LoRo

LoRo

レポート
2004.08.11
ファッション|FASHION

生地のバリエーションが豊富なのは、帽子に
は難しいとされる服地も扱えるがゆえ。
職人ならではの技術だ
オリジナルの「ピッコロ」(5,460円)は後ろ
部分が大きく、ターバンのようにも見える
デザイン。一見斬新だが、被るとしっくりと
自然なラインが生まれる
今季のハンチング人気もひと段落し、来季
注目されているのは平天帽(4,830〜7,350円)
だそう
五感を大事にしたいという思いから、
オリジナルの香水「Riposo」(5,250円)
までも企画・販売している。もちろん
パッケージも折原さんによるもの
07年末、渋谷に移転リニューアル。
移転後の取材記事は≪こちら≫からご覧頂けます。


移転先地図
新住所 〒150-0002 東京都渋谷区渋谷1-23-21

(※以下の記事は移転前のものです。)
3月24日、青山に折原尚(タカシ)さんがデザインを手掛ける帽子ブランド、LoRo(ローロ)のショップがオープンした。アパレルメーカーで商品企画開発やデザイン、パタンナー、バイヤーとしての経験を持つ折原さんは、帽子職人の家に生まれ育った3代目。なんと店内に並ぶ帽子は全て、折原さん自身の手により仕立てられている。

「“癒し”でなく、元気に外へ出て行きたくなるような帽子を作りたいというのがデザイナーの思いです。デザイナーズブランドとしての確立が目標ですね」というのはプレス担当の中山洋子さん。

約10坪の店内には、ハンチング、キャスケット、キャップ、平天帽といった定番のものから、ターバンを思わせるオリジナル商品まで、個性豊かな帽子200点以上が並ぶ。見た目もさることながら、そこは職人が生み出す帽子。直接肌に触れる内側のリボン部分には、クッション性を持たせるため中綿を施したオリジナルのコットン、裏には発汗性の高い不織布を使用するなど、見えない部分にもこだわっている。たとえば、絶壁に見えがちなハンチングは、8枚接ぎにすることで立体感を出し、小顔効果を狙ったツバはやや長め。キャップしか被ったことがない人でも抵抗なく被れるようデザインされているなど、アパレルを経験した職人ならではの心配りが随所に伺えるのが特徴だ。平均価格は5〜6,000円と良心的。自分もふつうに買える程度に設定したのだそうだ。

また、内装も、“何でも自分でやってしまう”という折原さんの自身のデザインによるもの。体内をイメージした店内は、帽子を飾るリングは細胞、チェーンはDNAの繋がり、床に敷かれた紫の絨毯は血液をイメージしているのだとか。なんと体内の粘膜をイメージし、天井にも絨毯が施されていた。

実は、03年10月におがくずのぬいぐるみでお馴染みのモダンペッツを主催する中野シロウ氏と共同で「SPANA」というショップを渋谷・神南に出店しており、同店は2店舗めにあたる。こちらはLoRoの帽子とモダンペッツのぬいぐるみなどを扱っている。

「ヘアスタイルをアレンジする人が多い渋谷に比べ、青山は比較的ナチュラル。それに合わせ、サイズも1cmほど小さくしています」(中山さん)というように、ニーズを細かく分析し、商品に反映しているそうだ。

「渋谷の若者だけでなく、その少し上のラインを見ていこうということで、今回の出店となりました。実際の客層も、渋谷が20代前半、青山は20代後半がメイン。自由にアレンジできるよう小技を効かせたデザインになっているので、被る人によって新しいイメージが生まれるんです」(中山さん)。

ここ数年のストリートファッションの主軸となっているのは、シンプルなTシャツでも、定番のリーバイスの501でもなく、ちょっとひとひねりされたレイヤードトップスやダメージ加工のパンツなど、“ちょいデザイン”されたアイテムであるのは周知の事実。当然、こういったトレンドはバッグや帽子などの小物にも波及している。30代の大人たちが積極的にストリートのトレンドを取り入れている今、イマドキのデザイン性+職人の技術というクオリティを携えた同店の青山への出店は、自然の流れといえるかもしれない。

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