2005年1月28日、東京でも今もっとも注目されているブランドのひとつ「ドレスキャンプ青山本店」がオープンした。同ブランドは、長年セレクトショップのOEM商品を手がけてきた(株)アト・ワンズが、同社のアパレル事業部が自社ブランドとして2002年に立ち上げたものである。
「ブランドデビュー以来、百貨店や大手セレクトショップを中心に展開していましたが、04年夏頃からドレスキャンプの世界観をきちんと出せる場を設けたいと思い、今回オンリーショップをオープンすることになりました」と語るのはプレス担当のディシプリンの寺田玲子さん。
場所は表参道から1本入ったところで、店舗デザインは日本を代表するインテリアデザイナー片山正通氏に依頼。約30坪店内に入りまず驚かされるのは、フロアの真ん中に配されたガラスケースに収められた3体のブロンズ風のライオンだ! 天井にはスワロフスキーのシャンデリアが煌めき、ソファとテーブルのある一角には、宝飾品のようなアクセサリーやヘルメットが並ぶ。
ブランドの基本コンセプトは「着る喜びのある服」。洋服を着た時の気持ち、格好良さ、人に見られる喜び、この服を着ると頑張れる、ちょっとスペシャル、というように、着ることの楽しさを服に表現している。
デザイナーの岩谷俊和氏は96年に(株)アト・ワンズに入社。テキスタイルデザイナーとして活躍した後、もともと服飾デザイナーを希望していた彼がメインとなり、2002年、「ドレスキャンプ」をスタートした。同年の春夏から東京コレクションにて作品を発表。大胆なプリント柄や色、デザイン、音楽などが業界内外で話題を呼び、あっという間に有名ブランドとしての位置を確立した。
「ドレスキャンプがコレクションでこんなにも注目されたのは、昨今のリアルクローズブームで大人しくて暗いショーが多いなか、服もモデルも音楽も明るく元気が出るショーであることが大きいのでは」と寺田さん。
「東京の若手のブランドは、ロックやドクロなどをモチーフにしたものが多いじゃないですか。色も黒がほとんど。でも、もっとポジティブな要素があってもいいのでは、というのが、デザイナー岩谷のメッセージです。ブランドビジネスはある意味においてはサービス業ですからね」(寺田さん)。
2005年春夏のコレクションで圧倒的な注目度だったのはスポーツブランド「チャンピオン・プロダクツ」だ。
「もともと、岩谷は学生の時にバスケット部だったんです。バスケットといえばチャンピオン。ということで、スムーズにコラボレーションが決まりました。デザインの細部にもこだわりがあり、一部のパンツはバスケット用ウォームアップパンツのようにサイドが全開するデザインになっています」(寺田さん)。
このチャンピオンのシリーズをはじめ、最近は女性だけでなく、若い男の子たちにも人気急上昇だという。取材当日、平日の午前中にも関わらず次々と男の子が来店。なかには30歳ぐらいの男性の姿も見られた。メンズラインは今季で2シーズン目だが、メンズは一過性のブームに流されやすいので、今後露出を控えるなど、慎重に展開をしていくそうだ。
岩谷さんは、2004年には毎日ファッション大賞、新人賞を受賞。その独特のクチュール感覚溢れるブランド=「トーキョー・モード・ブランド」は、確実にストリートに新風を吹き込んでいる。
取材・文:苫米地香織(フリーライター)
DRESS CAMP/ドレスキャンプ
レポート
2005.05.25
ファッション|FASHION
クチュール感覚溢れる
「トーキョー・モード・ブランド」の誕生
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