Sovereign

Sovereign

レポート
2005.04.23
ファッション|FASHION

国内外のラグジュアリー&ハイクオリティなアイテムが選り抜かれた大人のショップ。

シャンデリアがゴージャス感を演出する店内。
ベルトやバッグなどの小物類は特に
トレンド感をプラスできる旬のアイテムが揃う。
店内奥がメンズコーナー。オリジナルのSway
の他、イタリアのvintage55など大人が粋に
カジュアルダウンできるセレクト。
カジュアルなジーンズやTシャツがあるかと
思いきや、パーティーにも対応できる
エレガントなドレスも揃うのが同店らしい。
ディレクターの感性で自由にセレクトされる
とあり、買い付け毎にアイテムやブランドが
異なる。
NYのショップをイメージしたという立体感
のある壁面。これはDOUBLE STANDARD
CLOTHINGのショップ全店共通だそう。
今季Sovereignのテーマは
“ロイヤルネイビー”。トラッドに遊び心を
加えた大人の着崩しを提案。
04年12月中旬、青山4丁目にアパレルショップ「sovereign(ソブリン)」がオープンした。運営するのは(株)FILM。同社が手掛けるレディースカジュアル「DOUBLE STANDARD CLOTHING」のベーシックラインとして誕生したブランドである。

「DOUBLE STANDARD CLOTHING」は、カジュアルな中にもグラマラスな女性らしさがミックスされた、トレンド感溢れる人気ブランド。99年よりオプティチュードやビームスといった全国のセレクトショップで展開し、5年目となる04年に初の直営店をオープン。以後、パルコやラフォーレ、丸井などで10店舗を展開している。

「sovereign」は、そんな「DOUBLE STANDARD CLOTHING」の大人っぽさに特化したブランドとして03年7月にデビュー。クオリティーへのこだわりはもちろん、クチュールテイストをも含めた新しいエレガンスカジュアルを提案している点が特徴だ。さらにビーズ使いやボタンなどのディテールにこだわり、大人の遊び心を加えている。

「「DOUBLE STANDARD CLOTHING」を展開していく上で、目の肥えた良いお客様を獲得するため、シンプルでベーシックな別ラインの必要性を感じてきたんです。同時にお客様の要望にも後押しされる形で、同ブランドを立ち上げました。いつか店舗を構えたいとは考えていましたが、たまたまいい物件に出会い急速に話がまとまったんです」と、同社企画担当の吉田崇さんは言う。

場所はゆとりを持って大切に育てていきたいという思いから、あえて外苑西通りから一本入った裏通りを選んだ。モノトーンを基調とした25坪の店内は、シャンデリアや重厚な什器が使用されたシックでゴージャスな空間。オリジナルとセレクトを50%ずつの割合で構成している。

そして同店の最大の特徴は、デザイナーであり代表取締役である滝野雅久さんが、バイイング、ディレクションを兼任し、自由な趣味の空間として独自の世界観を築いていること。滝野さんの感性やこだわりにより、靴やバッグはもちろん、アクセサリーから下着、財布など、国内外を問わずハイクオリティなアイテムが選り抜かれている。ほとんどが1〜2点ものという希少性も大人心をくすぐるポイントだろう。

「お客様の好みに合わせるのではなく、ディレクターの感性を貫き通せるような強気のスタンスでいきたいですね。素材や縫製はしっかりしていてあたりまえ。シルクをふんだんに使うなど、手にとれば品質の良さがすぐに感じとれると思います。高価でいいものではなく、純粋に、いいね!と思って頂けるようなものを提供していきたいんです」(吉田さん)。

客層は、30〜40代の流行に敏感なイノベーター層。読者モデル、プレス、スタイリストなど顧客にはいわゆる“業界人”も多く、リピーター率も高いのだとか。宣伝や売り込みはあえて仕掛けておらず、口コミによる集客がほとんどだそうだ。

青山と麻布や赤坂を繋ぐこのエリアは、一度に20万〜30万円の買い物をするようなワンランク上のお客様も多い。「DOUBLE STANDARD CLOTHING」を含める同社全体の客単価は2万5,000円であるのに対し、同ブランド単体では3万7,000円とやや高め。しかしそれも地域性により、手頃な価格として受け入れられてしまうのだそう。

「今後、店舗を増やす予定はありません。欲張ると趣味ではなくなるし、ブランドのイメージも保てないんですよね。大切にのんびりと、何年かかけて固定客を増やしていくつもりです」(吉田さん)。

また同店では、30〜40代の大人の男性をターゲットにした同社初のメンズライン「Sway」を中心にメンズも扱っている。今後は「Sway」に注力し、新たにメンズマーケットの開拓に力を入れるということだ。


取材・文/増田わか奈(フリーライター)

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