恵比寿から広尾に抜ける、静かな住宅街の中にひっそりと存在感を放つジュエリーギャラリ−「ギャラリー・ドゥ・ポワソン」。店内はギャラリーならではの白一色で、シンプルで個性溢れる商品が一際目立つようになっている。
商品のセレクトの基準は「ユニークさ」と「クオリティ」だという。世界各国のアーティストが手がけたジコンテンポラリージュエリーやオブジェなどを作家本人から直接買付けており、海外の展示会や国内のセレクトショップでもお目にかかれない商品が品揃えされている。
ギャラリー・ドゥ・ポワソンがオープンしたのは2003年5月。オープン以前はセレクトショップやミュージアムショップなどへの卸しとしてのスタートだったそうだ。
「はじめはジュエリーをメインにスタートしたのですが、徐々にアクセサリーやバック、スカーフといった服飾雑貨やインテリアプロダクツ、アパレルと取扱うアイテムが広がり、地下のフロアだけでは全てを見せることができなくなってきたので、05年3月、1階にショップをつくったのです」と言うのはギャラリー・ドゥ・ポワソンのマネージング・ディレクター山田遊さん。
店名は「オブジェクト・バイ・ギャラリー・ドゥ・ポワソン」。ギャラリー・ドゥ・ポワソン初の直営店という位置付けになるのだそうだ。
世界中のありとあらゆるモノが手軽に手に入るようになった現在の日本で、ギャラリーショップというユニークな業態のショップをオープンすることになったきっかけは、スピードに拍車のかかるファッショントレンドへの違和感だと言う。
「実は、その昔、大阪の心斎橋や東京の青山でデザイナー系のブランドのセレクトショップをやっていたのですが、年々加速するトレンドにだんだん限界を感じてきました。そこで、思い切ってお店をたたみリセット。本当に見てもらいたい商品、手にとって感じて欲しい価値のある商品を品揃えしたショップをつくろうと思ったとき、アーティストのジュエリーに出会ったんです」(山田さん)。
ショップ内にも設けたギャラリースペースでは随時ファッションアイテムをメインとした展覧会を行い、地下のギャラリーでは年6回ペースで企画展を開催。今後はデザイナーによる洋服のインスタレーションも予定しているそうだ。基本的なスタンスとして、単に商品だけを紹介するのではなく、作家を日本に紹介するパブリシスト、プロモ−ター的な役割も担っている。
取扱うのは、エスター・デルクス、クラーティエ・マーティン、クリスティン・アルバーツ、ノート、ハーベスト、フェリー、フローリアン・ラッチェーター、ユタル・ユエリ−・フュ−ジョン、ピ−など欧米の作家が大半を占めるが、日本からもミントデザインズ、赤津彰夫、植田陽子、ユホプロダクツ、ハーベスト、メロー、ノ−トなどの作品・商品が展示・販売されている。
「ギャラリーショップという業態はヨーロッパでは当たり前のように存在しますが国内ではまだ珍しい。今後国内にももっと広めていきたい」と山田さんは言う。
ここ数年、全世界的にみても、アパレルに限らず、靴やバッグ、アクセサリーと幅広いファッションアイテムを取扱う合同展示会の開催が相次いでいる。実は、日本国内にも優秀な作家がたくさん存在するのだが、日本の大手専門店やセレクトショップなどにはなかなか入り込めないのが現状だそうだ。
「将来的には、若い作家さんやブランドや作家さんの発表の場としても活用していきたいと思っています」(山田さん)。
取材・文:苫米地香織(フリーライター)
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オブジェ・バイ・ギャラリー・ドゥ・ポワソン
〒150-0013 東京都市渋谷区恵比寿2-3-6 B1F
TEL 03(5795)0451
info@deuxpoissons.com
http://www.deuxpoissons.com/
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レポート
2005.04.06
ファッション|FASHION
国内外のアーティストのファッションアイテムを取扱う
「ギャラリーショップ」が恵比寿に誕生
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Open 12:00-20:00
水曜日定休 -
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ギャラリー・ドゥ・ポワソン
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