2月14日から16日にかけて、アッシュ・ぺー・フランス株式会社(以下H.P.社)主催による合同展示会「rooms 14」が六本木ヒルズ内のアカデミーヒルズ40で行われた。前回まで開催されていた代々木体育館が改装のため、都市開発を通じアートや文化の発信・交流を進めたい森ビルと、ファッションの交流の場としてのroomsのコンセプトが合致し今回の開催となった。
2000年にスタートし14回目を数えた今回のテーマは「Jungle」。エントランスには巨大なゴリラのオブジェが置かれ、草花が広がる華やかな演出は、緒方信行氏率いるブラジルのクリエーター集団「OESTUDIO」によるもので、ビルのワンフロアという限られた空間を活かし、各ブースへの導線がまるで森に入っていくように作られるなど、密度の濃いものとなっていた。
会場は大きく「SUNRISE AREA(サンライズ・エリア)」、「SUNSET AREA(サンセット・エリア)」の2つに分けられており、その中でインターナショナルブースの「living room(リビングルーム)」や「ABEST(アベスト)」、ショールームの「Pregnant(プレグナント)」がブースを設けていた。その他にも、フォトグラファーTAKA氏によるインスタレーション、ジュエリーアーティスト中場信次氏によるエキシビションも併設されるなど、ちょっとしたワンダーランドといった雰囲気。参加したのは厳しいオーディションによって選出された239ブランドで、そのうちの81ブランドが新規出展だったという(ちなみに、約50ものブランドがキャンセル待ちで涙を飲んだそうだ)。
これらの新規出展ブランドの一部は若手デザイナーのインキュベーションを目的とした「イエローブース」に集約され、新しいクリエーションを求める多くのバイヤーで賑わっていた。
「SUNRISE AREA」は地上40階の窓から見える東京のパノラマが明るく開放的な雰囲気で、一方「SUNSET AREA」は暗く夜の雰囲気。「livingroom」は05年9月の「rooms11」に新設されたフランス婦人プレタポルテ連盟のブースで、フランスを中心としたヨーロッパのブランドが多く集まるエリア。また「ABEST」は、ブラジルファッションデザイナー協会のブースで、今シーズン注目の最新ブラジルブランドが多数紹介されていた。「Pregnant」はH.P.社のバイヤーでありプロデューサーでもある南貴之氏がセレクトしたコーナーで、メンズをメインに、レディスやインポートものなど出色のブランドが多くなかなか見応えがあった。
今回の「rooms」は「世界でいちばん早い展示会」ということもあり、07春夏からのトレンドの流れをそのまま引き継いだような「甘くて軽やかでエレガント、またはかわいらしい」作品(商品)が目立ち、思わず今回が秋冬シーズンの展示会ということを忘れてしまうほどであった。
確かに、ストリートに目を転じてみるとここ数年、春夏のブーツやファー、秋冬のノースリーブやミニスカートなど「シーズンレス化」が進んでいるのは事実である。そんな気分を意識してか、プロダクトもシーズンレス化し重量感もあまりなく、むしろそれを感じさせないブランドの方が新鮮に感じた。
そんななか、特に心惹かれたトレンドの傾向は、「洗練された生活観とナチュラリズムの表現」である。「生活観」や「ナチュラル」という言葉はこれまでも何度となく取りあげられたキーワードで、実は今シーズンのトレンドのキーワードでもあるのだが、それが秋冬に向け、さらに洗練されていて繊細で、ハンドメイドによる優しい素材感やユーモラスな絵柄のプリント、凝った造型ながらもカッティングのテクニックを駆使して、ナチュラルなリアルクローズとなっていた点が強く印象に残った。会場で筆者が気になったブランドをいくつか紹介したい。
「SUNRISE AREA」の窓際に大きなブースを作った「Masaki Kyoko(マサキ・キョウコ)」、「UNA ARTESANO ALMA(ウナ・アルテサノ・アルマ)」は紡績から自家工場で行うニットメーカーダ。糸の産地も厳選し、テキスタイルからオリジナルで作る商品は、シンプルななかにもデザイン性がエッセンスとしてほどよく取り入れられている。「Masaki kyoko」はカラーヤーンでキュートな印象。「UNA ARTESANO ALMA」は、白や生成のベーシックカラーでミニマムながらもテキスタイルとしてのデザイン性が感じられる大人のラインである。
「UNA ARTESANO ALMA」とは職人の魂という意味です」と言うのは代表の佐藤正樹さん。ニットというとセーターというイメージが強いが、ワンピースやジャケットなどアイテムの垣根を越えて自由に楽しんで着て欲しいとデザインしたのだという。国内ではH.P.各店、海外は現在アメリカにも卸しているという。
「MDに振り回されることなく、自由に使ってもらえるアイテムを作りたいですね。いずれはブランドの世界観が表現できるオンリーショップを持ちたいと思っています」(佐藤さん)。
「Mayu(マユ)」は新人クリエーター支援のためのブース(イエローブース)に出展していたアクセサリーブランドである。コンセプトは「しなやかな女性がまとう香水のように、身につけた人の日常にとけ込むアクセサリー」。デザイナーの岡松真由さんは、かつては「ANNA SUI(アナスイ)」や「SONIA RYKIEL(ソニアリキエル)」のアクセサリーデザイナーというキャリアの持ち主の実はベテランで、3シーズン目となる今回は、ラメの入った組紐とメタルパールを組み合わせたシリーズを発表していた。編み込まれた艶のある糸とメタルパールが、抑えめながらも華やかさのある、大人の女性がさらっと着けられる魅力あるアクセサリーブランドだ。
「私は自分が好きなものを作っていきたいと思っています。シンプルなドレスに合わせたとき、つける人によって見え方は変わってもその人に自然に馴染むような存在でありたいですね」という岡松さん。今回の出展での反響も大きく、ビジネスとしての手応えも感じたという。
「ninita」は、つい先日ラフォーレ原宿にも初めてのオンリーショップを出店したレディスのカジュアルブランド。デザインやテイストは若々しいが、実際の顧客は10代から40代までと幅広い。デザイナーの西脇智代さんはもともとタレントや女優の服や小物を手がけてきたベテランのスタイリストで、個性的なモチーフプリントのスウェットや総柄編みのニットなどイギリス人のテキスタイルデザイナーによるデザイン力と、それらを軽くカジュアルなアイテムに落とし込んだパターンのテクニックとの絶妙なバランスが魅力のブランドだ。
「どんなに芯が強い女性でも可愛らしいものを求める心は共通のもの。そんな女性のかわいさ、柔らかさを表現したい」と西脇さん。服と同じテキスタイルの雑貨や大きなスワロフスキーのネックレスなどキュートな小物類も人気だ。今後は国内だけでなく、ヨーロッパでも展開も視野に入れているそうだ。
「Enjoy Accessory!」とストレートなブランドコンセプトが印象的な「carmine」は今回が初出展のブランドだ。若々しくユーモア溢れる商品は、会場でも独特の存在感を放っていた。「アートな感じ、ヘンな感じの面白さを目指しています」と言うのはデザイナーの沖高麗子さん。テーマは「都会の中の自然」。工事現場をイメージしたという蛍光色のタイに反射布がついたネックレスをはじめ、厚いフェルト地に虫や花など自然のモチーフをフォトプリントしたブローチや芝生の生えたブローチなどデザインも斬新だ。メンズを意識したというリアルなクワガタのシリーズはゴールド、シルバーの他にドット柄もあり、まさに「carmine流ヘンな感じ」。いずれも3800円から高くても2万円代前半とリーズナブルで衝動買いしそうな魅力あるアイテムである。まだデビューしたばかりというブランドのため流通等もすべてこれからというが、今回の出展で原宿のいくつかのショップから声がかかるなど評判は上々だという。
「翡翠」は01-2年シーズンから東京コレクションにも出展している実力ブランド。「女性の日常の中にある非日常、内面の美しさを映し出すような服でありたい。ドレープや造型で女性をより女性らしく際だたせる素材やカッティングにもこだわっています」とデザイナーの伊藤弘子さんは語る。
「大人の女性の身体に優しく沿う、ストレスをかけない軽さを目指しています。自分の好きなものを知っている大人の女性にチョイスしてもらいたいと思っています」(伊藤さん)。シフォンやジャージィなどのドレス群は見た目も触感にも優しく何ともいえない色気がある。ステンレスが配合されているという艶感のあるシャツもネック部分のブラウジングが絶妙。また今シーズンは少しアバンギャルドな造型にもチャレンジし、中綿をシフォンで包んで作ったドレスも都会のアーキテクチャに映える大人の女性のためのモダンな服といえそうだ。今回出展した商品は、3月12日に行われたJFW(ジャパンファッションウィーク)でも披露された。
「OTO」は美しいシルエットが魅力的な靴のブランド。デザイナーの乙浩成さんは、「木型から自分でおこしてシルエットにこだわった靴を作っています。型数をいたずらに増やすより1つの型を作り込んでいきたい」と話してくれた。シンプルながらもヒールや細部にデザインが施されオリジナリティに溢れている。素材は国内外を問わずデザインや色による仕上がり感を意識して厳選。なかにはファーのフリルをあしらうなど独創性にも富んでおり、国内だけでなく海外からのオファーも多い出色の靴ブランドだ。
「Obstinacy」は渋谷パルコのインキュベーションスペース(期間限定ショップ)への出店をはじめ、大手セレクトショップでも注目されている新進ブランドだ。「女性の強さと儚さ」という二面性のあるコンセプトを2人の男性デザイナーが手がけている。今シーズンは女性の部屋をイメージし、その中に置かれた「香水瓶」からデザインを膨らませた、とデザイナーのTONYさんは語る。「女性の部屋というロケーションから生まれる生活感、またその中にある日常性と非日常性の両端を香水瓶というモチーフに託しました。女性はその両極面があることで魅力的になる。それを表現したかった」(TONYさん)。
レザーのノーカラージャケットや、シフォンとジャージィのコンビネーションシリーズなどは単に甘いというよりどこか苦みを孕んだ大人の女性の女性のイメージ。今後は、海外のセレクトショップへの卸をはじめ、独自の世界観を表現したオンリーショップも構想中だそうだ。
また、今回、エキジビションとして招かれたのが、ジュエリーアーティスト中場信次さんが手がける「S.NAKABA」だ。中場さんは、1974年以来、ゴールドやシルバーはもちろんのこと、配管用のポリエチレンパイプやポリタンク(!)、空き缶、ペットボトルなどさまざまな素材を用いて独特のジュエリー作品を手がけてきた気鋭の作家である。
「ジュエリーは遊び心や俳句のようなもの。その日ふっと素材に触発されて、その材料に向かい合う。そんな出会った瞬間がすべてですね」と中場さんは話してくれた。
アルミの空き缶で作られたというチェーンネックレスはそのボリュームからは想像も つかないほど軽くポップな仕上がりになっている。「チープな素材を美しい作品にすることで自分なりの現代性を表現しているつもりです。素材の持つ可能性を引き出す挑戦が面白いんです」(中場さん)。
「UNA ARTESANO ALMA」とは職人の魂という意味です」と言うのは代表の佐藤正樹さん。ニットというとセーターというイメージが強いが、ワンピースやジャケットなどアイテムの垣根を越えて自由に楽しんで着て欲しいとデザインしたのだという。国内ではH.P.各店、海外は現在アメリカにも卸しているという。
「MDに振り回されることなく、自由に使ってもらえるアイテムを作りたいですね。いずれはブランドの世界観が表現できるオンリーショップを持ちたいと思っています」(佐藤さん)。
「Mayu(マユ)」は新人クリエーター支援のためのブース(イエローブース)に出展していたアクセサリーブランドである。コンセプトは「しなやかな女性がまとう香水のように、身につけた人の日常にとけ込むアクセサリー」。デザイナーの岡松真由さんは、かつては「ANNA SUI(アナスイ)」や「SONIA RYKIEL(ソニアリキエル)」のアクセサリーデザイナーというキャリアの持ち主の実はベテランで、3シーズン目となる今回は、ラメの入った組紐とメタルパールを組み合わせたシリーズを発表していた。編み込まれた艶のある糸とメタルパールが、抑えめながらも華やかさのある、大人の女性がさらっと着けられる魅力あるアクセサリーブランドだ。
「私は自分が好きなものを作っていきたいと思っています。シンプルなドレスに合わせたとき、つける人によって見え方は変わってもその人に自然に馴染むような存在でありたいですね」という岡松さん。今回の出展での反響も大きく、ビジネスとしての手応えも感じたという。
「ninita」は、つい先日ラフォーレ原宿にも初めてのオンリーショップを出店したレディスのカジュアルブランド。デザインやテイストは若々しいが、実際の顧客は10代から40代までと幅広い。デザイナーの西脇智代さんはもともとタレントや女優の服や小物を手がけてきたベテランのスタイリストで、個性的なモチーフプリントのスウェットや総柄編みのニットなどイギリス人のテキスタイルデザイナーによるデザイン力と、それらを軽くカジュアルなアイテムに落とし込んだパターンのテクニックとの絶妙なバランスが魅力のブランドだ。
「どんなに芯が強い女性でも可愛らしいものを求める心は共通のもの。そんな女性のかわいさ、柔らかさを表現したい」と西脇さん。服と同じテキスタイルの雑貨や大きなスワロフスキーのネックレスなどキュートな小物類も人気だ。今後は国内だけでなく、ヨーロッパでも展開も視野に入れているそうだ。
「Enjoy Accessory!」とストレートなブランドコンセプトが印象的な「carmine」は今回が初出展のブランドだ。若々しくユーモア溢れる商品は、会場でも独特の存在感を放っていた。「アートな感じ、ヘンな感じの面白さを目指しています」と言うのはデザイナーの沖高麗子さん。テーマは「都会の中の自然」。工事現場をイメージしたという蛍光色のタイに反射布がついたネックレスをはじめ、厚いフェルト地に虫や花など自然のモチーフをフォトプリントしたブローチや芝生の生えたブローチなどデザインも斬新だ。メンズを意識したというリアルなクワガタのシリーズはゴールド、シルバーの他にドット柄もあり、まさに「carmine流ヘンな感じ」。いずれも3800円から高くても2万円代前半とリーズナブルで衝動買いしそうな魅力あるアイテムである。まだデビューしたばかりというブランドのため流通等もすべてこれからというが、今回の出展で原宿のいくつかのショップから声がかかるなど評判は上々だという。
「翡翠」は01-2年シーズンから東京コレクションにも出展している実力ブランド。「女性の日常の中にある非日常、内面の美しさを映し出すような服でありたい。ドレープや造型で女性をより女性らしく際だたせる素材やカッティングにもこだわっています」とデザイナーの伊藤弘子さんは語る。
「大人の女性の身体に優しく沿う、ストレスをかけない軽さを目指しています。自分の好きなものを知っている大人の女性にチョイスしてもらいたいと思っています」(伊藤さん)。シフォンやジャージィなどのドレス群は見た目も触感にも優しく何ともいえない色気がある。ステンレスが配合されているという艶感のあるシャツもネック部分のブラウジングが絶妙。また今シーズンは少しアバンギャルドな造型にもチャレンジし、中綿をシフォンで包んで作ったドレスも都会のアーキテクチャに映える大人の女性のためのモダンな服といえそうだ。今回出展した商品は、3月12日に行われたJFW(ジャパンファッションウィーク)でも披露された。
「OTO」は美しいシルエットが魅力的な靴のブランド。デザイナーの乙浩成さんは、「木型から自分でおこしてシルエットにこだわった靴を作っています。型数をいたずらに増やすより1つの型を作り込んでいきたい」と話してくれた。シンプルながらもヒールや細部にデザインが施されオリジナリティに溢れている。素材は国内外を問わずデザインや色による仕上がり感を意識して厳選。なかにはファーのフリルをあしらうなど独創性にも富んでおり、国内だけでなく海外からのオファーも多い出色の靴ブランドだ。
「Obstinacy」は渋谷パルコのインキュベーションスペース(期間限定ショップ)への出店をはじめ、大手セレクトショップでも注目されている新進ブランドだ。「女性の強さと儚さ」という二面性のあるコンセプトを2人の男性デザイナーが手がけている。今シーズンは女性の部屋をイメージし、その中に置かれた「香水瓶」からデザインを膨らませた、とデザイナーのTONYさんは語る。「女性の部屋というロケーションから生まれる生活感、またその中にある日常性と非日常性の両端を香水瓶というモチーフに託しました。女性はその両極面があることで魅力的になる。それを表現したかった」(TONYさん)。
レザーのノーカラージャケットや、シフォンとジャージィのコンビネーションシリーズなどは単に甘いというよりどこか苦みを孕んだ大人の女性の女性のイメージ。今後は、海外のセレクトショップへの卸をはじめ、独自の世界観を表現したオンリーショップも構想中だそうだ。
また、今回、エキジビションとして招かれたのが、ジュエリーアーティスト中場信次さんが手がける「S.NAKABA」だ。中場さんは、1974年以来、ゴールドやシルバーはもちろんのこと、配管用のポリエチレンパイプやポリタンク(!)、空き缶、ペットボトルなどさまざまな素材を用いて独特のジュエリー作品を手がけてきた気鋭の作家である。
「ジュエリーは遊び心や俳句のようなもの。その日ふっと素材に触発されて、その材料に向かい合う。そんな出会った瞬間がすべてですね」と中場さんは話してくれた。
アルミの空き缶で作られたというチェーンネックレスはそのボリュームからは想像も つかないほど軽くポップな仕上がりになっている。「チープな素材を美しい作品にすることで自分なりの現代性を表現しているつもりです。素材の持つ可能性を引き出す挑戦が面白いんです」(中場さん)。
このように主催者側の厳しい眼により厳選されたベテランからデビューしたての若手デザイナーまでが一同に会し、また会場の演出やエキシビション、飲食施設など細部にまでと細かく気配りされた丁寧な合同展示会は、国内外を探してもこの「rooms」以外は見つからないだろう。各々のブランドの世界観を大切にする主催者側の姿勢が上手く作用しており、もはや従来の合同展示会の枠を超え、さまざまなファッションやバイヤーとの交流、作品を発表し合う刺激ある「場」の様相を呈してきているといえそうだ。
そこには偏ったトレンドに引っ張られているショップやブランドのMD構成に対する疑問があり、「ビジネスのできる新しい商材」をバイヤーやファッション関係者が渇望しているという背景があるのも事実。今回の「rooms」への来者数は3日間で前回の1割増の1万1,000人。うち約7,000人がバイヤー、1,000人がプレス関係者と、年々増加しているのもそういった期待を裏付けるかのようでもあったが、今後は、海外からのバイヤーの積極的な誘致を意識し、JFWをはじめとする他のファッションイベントとの連動なども期待したい。
[武藤孝子(ファッションライター)+『WEBアクロス』編集部]
そこには偏ったトレンドに引っ張られているショップやブランドのMD構成に対する疑問があり、「ビジネスのできる新しい商材」をバイヤーやファッション関係者が渇望しているという背景があるのも事実。今回の「rooms」への来者数は3日間で前回の1割増の1万1,000人。うち約7,000人がバイヤー、1,000人がプレス関係者と、年々増加しているのもそういった期待を裏付けるかのようでもあったが、今後は、海外からのバイヤーの積極的な誘致を意識し、JFWをはじめとする他のファッションイベントとの連動なども期待したい。
[武藤孝子(ファッションライター)+『WEBアクロス』編集部]