ハタオリマチフェスティバル 2018 Part1
レポート
2018.12.11
カルチャー|CULTURE

ハタオリマチフェスティバル 2018 Part1

ハタフェス 紹介編

繊維業界で「アツい!」と話題!ハタオリ産地、富士吉田市の“ハタフェス “に行って来た!

今も富士山信仰が根付くまち、山梨県 富士吉田市。このまちが、世界的デザイナーズブランドとも取引のある織物産地だということを知ったのは、『ハタオリマチフェスティバル』(以下ハタフェス)というイベントがきっかけだった。毎年秋に「地元の織物産業の知名度をあげながら、“マチ”を活性化しよう!」と企画され、年を重ねるごとに出店舗数も来場者も増え、規模も大きくなり、盛り上がっている。そのクオリティの高さから市外や首都圏エリアからの来場者が多いのも特徴的だ。

また、幣誌編集長の友人でもある「流しの洋裁人」原田陽子さんが、今年1月より富士吉田に移住し、4月からは「地域おこし協力隊」として活躍中!ということもあり、去る10月6日、7日、「ハタオリマチフェスティバル 2018」にお邪魔した。

ハタフェス開催日は晴天!
富士吉田を中心とする「ハタオリ産地」の特徴は、明治から昭和初期に裏地として大人気であった甲斐絹(かいき)の伝統技術を受け継ぐ、多品種の織物。「特徴としては、薄くて軽くて高密度で凝ったものが多いですね」と原田さん。
そして、撚糸・染め・機織り・後加工といった各工程専門の工場があり、作業を分業していることだ。

「ハタフェス」は今回3回目。2017年には、山梨県産業技術センター・富士技術支援センター繊維技術部(以下シケンジョ)が、パリを拠点とするトレンドフォーキャスティングとして定評のある「トレンドユニオン」の代表であるリー・エデルコートさんを産地に招き、「yamanashi textile book by Lidewij Edelkoort」を制作。同氏が日仏米でのセミナー等でブックを紹介した他、2017年3月には、山梨で織物に関わる団体らがいっしょに作るウェブメディア「ハタオリマチのハタ印」を立ち上げるなど、織物産地として認知度をぐんぐんと伸ばしている。

東京駅からバスに揺られること約2時間30分。富士急行線富士山駅に到着!
まずはハタフェス会場に行く前に、5月1日に開設された「ハタオリマチ案内所」と、富士山駅ビルに内の常設展示スペース「ヤマナシハタオリトラベルmill shop」に向かった。

ハタオリマチ案内所とは、富士吉田織物協同組合(以下オリキョー)と山梨県絹人繊織物工業組合の事務所が併設された、山梨のハタオリ産地の生地や情報に触れられるスペースの総称。施設は2つに分けられており、ギャラリースペースでは、ウェブメディア「ハタ印」より派生した山梨産地のハタヤ情報が掲載されたサイト「MEET WEAVERS」と連動し、サイトに掲載されている生地に実際に触れることが出来る。

また、オリキョー主催の「ハタ印KIJIYA」を設け、一般にはなかなか販売されない生地のカット販売をメインに、郡内織物を使用したくるみボタンのワークショップ(大きいものは1個、小さいものは2個500円で製作可能)なども行っている。

コミュニティスペースでは、特大サイズの産地の工場マップと各社のパンフレットが常備されており、各工場の訪問案内なども行っている。

このようにハタオリ産地を盛り上げるために、一般にも企業にも向けた取り組みが市内の随所で見られる。

富士山駅には駅ビル「Q-STA(キュースタ)」があり、その1階にも、工場を意味する「mill」と織物産地ヤマナシを「見る」の意味から名付けられた「ヤマナシハタオリトラベルmill shop」がある。都内百貨店などでポップアップを行なった「ヤマナシハタオリトラベル」が常設展示となったもので、ヤマナシのファクトリーブランドが一堂に集結するため、工場に立ち寄る時間のない人もハタオリ産地ヤマナシの魅力を感じることが出来るスペースとなっている。

お土産販売所に隣接しているため、お土産としてファクトリーブランドの商品購入が可能だ。
その後は、富士山に向かって御師街の大通りを進むと、今回宿泊した施設「御師のいえ“大鴈丸“ fugaku wood works x hitsuki guesthouse & cafe」がある。

元々は400年以上続く御師(おし)の家だ。御師とは、「御祈祷師(ごきとうし)」の略で、江戸を中心に栄えた富士山信仰の登山者(富士講)のために自宅を宿として提供し、心身を清める祈祷を行う存在(公式リーフレットより)で、富士山の裾野ならではの御師文化だが、信仰者が減ると共に、建物の老朽化や後継者不足から、御師の家が無くなりつつある。実際に周辺を歩いてみると、たくさんの御師の家の看板が見受けられたが、御師として宿を提供しているのは、3軒しか無い。そんななか、18代目の大鴈丸さん夫妻の手によって、「複合型ゲストハウス」へと生まれ変わったのが「御師のいえ“大鴈丸“ fugaku wood works x hitsuki guesthouse & cafe」だ。

黄色い看板が目印!細いツタ道を抜けると同館だ。
クラウドファンディングにて資金を集め、宿+カフェ+木工ショールームのゲストハウス型 御師の家を2016年にオープン。宿+カフェとして「hitsuki guesthouse & cafe」を屋号とし、御師の文化を守るため、また次世代に伝えるためにと、積極的にイベントも開催。併設されたカフェでは、奥さんの奈津子さん手作りのベジタリアンやビーガンの方も楽しめる、お菓子や飲み物が提供されている。(現在休業中、来年5月中旬からオープン予定)もちろん、カフェのみの立ち寄り利用もOK。

木工ショールームの「fugaku wood work」では、木工職人として活躍する一志さんの作品があちこちで見られる。組子細工の欄間や、カフェの椅子、お菓子のショーケースなど、館内にある木造製品のほとんどを手掛
けているのだとか。宿泊予約は、公式Facebookまたは、Airbnbにて受付(冬季は閉鎖)。ハタフェス当日は、もちろん、ハタフェスの出店者・参加者、主催者など関係者で宿は満室だった。

玄関を入ると左手には、御師の文化を学べる常設のミニ資料館が。
さて、宿に荷物を預け、会場へ。富士急行に乗り、富士山駅から下吉田駅までは約5分の区間だが、電車は30分に1本ほどなので訪れる際は要注意。

ハタフェスは、織機を使って布を織る“ハタオリ“という工程に目を向けた祭りだが、織物産業の活性だけではなく、まち全体を盛り上げようという考えで「ハタオリマチフェスティバル」と名付けられた。主に布好きの女性が集まり、来場者数は、第1回が約4,000人、第2回は約6,000人だとか。工場内でのワークショップや、生地の販売、テキスタイル作品の展示など、ふだん体験できない企画が、その魅力となっている。他にも、クロージングライブ、まち歩きツアー、古本市、フードや雑貨・古道具の販売など、様々な要素が集まっており、参加しやすい印象だ。

*ハタフェスの目玉企画は、以下の3つ。
① 郡内織物の工場による一般はなかなか購入できない生地の限定販売、工場見学、ワークショップが行える「ハタオリ工場祭」
② 山梨県内外からフード・古道具・古着・雑貨・作家作品などが集結する「よしだのまちの道具市」
③ そして今年1番の見所は、地域の工場と東京造形大学がコラボしたフジヤマテキスタイルプロジェクトの10周年展「ハタオリ大学展」。このプロジェクトを経て独立したデザイナーたちをゲストに迎えたトークショーに表彰式、コラボ開発したファクトリーブランド商品の販売、卒業生によるテキスタイルブランドのマーケットが行われた。

また、今年のハタフェスは、会場数や出店者が増加し規模が大きくなったことから、エリアも拡大され、それに伴いスタンプラリーも開催された。まち全体を周り富士吉田の魅力を発見できるようになっているのも、ハタフェスの大きな特徴だ。

まずは、下吉田駅からいちばん近い、小室浅間神社(おむろせんげんじんじゃ)へ。

計32店舗が出店しており、もっとも大きな会場で、かなり賑わっていた。富士吉田ともほど近い北杜市や甲府市、長野県松本市などから屋台や古道具、雑貨などが出店。全てをご紹介したいところだが、誌面の都合上、いくつかピックアップしたい。

境内から始まる「まち歩き あなたの知らない下吉田」では、生まれも育ちも富士吉田の渡辺 一史さんが案内人を務める。
山梨県の鹿などを狩猟も行いながら、認可を受けた食材を購入して調理、ジビエや野菜料理を提供する斉木かおりさん。使用する食材はできるだけ山梨県内で収穫されたものにしているとのこと。中村会館で行われた落語会で山遊亭くま八さんが「ハタフェス には、ジビエがあるらしい。食べてみたい」と話す場面も。

今年初参加の「ヤマワラウ」 の定食は、秋の祭りにふさわしく、柿やきのこなど秋の味覚を堪能できるメニュー。
主にドイツ製の帆布のハンモックを輸入販売していたが、より風合いや肌触りの良いオーガニック素材の日本製ハンモックを!という思いから、NOCオーガニック認証を取得した、富士吉田のハタヤさん「前田源商店」と共同開発した「ifu‐癒布‐」を販売する広瀬 靖行さん。価格は、ハンモックとハンモックをかける木枠で10万円ほど。

昨年より参加している「hammock style」。オリジナルハンモックの展示販売を行う。
生まれ育った富士吉田へ帰省し、織り機について独学で勉強した佐藤リョウヘイさん。その後、自作の回路と手織り機をつなげて電動織機を製作!(すごすぎます。)複雑な柄を織るのが難しい手織り機にコンピュータを接続することで、複雑な柄をあたたかい風合いで織れるのだとか。
ハタフェスがきっかけでハタヤさんや出店者と仲良くなるなど、つながりが生まれているとのこと。

第1回より参加している「rumbe dobby(ルンべドビー)」では、自作の織り機で織った可愛らしいシカ柄生地を使い、トートバックや雑貨を販売。(写真は公式より)
「生まれ育ったまちですが、ハタオリに特化したイベントっていうのは無かったと思います。20年くらい前に空き店舗活用で現代美術系のイベントをやっていましたが、残念ながら一部の人以外は一体何をやっているのかよくわからない状態だったと思います。ハタフェスは他の地域イベントに比べて、文化度が高くおしゃれでありながらひらかれていて、色んな人が来ているような印象。地元でハタオリは正直“衰退しつつある産業“というイメージがあった中で、ハタフェスを通じて地域が明るくなっていくのが嬉しいです!

続いて、もう1つのメイン会場である「中村会館」へ。こちらでは、野外のスペースに古道具、古着、雑貨、作家作品などが並ぶ。

近年ブームの“発酵”をテーマに「やまなし発酵マルシェ in ハタオリマチフェスティバル」と題して、さまざまな発酵フードが楽しめるようになっていた。

「やまなし発酵マルシェ in ハタオリマチフェスティバル」は、味噌業界の若手革命家とも称される「五味醤油」がコーディネーターを担当。
お寺や旅館の座布団生地を専門に織る田辺織物さんの座布団に座りながら、山遊亭くま八さんの落語を約90分楽しめる。他の出店場所に比べ、地元の人が過半数を占め、寄席中、田辺織物の製品が漫談風に紹介される場面もあり、盛り上がっていた。

7日限定で開催された「山遊亭くま八落語会」。
株式会社糸編が運営する「産地の学校」と「ふじよしだ定住促進センター」のハタフェス限定コラボ、ハタオリマチインターンスペシャルツアーでは、代表の宮浦 晋哉さんが。
富士吉田産地のハタヤ、仕事、空き家の情報など富士吉田の暮らしと仕事について教えてくれる。
中村会館の駐車場裏にある、新世界乾杯通りでは「よしだのまちの一箱古本市」を開催。
主催者の1人である土屋 誠さんが監修する、山梨の人や暮らしを伝えるフリーマガジン「BEEK」が主催となって、4年前から開催している「こうふのまちの一箱古本市」のスピンオフ企画とのこと。奥まった場所にあるため、ダンジョン的な感覚も味わえる(!)。

「フコク生命・空き地」と、「吉田の蔵ブラザーズ」は隣接する建物。これらを使用して、今年ならではの企画である「ハタオリ大学展」に関連する出店・展示などが行われた。

トンネルのような駐車場スペースを抜けると、瓦屋根の古い蔵が2軒出現。これをまとめて「吉田の蔵ブラザーズ」という。
「フコク生命・空き家」では、gochisou(ゴチソウ)や炭酸デザイン室などの東京造形大出身のテキスタイルブランドが集結。studioカランの陶器雑貨やcafe citron(カフェシトロン)などのフード屋台も出店していた。「ハタオリ大学展」の関連イベントとして開催された、東京造形大教授でテキスタイルデザイナーの鈴木マサルさんや地元のハタヤらが登壇したトークショー「ハタオリ大学展トーク」や、コンペティション「ハタオリ大学賞」の授与式もこちらで行われた。

ハタオリ大学賞授与式での記念撮影の様子
「吉田の蔵ブラザーズ」は築70年を超える古家で、当時の山梨中央銀行の吉田支店長が銀行の裏に社宅として建てた物件だ。家の両側には2階建てと3階建ての蔵があり、絹糸や織物を保管していたという。現在は舞踊家の中西晶大さんとグラフィックデザイナーの杉原悠太さん(スリランカテキスタイルプロジェクト主催)がアトリエとして使用している。今回は「ハタオリ大学展」の会場として、「フジヤマテキスタイルプロジェクト」の10年分の作品展示を行った。

10年分の作品の数々は、見ごたえたっぷり。会場内では、蔵ならではのギシッとした踏み心地が楽しめた。
地域のコミュニティカフェとして人気の「リトルロボット」では、「SUN.DAYS.FOOD & NODO二川伊料理店 出張食堂」として北杜市と甲府市の人気店とコラボレーション!

三吉屋呉服店の店内では、郡内のハタヤである光織物有限会社による御朱印帳製本ワークショップが開催されていた。光織物有限会社は、掛け軸やひな人形に使われる表装裂地や金襴緞子といった豪華絢爛な生地を製造する会社。今年10月からは、ふじよしだ定住促進センター企画のインターンプロジェクト『ハタオリマチ ルーキーズ』に参加し、インターン生を募集している。

実は、10年前より始まった「フジヤマテキスタイルプロジェクト」を鈴木マサル氏にお願いしたのが光織物有限会社の後継者である加々美琢也さんだったという。「フジヤマテキスタイルプロジェクト」では、学生とコラボしたファクトリーブランド「kichijitsu」のお守りポッケを製作。その後、井上 綾さんをデザイナーとして迎え、「kichijitsu」のGOSHUINノートをリリース。小田急百貨店公式通販サイトや日本百貨店などでも取り扱われる人気の商品だ。

また、近年出店が増えている人気ライフスタイルショップ「AKOMEYA」や、“上野”に特化したおみやげショップ「上野ランド」とのコラボレーションも行っており、プロダクトアウトすることで、産地の織物のPR促進に一役買っているようだ。

続いては、雑貨と家具の店「LONGTEMPS(ロンタン)」。アンティーク家具を背景に、写真家 志鎌康平さんに撮影してもらえる「サンデーブースのカメラ小屋@ハタフェス」と、7 日限定で布作家 石川ゆみさんとつくるTENJIN-factoryのリネンを使用した巾着ワークショップが行われた。

館内では、TENJIN-factory展を開催。大人気のリネングッズが一堂に集結
LONGTEMPSの向かいにある富士吉田のランドマーク「まるさくたなべ」では、3階を貸し切り、東京八王子市のプリント工場・奥田染工場(パルコミュージアムで開催された「KIRE・KIRE・TEN -現代の民族衣装-」でもご協力いただいた!)が開催する染色技術の勉強会「奥田塾」の塾生作品展示「布を染める」を開催。ブースには、ハギレや製品の販売も行われていた。

グラフィックデザイナーで塾生でもあるTAKO LABOと、八王子市のニット工場・中山メリヤスのコラボ作品も展示。笑った顔のような箔押しプリントが可愛い!
さらにメインストリートの「富士みち」を上がった先には、中央まちかど公園でなにやら催し物が。今年初出店の、「まちなか青空食堂&富士山やさいコーナー」が出店しており、盛り上がっていた。

まちなか青空食堂では、地元の人気飲食店が集結し、50食限定1080円で、メインとデザート、ドリンク2点(2000円相当)の食事が提供された。
ここで、少し足を伸ばして山梨県織物整理の工場へ。

山梨県織物整理は、世界でも名高い日本ブランドの後加工を行う会社で、ハタフェスではニードルパンチ加工の機械を使い、オリジナルマフラーを作れるワークショップ「工場でニードルパンチによるオリジナルマフラー作り体験」を開催。ニードルパンチ加工とは、たくさんの針で重なった生地を刺すことで、繊維を絡ませて圧着させる後加工のこと。元々は不織布やカーペットに使用された加工技術を、同社が服地用の針を使って改良したことから、服地・小物向けにも使われるようになったのだとか。

工場の機械を使ったニードルパンチ加工のワークショップは非常に少ないため、この機会にと足を運ぶ布好きの女性も多かった。

中央の布置き場から好きなものを選び、自由な形にカットして配置。バラバラだったハギレが一枚のマフラーになる。
最後の会場は、日本ステンレス工業。「ハタオリ工場祭」の出店者が多く、郡内以外も布に関する出店者がたくさん。ふだんは一般向けに販売しない生地のカット売り場や布雑貨のガチャガチャなども設置されている。

原田さんは大学勤務時代に「服は機械でポンと作られるものだと思っていた」という学生の言葉を耳にしたことをきっかけに、2014年より全国各地にミシンや裁縫道具を持参し、“流し”先で洋裁の光景をつくる「流しの洋裁人」という活動を行っている。

その後、東京に住んでいた原田さんが地域おこし協力隊として富士吉田へ移住する決心をしたのは、「可能性があると思ったから」だと話す。

「流しの洋裁人を始めてから、全国の生地の産地を見てきたんですが、多くの産地では“儲からん“とか“どうしたらいいかね”とネガティブな雰囲気が強いなか、ここ富士吉田は、織物産業地域のことを“ハタオリマチ”と名付けたり、歴代の“地域おこし協力隊”の人もたくさんいて、行政のバックアップもしっかりしている。また、自分と同世代のハタヤの後継者が比較的多く、一緒に何かできそうだと思ったのも引き金の一つ。明るく、まちをあげて何か起こそう、産業を盛り上げようって気持ちを持っているムードを感じたからかな」(原田さん)。

また、自身の活動をしやすい環境があったという。流しの洋裁人の活動で全国をまわるため、週3〜4日程度の仕事を探していたということ、東京のワンルームでわざわざ布団や荷物をどかして布を裁断するスペースを作るという環境よりも、少額の家賃で広い家に住めることで荷造りや洋裁をしやすいこともあったと話す。

今年は、地域おこし協力隊兼出店者として、自身の活動と「ハタ印KIJIYA」(富士吉田、西桂の生地の販売)、普段から原田さんと交流のある全国のハタヤ(滋賀、久留米、和歌山)のコーナーを担当していた。

地域おこし協力隊として富士吉田市で活躍する、流しの洋裁人こと原田陽子さん。
そして、1日目終了後は、日本ステンレス工業の敷地内でレセプションパーティを開催。関係者が一同に集まり、地元のお酒も販売されるなど人だかりがすごいことに!ハタオリマチについて、話す声もあちらこちらで聞こえた。

富士山課のハタフェス担当者である勝俣さんのスピーチに、会場から拍手が起こる。
その後は、ハタフェス 1日目の〆に開催される「西裏ジャズin ハタオリフェスティバル」でジャズの演奏を堪能。かつて歓楽街として栄え、今もなおレトロな町並みを残す西裏地区。その西裏のバーとスナックで、早川トリオと西裏Jazz Syndicate、2組のステージを各会場で約1時間楽しめた。

開催のきっかけは、昨年のハタフェスで行った羽田忠織物とMt.Fuji河口湖ジャズフェスのミニコラボだとか。羽田忠織物のネクタイを締めてジャズを聴きに行く企画「ジャズ演奏付き特別交流会」を開催したあと、「今年はもっとがっつり企画として関わろう」という話になったとのこと。今年の「西裏ジャズ」は、ミュージックチャージなし、気軽に入れるお店の雰囲気もあってか、どちらの会場も満席!

「今後はハタフェス自体の開催時間が、もう少し長かったり、夜遅い時間までお酒を飲んでいれる場所のアナウンスや提供があったら、いいんじゃないかなあ。」

しっとりとした重厚な早川トリオのジャズ演奏が聴けたスナックノア。
ゲストハウスも運営するマイケルズでは、西裏Jazz Syndicateによる大音量な演奏とパワフルな歌声も楽しめた。ゲストハウスを併設していることもあってか、外国人のお客さんも。
2日目のフィナーレは、毎年恒例のクロージングライブ音楽祭「ハタオリマチニヒビクウタ」が開催。今年はシンガーソングライター・ピアニストの森ゆにさんのピアノをメインに、サウンドデザインなどを手掛ける田辺玄さんと、「マッサン」や「西郷どん」の劇伴にバンドで参加するtricolorさんが、富士吉田市立下吉田第一小学校の体育館を会場に共演した。楽曲には、田辺さんと森さんが作詞作曲したハタオリマチのうた「LOOM」も!

跳び箱やマットなどに座って鑑賞する人もちらほら。
クロージングライブの様子(写真は公式より)
これほどまでに、多用なジャンルの企画がたくさんありながら、まとまりのあるイベントに仕上っていたのは、主催者たちの思いがいい感じにまとまっているからだろうか。

ハタフェス開催前の夏ごろ、プレパーティと称したミニプレイベントが行なわれたそうだが、そのときに出た意見も取り入れたことで、本番当日はまちを見せるような会場作りやスタンプラリーといった細かい工夫に繋がったのかもしれない。


筆者は、2日間かけて全体を取材したので、今回はPart1ということでイベントの概要を解説し、Part2インタビュー編では、ハタフェス前史、現在の活躍、今後の展望などをまとめてレポートしたい。

【取材・文:肥田柊(ACROSS編集部)

↓以下告知↓

12月22日(土)にはハタフェスのスピンオフ企画として”ハタオリマチのクリスマス”を開催!会場では、イベント限定のギフトラッピングを行い、公園内に大きなクリスマスツリーが登場するそう。詳しくはハタフェス公式Facebookへどうぞ。ますます盛り上がるハタオリマチ、是非足を運んでみては。


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