原宿や下北沢、高円寺の古着屋やヘアサロンなどで配布されているフリーマガジン『FANATIC』をご存知だろうか?文化服装学院に通う19歳(1997年生まれ)の女の子4人が中心となって制作しているもので、2017年3月に創刊し、去る7月に2号目を発行したばかりだ。
編集長の角遥香さんは福島県出身。高校時代にファッションに目覚め、90年代後半〜00年頃の『FRUITS』『Zipper』『CUTiE』などをオークションで手に入れて見たり、当時のストリートスナップをネット検索したりしては原宿の街に憧れを募らせ上京。しかし、実際に訪れた原宿は想像とはかけ離れており愕然としたと話す。それもそのはず、2014年の原宿は「ノームコアブーム」全盛。奇抜なファッションの人など皆無の時代。
「想像とまったく違って地味なファッションの人しかいなくて、『悔しい〜!』と思って。なんとか原宿を盛り上げることはできないか、と考えるようになりました」(角さん)。
そんな時、メンバーである岩瀬莉砂渚さんのお父さんを介して1980年代から出版業界に携わってきた伊藤吉徳さん(49)と知り合い、フリーマガジンの企画書を持ち込んだところ、「昔、教えてもらった事を今度は自分たちが教える番だ」(伊藤さん)と出資を快諾したのだそうだ。さらに伊藤さんと岩瀬さんのお父さんの共通の友人で、コンテンツ制作会社(有)データディスク代表の白川リュウジさんも参加し、具体的な編集方法や原稿チェックなどのサポートを行っているという。
「思い切りオシャレをして出かける場所がなくなったことも、街のファッションがつまらなくなった一因なのでは」(角さん)と、創刊と同時にクラブイベント「TAMAIBA NIGHT(タマリバナイト)」も立ち上げた。
「FANATICは“熱狂的なファン”という意味。オシャレして憧れの人に会って熱狂できるような場を作りたいという思いで、イベントを始めました」(角さん)。