5月20日(土)、やっと5月の定点観測を実施した。前回が4月1日だったのでなんと1カ月半ぶりとなる。
通常、毎月第1土曜日に実施している定点観測だが、5月は実査日がGWのど真ん中。GWの東京の街は通常の“ストリートファッション“とは大きく異なることから、第2土曜日に実施しているが、残念ながら大雨で中止となったため、結果的に第3土曜日の実施となったのである。
第2週、第3週とプレサーベイを行った結果、カウントアイテム(今どきのマストレンド)は、「女性花柄アイテム、うち、花柄ロング丈ワンピース/ローブ」とした。
まずいちばん左の写真を見て欲しい。彼女は、今からちょうど1年前の2016年5月14日に実施した定点観測でインタビューをした19歳の女性だ。某ファッションブランドのモデルもしているという大学生。当時「柄シャツ」というテーマで、「ズームアップアイテム2(少し先の流行アイテムやスタイル)」として取り上げた時に渋谷・公園通りで声をかけて出会ったのだが、今月(2017年5月)もっとも多かったのが、この“小花柄でロング丈の前開きワンピースをローブのように羽織るスタイル”だった。つまり、今月マストレンドとして取り上げるスタイルが最初にストリートに浮上したのは、ちょうど1年前だったといえる。
キーワードは「柄」。左から2番目の写真は、昨夏「ビンテージ柄」というテーマ取り上げた2016年8月のもので、その後秋になるとクラシックな草花などのモチーフが増え、ぐっとモードっぽい雰囲気になり、今年に入ってからは、より柄の面積が広いものへと進化していることが確認された(2017年5月/いちばん右の写真)。
このような「柄もの」の進化による装いから受ける印象としては、完全なる“脱ノームコア/シンプル”。デザインも袖や裾、ウエストの立ち上がり部分などにフリルなどの装飾がほどこされていたり、ボトムスには布をたっぷり使ってエレガントなシルエットになっているなど、女性らしい方向に進化しているのが興味深い。
また、少し前までは、季節の代わり目にガラリと装いを“着替える“人が多かったが、近年は、たとえば、裾が切りっぱなしになったデニムや白トップス、黒スキニー、コンバース、スポーツサンダル、ミニバッグなど、いま現在頻繁に着用しているアイテムをベースに、少しずつ何かを足したり引いたり、まるで“アプリのバージョンアップ”のような感覚で流行が推移している点も面白い。
各地点の「花柄アイテム」はこちらをどうぞ ↓