97年のオープン以来、ヨーロッパを中心に買い付けた古着と、インポートブランド、オリジナルブランドをミックスした品揃えが、10代〜30代の男女に幅広く支持されてきたセレクトショップ「n°44(ナンバーヨンジュウヨン)」。90年代末以降の定番スタイルとなった“古着ミックスの上質なストリートスタイル”の立役者でもある。
運営するのは、(株)シマムラトーキョーコーポレーション。同社は東京・大阪・福岡で5店舗の直営店を運営するほか、姉妹会社であるShimamura Paris&Co.がパリで2店舗の直営店を運営。さらに同社で企画生産を行う「0000」と、パリのアトリエが企画し、フランスで生産を行う「0044」の2つのオリジナルブランドを展開している。
そんな同社は今春、新たにレディースブランド「n°11(ナンバージュウイチ)」をデビュー。ブランド設立と同時に、05年3月5日、オンリーショップ「n°11」をオープンした。場所は原宿通り沿いで、以前は同社が運営するギャラリー「Gray」があった場所である。
「弊社は98年からギャラリーGrayを運営。音楽やカルチャーに関連する展示やイベントを行ってきましたが、他社との連動でイベントを重ねるうちに、同社の世界観を表現するのが難しくなってしまったんです。そこで、いったんギャラリーをクローズし、改めてアパレルに注力。これまでとは異なるテイストの新しいラインを立ち上げ、勝負することにしました」(プレス酒井由加さん)。
ブランドのディレクションは、同社の取締役、嶋村公子さんが担当。同社がこれまで展開してきたオリジナルブランドがユニセックスな雰囲気なのに対し、よりフェミニンでロマンティックなテイストに仕上がっている。コットンや麻、シルクなどの素材をベースに、アンティークのレースを使ったり、ウォッシュ加工やハンドステッチが施されていたりと、ハンドメイド感のあるアイテムが多いのが特徴だ。
「ブランドのコンセプトは、女性本来の美しさを引き出す服。どんなにモードやスポーツが流行っても、レースやフリルなどのロマンティックなアイテムは女性にとって定番。女性が本質的に好きなテイストだと思うんです」(酒井さん)。
店舗面積は14坪。ブランドのイメージカラーである白で統一された店内には、アンティークのシャンデリアや家具が配備され、どこかノスタルジックな雰囲気だ。季節の花や絵本がディスプレイされていたり、ハンガーにビーズやコサージュなどの装飾が施されていたりと、女性の心をくすぐる演出が至るところになされている。
商品は、「n°11」のフルコレクションに加え、イタリアのアイ アム、フランスのマダム ア パリの靴など小物で一部セレクト商品も展開。またヨーロッパを中心に買いつけられた繊細なアンティークのアクセサリーも扱っている。さらにアンティークのドロワーズやキャミソールを使った一点ものリメイクラインも同店のみで限定販売している。
価格はトップスが4,500円〜、スカートは7,800円〜と、比較的手頃に設定。品質やデザインにこだわりながらも、生産国を工夫することで価格をコントロールしているのだそうだ。場所柄、メインの客層は20代の女性だが、実際の購入者層は30〜40代までかなり幅広いという。
トレンドを積極的に取り入れ、消費するギャル的志向の女性が台頭する一方で、トレンドや年齢に関係なく、自分自身の好みや心地よさを追求する女性は確実に増えている。
弊社の定点観測でも、「メディアは信用していない」「人と同じアイテムはイヤ」という声が多く聞かれるようになっており、トレンド至上主義を降りた、新しい女性の価値観は今後ますます広がっていく兆しを感じた。時代は、着ている姿を誰かに見せるための服ではなく、着ていることがその人自身を満足させる服を求めているようだ。
ちなみに現在、「n°11」のアイテムは同店のほか、福岡、大阪の「n°44」ショップでも販売。さらに今後は卸の展開や地方への出店も考えているそうだ。
取材・文/重保 咲
n°11(ナンバー11)
150-0001
住所:渋谷区神宮前3-22-6 館野ビル1F
TEL:03-5413-5511
営業時間:11時〜20時(無休)
n°11
レポート
2005.04.28
ファッション|FASHION
(株)シマムラトーキョーコーポレーションが手がける
新ブランドn°11のオンリーショップ
関連リンク
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n°11(ナンバー11)
150-0001
住所:渋谷区神宮前3-22-6 1F
TEL:03-5413-5511
営業時間:11時〜20時(無休)
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