Salon boutique(サロン ブティック)

Salon boutique(サロン ブティック)

レポート
2006.01.05
ファッション|FASHION

大人の女性だけが味わえる
魅惑のシューズブランドの初ブティック

今季(冬)はエナメル素材のシューズが人気。
メタリック感や光沢のある素材はオリジナル
商品の中でも特に評判が良いそう
ガーリーな要素をふまえながらも大人っぽさ
を感じさせる絶妙なデザインの「ビュロー・
デ・ファンテジスト」のニット
“大人の女性のリビングルーム”をイメージ
したコーナー。壁際のコラージュ作品は
ファッション誌などでも活躍するアーティスト
「MIHO」に、靴やバックの素材を利用して
制作してもらったもの
12月より展開した直営店限定モデル。
ほつれたネット柄にオリジナルのアクリル
パーツやカラー鳩目を散りばめた8.5cm
ヒールのパンプスと、同柄のウォレット。
甘さを控えたロマンティックなテイストで、
一足早い春に向けての商品
定番デザインのパンプス。小さなスタッズが
打ち込まれ、ハードさの中にも繊細さを
感じる「Salon(サロン)」らしいデザイン
バーニーズなどのセレクトショップで展開している人気のシューズブランド、「Salon(サロン)」初の直営店「Salon boutique(サロン ブティック)」が05年9月8日オープンした。場所はユナイテッドアローズ原宿本店のさらに奥。原宿とは思えないほど静かで落ち着いたこのエリアは、ショップこそ少ないものの、千駄ヶ谷はもともとアパレル関連の事務所が多い地域ということもありひときわ通好みの存在感を放っている。

「Salon(サロン)」は(有)サロンの代表兼デザイナーである酒井伸子さんが1999年にスタートしたブランド。常に存在感のあるシューズやバックを展開し続け、セレクトショップでは大人の女性を中心に好評を得、現在では「Salon(サロン)」の他に「アナザー」「アペア」「ビュロー・デ・ファンテジスト」などのブランドを展開する。

同社は以前の場所が手狭になった事をきっかけに、恵比寿寄りに構えていた事務所を千駄ヶ谷へ移転。その際1階を利用して、ショップを併設することにしたのだそうだ。アンティークとコンテンポラリーをミックスしたインテリアが特徴的な内装は、酒井さん自らがプロデュースした。

「ショップコンセプトはブランド名にちなんだサロン風。ゆったりと時間を過ごして頂ける様な隠れ家的なブティックを意識しています」と語るのはプレスを担当するリハーサルの小高妃登美さん。

同店で展開する商品はメインブランドである「Salon(サロン)」と、03年にスタートしたニットブランド「ビュロー・デ・ファンテジスト」の2つ。「Salon(サロン)」は、“可愛げのある悪趣味”“現代性の中の懐かしさ”“重さの中のカジュアル感”といった、相反するものをミックスしたイメージがコンセプト。一方「ビュロー・デ・ファンテジスト」は、透かしやジャガード編み、糸の太さによる表情の変化などニットの持つ普遍的な要素をアレンジしながら、ありそうでなかったひと癖あるデザインを提案している。

元々シューズデザイナーである酒井さんがニットをデザインする様になったのは「ニットが好き」と言うそのひと言。酒井さんにとって、この「好き」という感覚こそが最小にして最大のクリエイション源といえるだろう。酒井さんが好きな世界、表現したい世界観が、シューズやバッグ、ニットやショップに至るまで、作り出す全てのものに詰まっているようだ。

「あえて棚を置かず、床にディスプレーするのもデザイナーの意向で、カーペットやフィッティングルームのカーテンもお部屋の模様替えの様に季節にあわせて変える予定になっています」(小高さん)。

同店では通常のコレクションの他に、直営店限定カラーのシューズや限定モデルなど、ここでしか手に入らない商品も揃う。

Salon(サロン)のシューズはデザイン性の高さに加え、靴底にクッションが敷かれていたり、日本人の足を考慮した木型を使用するなど、履き易さにも定評があります。いろいろなスタイルを経験した大人のお客さまに履きこなしていただきたいですね」(小高さん)。

00年以降、トレンドが女性らしくラグジュアリーな方向にシフトするなか、とりわけ足元は現在のトレンドを表現するうえで最も重要な要素といっても過言ではない。大人の女性だけでなく、若い年齢層にとってちょっとした憧れの存在ともなっている同ブランドは、そんな街の空気に後押し出されるように必然性を持ってオープンした旬のショップといえるだろう。

今後、多店舗展開は考えておらず、同店で「Salon(サロン)」の世界観を存分に表現していくそうだ。


[取材・文/苫米地香織+『WEBアクロス』編集室]

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