジュニア向けファッション誌『nicola』が創刊。洋服や小物のみならずヘアスタイルやコスメ情報も提供されるようになるなど、広義のファッション・マーケットとして活気づいていったのである。
しかし、その後、各メーカーから子ども向けコスメ商品が次々と開発されたが、子どものお化粧ごっことしての粋を越えなかったようだ。ネックとなったのは売場。ほとんどが玩具売場か量販店が中心だったため、商品単価が安いうえ、売場のメンテナンスの手間がかかるなどデメリットが多かったのである。
「大人が欲しいと思う商品でなければ子どもだって欲しがりません。実際に、店頭では付き添いのお母さまのほうが熱心に商品を見るという場面も多く見られます。店舗もお母さまも行きたくなるような雰囲気づくりを心がけ、ハリウッドミラーやハート型のスツールなど、遊び心がありながらも細部にまでこだわった高級感のあるつくりにしました。これも直営店による展開にこだわるナルミヤさんのブランディング、世界観づくりを反映した結果です」(中田さん)。
今後は、シーズンごとにアイテムを追加。5月27日には東武百貨店池袋店にもオープンし、2005年3月末までには10店舗展開する予定だ。
コスメティックパーラー
レポート
2004.05.12
ファッション|FASHION
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(株)バンダイ
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