club C.

club C.

レポート
2005.06.20
ファッション|FASHION

確実に次の次元へと進化する美容業界に誕生した、
「パーソナル・ビューティ・サロン」club-c.

熱心に化粧品の評価をする会員たち。
取り扱う商品は、百貨店ブランドから
専門店ブランドまで。
メーカーとのコラボレーションで
作成した化粧ポーチは、ライナー
を入れ替えるとOLのランチバッグ
に早変わり!
コスメライター歴18年のベテラン
美容ジャーナリスト永富千晴さん
美容ジャーナリストの永富千晴さんが主催する「club C.」が青山1丁目へ移転。05年2月にオープンした。

現在でこそ、美容専門誌『マキア』が主催する「マキアサロン」をはじめ、「ヒメクラブ」など、メーカーを横断した「化粧品のお試しサロン」という業態が話題となっているが、実は、03年にオープンした同サロンが業界初。

「美容ライターとして、誌面を通して良い化粧品やその使い方などを説明しても、なかなか言葉だけでは伝わっていないことがわかりました。化粧品はたくさんありますが、使い方が間違っていれば、効能も半減。また、合う、合わないは人によっても違いますし、同じ人でもその日のコンディションにとっても大きく異なります。できるだけ、人それぞれにあったベストな使い方をお教え出来れば、と思いサロンをつくったのが始まりです」(永富千晴さん)。

メーカーさんのご要望により、サロン利用者からの意見等をマーケティングデータとしてフィードバックするというのが基本的な仕組みである。現在、「club C.」の会員数は20代〜30代の女性を中心に約1200名。そのほとんどの入会理由は「化粧品の種類があり過ぎて、何を使って良いか分からない」「自分にはどの化粧品が合うのか分からない」など個人的な悩みが多く寄せられている。なかには「キレイになりたい」と、直球な言葉も少なくないそうだ。

「お客様には、ここにある化粧品を自由に使って、自分に似合うものを探してもらい、使い方などを簡単にレクチャー出来ればと、思っていたのですが、実際は「何がお勧めですか?」「どうすればいいのですか?」とたくさんの商品を目の前にすると、何を選んでいいのかがわからないというお客様がほとんどでした。そこで、1人ひとりにあなただったらこれが合いますね、これはこうやって使うといいですよ、とアドバイスしていくうちに、今のようなお客様に合う化粧品やその使い方をいっしょに探して、いっしょにキレイになりましょう、というスタイルになりました」とプロデューサーの竹内けいさん。

実際にこのサロンに入会したのをきっかけに、人生感が変わるほどキレイになった女性も少なくなく、雑誌のコスメ特集で読者モデルとして活躍したりもしているという。

「たくさんのお客様と接しているうちに、化粧品を選ぶことから始まって、サロンに通ってもらううちに、内面までが変わってしまうことが多いのにびっくりしました。キレイになるというのは、外側からの効果だけでなく、なかからの美、“インナービューティ”も大切なんだということを実感しましたね」(永富さん)

そこで、4月からは、キャッチコピーも「パーソナル・ビューティサロン」に変更。パーソナルレッスンの他に、ヒーリングや恋愛カウンセリングといった幅広いメニューを取り揃え、インナービューティへのサービスにも力を注いでいる。

「お客様と直接、接していることで求められていることの変化もリアルに分かります。美容業界は確実に次の次元へと進化していますね」(永富さん)。

欲張りな女性の「キレイになりたい」という気持ちに答えるために、日々進化を続けるサロン「club C.」は、「自分自身が固まらない様に」と心掛ける永富さんそのものといえそうだ。

ちなみに、永富さんは、「club C.」の運営とは別に、美容分野に特化した編集プロダクションも経営しており、女性誌やインターネットを中心に連載やコメントを執筆。さらに、7月に赤坂にオープンする日本初のビューティモール「EXCITE」の立ち上げにも参画している。

■取材・文:苫米地香織(フリーライター)




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