rhubarb(ルバーブ)

rhubarb(ルバーブ)

レポート
2006.02.25
ライフスタイル|LIFESTYLE

「毎日使えるかわいいもの」にこだわる
女店主がセレクトする表参道の雑貨店

「生活の一部として使ってもらえた方が
ものも喜ぶと思うんです。じっくり迷って
考えてOK!納得して購入して欲しい」
(川合さん)とのこと。
二面採光の明るい店内。店名のルバーブは
ヨローッパではよく見かける野菜の名前で、
見た目も言葉の響きも好きなのだそう。
セレクトの基準は、お店の雰囲気に合うか
どうかと、自分が本当に好きかどうか。
内装はできる限り自分たちの手で行った。
特にこだわったというドアも必見。
ちょっとしたディスプレイにも、川合さんの
センスとこだわりが感じられる。
06年2月11日に表参道ヒルズがオープンしたことで、街の変貌に拍車のかかる表参道。そんな街の喧騒を抜けた裏通りのマンションの一室に、“かわいいだけでなく、実際に使える”ことにこだわりを持った雑貨店がある。店名は「rhubarb(ルバーブ)」。05年8月15日、デザイナーをしていた川合陽子さん(30)がはじめたヨーロッパの生活用品を集めた店だ。

場所は表参道ヒルズの裏、いわゆる「まい泉通り」をさらに入った細い通り沿い。まさに隠れ家的な立地だが、実は、表参道の人混みを逃れて裏通りで原宿と行き来する、よい寄り道になっているのだとか。

そんな同店の魅力は、「ありそうで、なかった!」と思わせる実用性と、愛着が沸くようなかわいさを合わせ持った生活用品が、幅広くきちんとセレクトされていること。カラフルなドイツ製のマグカップ用のふたや、ちょっとあると便利なティーバッグ受け、心和むデザインのビニール袋、玄関に引っ掛けても様になる小ぶりの靴べら…など、今っぽくデザインされているとか、アンティークで希少価値があるような“頑張った”アイテムではなく、使うたびにうれしくなるような、生活にちょっとした潤いを与えてくれるようなセレクトに、こだわりが感じられる。

現行品とアンティーク商品の割合は半々。あえてお店っぽさにこだわらず、ヨーロッパの“田舎のおうち”をイメージしたという店内で、じっくりと商品を選ぶことができる。

「小さな頃から雑貨好きで、20代前半から、ずっと“生活の提案”を表現する仕事をしたいと思っていました」という川合さん。海外旅行が好きで、ヨーロッパを中心とした国々を訪れた際にも各国の雑貨を見てまわり、さらにその魅力に惹かれたとか。

「アンティークよりも、在庫がたくさんある現行品で、おもしろいものを探しています。アンティークはかわいいものにめぐり会いやすいんですが、大切にするあまり実際には使えなかったりして。かわいいものこそ、毎日ちゃんと使える方が楽しいと思うんです。といっても、スタイリッシュなデザイナーズものよりも、工芸品的なもののような、今も昔も変わらず作り続けられているものに逆に新鮮さを感じます。モダンでもなければ、使い勝手も悪そうなものだったりするけど、それがかえっていい味になっています」(川合さん)。

飾っておくだけでなく、使えるものとなると、生活用品の中でも必然的にキッチン系のアイテムが中心になってきたのだそうだ。買い付けには、ドイツ、ハンガリー、オーストリア、チェコ、オランダ、イギリス、北欧などヨーロッパを中心に幅広く、年4回ほど訪れている。

「今は、みんなが生活について楽しもうとしはじめてる雰囲気がありますよね。そういう系統の雑誌もたくさん出ていたり。お客さんも使う場面を真剣に想像したりして、きちんと考えた上で買い物をしてもらっているような印象を受けます」(川合さん)。

客層は、周辺で働く20代前半〜30代の女性、カップルとご近所の主婦に加え、男性客も少なくないそうだ。同店のターゲットでもある「生活を大切に考えている人」が男女を問わず着実に増えてきた今、こだわりを持った売り手と買い手による、小さくも濃密なマーケットがまたひとつ開拓されつつあるようだ。

今後は東京以外の地方の方たちの訴求にも応えるべく、HPや通販も充実させていく予定だそうだが、やはりいちばん大事にしたいのはお店そのもの。

「常に新鮮で、また行きたいと思える店づくりを心掛け、雑誌やHPを見て問い合わせてくれるような地方の人たちにも実際に足を運んでもらえる店にしていきたいです」(川合さん)。


[取材・文/重保咲+『WEBアクロス』編集室]

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