PONY GO ROUND

PONY GO ROUND

レポート
2004.07.05
ファッション|FASHION

店内にディスプレイされているハンド
メイドの自転車「ARROW」は販売も
している。値段は大型が29,800円〜。
小型が33,800円〜。色の塗り替え
及び買取も可。
人気商品のワッペン。とくに入園式や
始業式シーズンには大人気で売り切れ
るものも。エプロンやお道具箱用バッ
グのリクエストも多いという。
「私自身からだが小さいこともあり、子ども服を日常着にしていました。大人の女性でも着られるような子供服をつくりたい!と思ったのが、このブランドを立ち上げたきっかけです」と言うのは子ども服ブランド『PONY GO ROUND』のプレスを務める長谷部玲さん。

ブランド設立は97年10月。同時に直営店を大阪アメリカ村にオープンした。02年10月には2号店として東京・千駄ヶ谷にも出店していたが、04年1月、キャットストリートに移転した。

「“隠れ家的”なものをイメージしてオープンしたのですが、あまりに隠れ家過ぎちゃって(笑)。99年秋冬からカタログ通販を始め、01年からはウェブ上からもカタログ請求を受け付けていますが、初めて来店されるお客様から“行きにくい”という声をいただくようになったんです。そこで、事務所兼プレスルームとして使用していた今の場所を思い切って店舗にすることにしました。こちらに移ってからはラブラドールリトリーバー、パタゴニアなど買い回りしながらいらっしゃるお客様が増えました」(長谷部さん)。

実は、ブランド設立当初の商品構成は、「ムチャチャ」や「ラブラドールリトリーバー」といった他社製品のセレクトが8割。同社オリジナルブランドの「PONY GO ROUND」は2割程度だったとか。

「あるときオリジナル商品として無地のシンプルなスウェットを10型程度つくったところ、かなり好評だったので、徐々にオリジナルを増やし、現在は7割で他社製品3割とほぼ逆転の構成になりました」(長谷部さん)。

全国の子ども服専門店などへも商品を卸しており、現在39都道府県・81店舗とその数も年々増えているそうだ。

同ブランドはいわゆる“ナチュラル系”。Tシャツやスウェットなどカットソー商品の大半はオリジナルのコットン100%の生地を起用。ベージュやカーキ、レンガ色といった少しくすんだ色合いのものが多く、ワンウォッシュ加工が施されているものなど、一見古着っぽく見えるのも特徴だ。中心価格帯は3,000円前後と手頃。

「よく“ナチュラル系”といわれますがあまり意識していません。根底にあるのはアイビーやトラッド。実は両親が『VAN』に勤めていたので子どもの頃はいつもVANのボタンダウンに巻きスカートというスタイルだったんです。その反動で、一時は古着とかボロルックに走りましたけど、ひと回りしてまたアイビーに回帰したって感じでしょうか(笑)。VANの世界観が強烈過ぎて忘れられなかったんでしょうね」(長谷部さん)。

ここ数年、子ども服市場では「ムチャチャ」「Laugh & Cheap」「DENIM&DUNGAREE」など、関西発のナチュラル系ブランドが台頭。03年夏には、掲載する子供服のほとんどがナチュラル系の“関西発キッズ&ベビーファッション情報誌”『maria』((株)アンジュ・パブリッシング)が創刊。04年6月号からは月刊化している。

00年を境にビビットなカラーと個性的なキャラクターによる世界観でジュニア市場にひとつのトライブを形成した“ナルミヤ系”。その反動からか、それとも大人のトレンドがトラッドやプレッピーへと回帰しているからか。いずれにしても、“ポスト・ナルミヤ系”は、シンプルなデザインでベーシックな色使い、ちょうどいい質感と価格がポイントの“ナチュラル系”といえそうだ。

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