「ブームや流行の仕掛けでやってきた日本のマーケットも、もう限界に来ていると思うんですよ」と言うのは、アメカジショップ「トラヴェルス」の代表、関誠さん(41)。
同店が位置するのはキャットストリートの1本裏手。ユナイテッドアローズ・ディストリクトの脇の階段を登った左手にあるデザイナーズ住宅の2階である。オープンしたのは04年3月27日。
幼少期をアメリカで過ごし、米軍基地内での通訳の仕事も経験したという関さんは、昨年夏に惜しまれつつも閉店したプロペラやバックドロップ、レッドウッド、横浜のジャンキーなど、アメカジショップの全盛期に青春時代を過ごした“初代アメカジ世代”である。
その後、(株)インターナショナル・トレーディング・コーポレーション(ITC)を経て、昨年までラブラドールリトリバーのメインバイヤーとして勤務。そういった経験を生かしてオープンした「トラヴェルス」のコンセプトは、ズバリ「大人向けのアメカジショップ」だという。
「うちがいう“大人”とは20代後半から40代です。流行っているからという理由だけでものを選ぶのではなく、ものの本当の価値やスタイルに目覚めた大人。年齢的には、新人類世代以降、団塊ジュニア世代くらいまででしょうかね」と関さん。
東海岸のコテージをイメージした約10坪の店内には、コレクションラインのラルフローレンやアイク・ベーハーのシャツをはじめ、アバクロンビー&フィッチやパタゴニア、ブリーフィングのリュックやデッドストックのスニーカー、ユタ・ヌーマンのレザーサンダル、アメリカ製復刻リーバイスなどアメカジを代表する商品がぎっしり。アイテムによっては、インバーアランのセーターやバブアーのアウター、デュベティカのダウン、フレンチラコステのポロシャツなど、ヨーロッパメイドの定番アイテムも少なくない。
「大手企業は、いまだに80年代のようなネタの宝庫だった大量消費の時代からのやり方から抜けられていない。ライフスタイルの提案どころか流行のスクラップ&ビルドが激し過ぎて、ブランドの価値をわからないまま、ダメにしてしまうことも少なくなかったと思います」と関さんは言う。
「本当の豊かさを実感できるライフスタイルの構築やサポートを実践していきたい。尊敬するラルフルーレンの言葉じゃないですが、“流行は害である”。すぐに飽きてしまうものではなく長く愛せるものだけにこだわっていきたいですね」(関さん)。
■ TRAVELS of cat street
東京都渋谷区神宮前5-17-8-2F
TEL:03-5485-8108
FAX:03-5485-8107
travels55@hotmail.com
TRAVELS (of cat street)
レポート
2004.11.02
ファッション|FASHION
長く愛せるものだけをチョイス。
30-40代をターゲットにした
「大人のためのアメカジショップ」の誕生。
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TRAVELS (of cat street)
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