定点観測

report : 2020 |

02 / 01

#470 | 実施日 : 2020 / 02 / 01 | 最高気温 : 13.4 | 最低気温 : 3.0 | 天候 : 快晴

“コロナ・ショック“直前の東京のストリート。
90年代っぽいヴィンテージライクなやぼったさが席巻。

2020年2月1日に実施した「定点観測」の考察レポート！

あっという間に3月。コロナウィルスへの対応ということで、いろいろな予定が休止や延期、変更を余儀なくされ、先が見えないことから人びとの不安なおでざわざわするなか、7日土曜日は第１土曜日ということで，規模をぎゅっと縮小し、衛生面にも留意しながら、“路上“であるということから、第471回目の定点観測を実施する予定です。

とその前に、2月に実施した定点観測について簡単に振り返っておきたいと思います。

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左から、「ホワイト・シネクイントに映画を観に来た」という高校３年生。「他のファッションスナップの撮影が終わってブラブラしていた」というグラフィックデザイナー。いちばん右は文化の学生さんでした。「チェック柄アウター」はシャツジャケット、ロングコート、デザイン系ブルゾンの３種に分類された。

ファッションは時代と社会、若者文化を映す鏡。

2020年2月は1日が第１土曜日。これを書いている3月6日からは信じられないほど、コロナウィルスへの脅威はなく、最高気温も13.4℃と、風が吹かなければ穏やかで爽やかな陽気となった470回めの定点観測。前日までのプレサーベイを行なった結果、今シーズンもっともいろいろなアイテムへと広がり、マス化していた「チェック柄アイテム」をカウントアイテムとした。

次に増えそう、という意味から設定している「ズームアップアイテム」は、①ミリタリー系アウター、②ロングスカート＋ソックスという、合計３つについて観察した。

では、順番に観ていこう。

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左は渋谷パルコ前。右は新宿サザンテラス前。

原宿地点は男子のチェック柄アウターも多かった。

インタビューで多かったのは「無地に飽きたから」。
ヴィンテージライクな茶系のチェック柄は、90sの「ダサカッコイイ」ニュアンスも。
また、渋谷地点のみ、「男女マスク着用率」も測定した。

実は昨年秋の立ち上がりくらいからじわじわ増えていた「チェック柄」。その後、編集部内でも増えたよね、と話していたものの、アイテムにばらつきが見られたことや、それ以外に浮上したアイテムがあったことなどから、定点観測のテーマとしては取り上げてこなかったが、1月になり、セールも終盤になると、スカートやパンツ、ジャケット、そしてアウターへと広がり、気がついたら街にチェック柄アイテムが溢れていた！ということから、カウントアイテムとして取り上げた。

具体的に「女性チェック柄アイテム」を着用していた比率は、渋谷が18.2％、原宿が18.1％、新宿が16.3％と約5人に1人はチェック柄のアイテムを身に付けていた、という結果となった。これはかなり多い＝マストレンドといえる。

さらに、「チェック柄アウター」の着用率はというと、渋谷が7.8％、原宿が4.0％、新宿が4.2％と渋谷地点が「チェック柄アウター」がやや多いという結果となった。

ちなみに、渋谷地点に限って、同じ時間帯（13:30〜14:30）に、「男女マスク着用者」数をカウントした。結果は、女性が約44.5％（664人）、男性が約28.4％（506人）という結果となった。

チェックの種類は、ガンクラブチェックやグレンチェック、ブロックチェックにタータンチェックなどいろいろだが、そこに共通するのは、ヴィンテージライクな茶系やグレー系のテキスタイルという点だ。

アイテムはロングコートが圧倒的に多かったが、今年に入って若い人を中心に急増中のシャツジャケットや、スカート、ジャケット＆パンツと多様に。大人っぽいというニュアンスを超えて、ちょっと野暮ったくておじさんっぽい≒ダサカッコイイという“90sのトレンド”を彷彿させた。

＊渋谷地点のチェック柄アイテムはこちら

http://www.web-across.com/observe/p7l756000002mylw.html

＊原宿地点のチェック柄アイテムはこちら

http://www.web-across.com/observe/p7l756000002mybw.html

＊新宿地点のチェック柄アイテムはこちら
http://www.web-across.com/observe/p7l756000002mygw.html

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ズームアップアイテム①：ミリタリー系アウター
“新定番アイテム”はメンズアイテムから。

雑誌やウェブ、SNS、いや近年は人気ブランドのECやオウンドメディアが目立つなか、そういうところには紹介されていないリアルなトレンドがチラチラ露呈＆浮上するのが渋谷・原宿を中心としたユースカルチャーから生まれるファッションの面白いところ。

2月は渋谷を中心に静かに増えていた、「ミリタリー系アウター」に注目した。

着用するのは男性が多く、案外年齢層が上の方がきれいめ、おしゃれにコーディネートしていたのも特徴。渋谷地点は特にパルコのある公園通り〜神南方面に多く、いわゆるギョーカイ系、ツウな着こなしが目立った。

ちょっと深読みすると、グリーンがトレンドカラーだった、ということもあるのかもしれない。古着の一般化、“MDブランド”からアレンジされまくって商品化される“MA-1”や“モッズコート”といったグリーン調のアウターの総称のようになった“ミリタリー系アウター”は若い女性にも多く着用されており、どうやら“ポスト・トレンチコート”といえそうだ。

“新定番”アイテムは、メンズから派生していく。

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左からアートディレクターの女性

ズームアップ・アイテム②：ロングスカート＋ソックス
ロング＆ビッグシルエットにヌケ感をプラス。

“ロング＆ビッグシルエット“のアウターのトレンドがいよいよ終盤を迎えた感もある今シーズン。もっちゃり重たい印象にヌケ感を演出するためにも有効なことから支持されていたのが、２つめのズームアップアイテムとした“ソックスと肌見せ”のスタイルだ。

プレサーベイをしていて、このスタイルの名称をどうしようかと悩んだ結果、うんと丈が長くなっているロングスカート≒マキシスカートとソックスの組み合せが、「定点観測（ストリートファッション）」の記録としては相応しいのでは、ということで、「ロングスカート＋ソックス」とした。

実は2019年11月のズームアップアイテムで「ローファー」を取り上げた時に案外多かった“女性のソックス足”スタイル。厚底やチャンキーヒールといった革靴（レザーシューズ）はティーンズにも人気継続ななか、ソックスのようにホールガーメントで縫製されたハイテクスニーカーを合わせる“モードなソックス・スニーカースタイル“も浮上。重ためのスタイリングにモダンさをミックスして、アクティブな女性へと進化していた。

＊インタビューは左から

・28歳のアートディレクター（渋谷地点）
http://www.web-across.com/observe/p7l756000002n2hu.html

・26歳の女性（原宿地点）
http://www.web-across.com/observe/p7l756000002n2w6.html

・会社員（介護系）22歳（新宿地点）
http://www.web-across.com/observe/p7l756000002n3ou.html

[文責：高野公三子（本誌編集長）]

#470 | 実施日 : 2020 / 02 / 01 | 最高気温 : 13.4 | 最低気温 : 3.0 | 天候 : 快晴

“コロナ・ショック“直前の東京のストリート。 90年代っぽいヴィンテージライクなやぼったさが席巻。

インタビューで多かったのは「無地に飽きたから」。 ヴィンテージライクな茶系のチェック柄は、90sの「ダサカッコイイ」ニュアンスも。 また、渋谷地点のみ、「男女マスク着用率」も測定した。

ズームアップアイテム①：ミリタリー系アウター “新定番アイテム”はメンズアイテムから。

ズームアップ・アイテム②：ロングスカート＋ソックス ロング＆ビッグシルエットにヌケ感をプラス。

“コロナ・ショック“直前の東京のストリート。
90年代っぽいヴィンテージライクなやぼったさが席巻。

インタビューで多かったのは「無地に飽きたから」。
ヴィンテージライクな茶系のチェック柄は、90sの「ダサカッコイイ」ニュアンスも。
また、渋谷地点のみ、「男女マスク着用率」も測定した。

ズームアップアイテム①：ミリタリー系アウター
“新定番アイテム”はメンズアイテムから。

ズームアップ・アイテム②：ロングスカート＋ソックス
ロング＆ビッグシルエットにヌケ感をプラス。