つい先日、3月5日にも、JR大宮駅構内に『ecute大宮』がオープンするなど、すっかりひとつの業態として認知されるようになった「エキナカ商業空間」。その魅力はなんといっても毎日利用する駅の乗降客数である。
編集室のある渋谷の各路線の1日の乗降客数は、JRが862,930人、東急東横線が412,790人、東京メトロ銀座線が253,128人、同半蔵門線が334,670人、京王井の頭線が324,401人。合計218万7,919人(麻布通信社調べ)と、なんと東京駅とほぼ同じ数というから、そのマーケット規模に単純に魅力を感じる人が増えてもなんら不思議はないだろう。
04年に民営化した東京メトロも「駅で便利=EKIBEN」プロジェクトのひとつとして「エキナカ商業空間」の創出に積極的だ。対象となる駅のいくつかを社員自らが客層などを調査。外国人が多い溜池山王駅にはベ−グル店を、ビジネスマンの多い大手町駅にはそばとおむすびのお店を、若い女性が多い北千住にはリラクセーションやネイルサロン、輸入雑貨店などを出店し賑わっている。
そんななか、渋谷駅構内にも昨年末から可動式リラクゼーションサービス「どこでもリフレッシュ」が営業している。
「もともと弊社は『QUASYS』や『安隠』といった簡易リラクゼーションサロンを全国で展開していますが、04年の夏、関西空港内に搭乗待ちのお客様向けに簡易式リラクゼーションショップを出店したのをきっかけに、今回東京にも出店することになりました」と言うのは、同店を運営する(株)ガブルス・ジャパンのプレス担当平野恵さん。
場所は東京メトロ半蔵門線渋谷駅の表参道寄りのホームを上がってすぐの通路で、四面に折り畳んだパーテーションと専用の椅子が一体となった専用ブースが2台。電車が到着するたびに、すぐそばを改札口に向かう人が通り過ぎる一見落ち着かない場所のようだが、実際に座って施術を受けてみると意外と気にならない。
料金は5分500円、10分1000円、15分1500円と小刻みな設定。ちょっと待ち合わせの時間までに余裕ができちゃったという方や、残業をしにこれから帰社するというビジネスマンなど、「ちょっとだけ」需要が幅広い年齢層に人気があるそうだ。
「04年の秋、同じこの場所にテーブルを置いて、ONE DAY SHOPとして『ハリーポッター』の本の販売を行なったこともあります」(東京地下鉄(株)関連事業部 元営業・営業推進担当副主任田中泉さん)。
07年度には地下鉄13号線が開業し新駅が誕生するのをはじめ、2012年度を目途に東急東横線との相互直通運転するなど、駅の構造そのものが大きく変わることが予想される渋谷駅だが、それまでの「ちょっとだけ」の期間を利用して、渋谷ならではの新しい「エキナカ商業空間」の試みに期待したい。
どこでもリフレッシュ@東京メトロ
レポート
2005.03.23
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