健康志向の高まりとともに多様化が進むフィットネスクラブ市場。すっかり定着した女性専用フィットネススタジオや24時間利用可能なジム、成果型パーソナルトレーニングジムなどに加え、ここ数年は、まるでクラブのような照明と大音量の音楽のなかでサイクリングやボクシング、トランポリンなどのエクササイズを行うスタジオなど、エンターテインメント性を重視した新感覚のフィットネスも登場。フィットネス先進国であるアメリカやニュージーランド発の新たなフィットネスが次々と上陸している。
そんななか、世界で6カ国目、日本初となる「VR(仮想現実)サイクルスタジオ」が、2017年3月19日、「CYCLE & STUDIO R shibuya」としてオープンした。場所は渋谷駅から徒歩1分、渋谷109横のグルメタウン5階にある。
「20代〜30代の流行に敏感な方に向けて、ファッショナブルなイメージを打ち出したかったので、渋谷を選びました。一般的にフィットネスクラブは、自宅から近い場所にある施設を利用するのが主流です。しかしここでは、休日に映画を観たり、クラブで踊ったりするような非日常を楽しんでいただくスタイルを提案しています」(ルネサンス広報)。
「バイクエクササイズ(VRサイクル含む)」専用のR1スタジオには、ミニシアターなみの大きさを誇るカーブ状の特殊スクリーンと3台のプロジェクター、そして47台のバイクが設置されており、レズミルズ社が開発したプログラム「THE TRIP™(ザ・トリップ)」が最大のウリである。約40分間、バイクエクササイズをしながらVR映像の旅を楽しめるようになっている。ということで、せっかくなので、「THE TRIP 6」を体験してみることにした。
特別なギアの装着や準備は一切不要で、通常のトレーニングウェアと、専用のシューズを着用して、床に固定されたバイクに乗るだけ。専用のシューズでペダルと足は固定されているものの、一般的なバイクと何ら変わりはない。
映像はサンフランシスコの街並みからスタート。インストラクターのかけ声に合わせて、視界を120度覆うVR映像の中を進んでいくような感覚でバイクを漕いでいく。
立ち漕ぎと座り漕ぎを織り交ぜながら、上り坂ではギアを重くしたり、逆に下り坂ではギアを軽くしてペダルの負荷を調節したり。徐々に心拍数をあげながら、効率的に有酸素運動トレーニングを行って行くプログラムだ。
時間が経ってプログラムが進むほど没入感は強くなり、傾いた道路に合わせて動く場面では、バイクと身体が本当に傾いているような錯覚を感じたほどだ。
視界が包まれるようなVR映像と、クラブのようなサウンドシステムは迫力満点!ロールプレイングゲームのようにストーリー性がある映像と、次々に展開していく9曲の音楽を楽しんでいると、飽きる間もなくトレーニングが終了。
基本的にバイクを漕ぐだけで難しいスキルは不要なので、初心者でも安心して参加でき、さらにHMD(ヘッドマウントディスプレイ)も不要なので、みんなで何かを成し遂げたという一体感を感じられる点も魅力だ。
また「VRサイクル」の他にも「ライブトレーニング」として、短時間で有酸素運動の6倍の脂肪燃焼効果が期待できる時短トレーニングや、ダイナミックな動きと音楽を融合させたグループエクササイズなど、計7種類のプログラムを提供している。こちらも音楽に合わせて参加者が一体となって盛り上がりながら取り組めるレッスンになっており、1人では得られない高揚感や満足感が得られ、脂肪燃焼や筋力向上、体幹強化などの運動効果が得られるプログラムだ。
会費は、1度に8レッスン連続予約可能のコースが1万6,200円/月、1度に4レッスン予約可能のコースが1万4,580円で、いずれも月間利用制限は30回。ドロップイン利用は1,080円+1レッスン2,500円。別途入会金3,240円+事務手数料5,400円が必要だ。※価格は全て税込
客層は30代〜40代が中心で、男女比は3:7。平日の18時以降、仕事帰りに利用する人が多く、近隣企業(特にIT関連)に従事する人が多いそうだ。休日には複数のプログラムを受ける人も少なくないという。