“コロナ・ショック“で世界が震撼する少し前の2020年3月7日土曜日、東京(渋谷、原宿、新宿)では、471回目の定点観測を、規模を縮小したかたちで実施。その考察レポートをお届けしたい。
ファッションは時代と社会、若者カルチャーを映す鏡。日々変化するコロナ・ショックをめぐる状況に、ふと9年前の2011年3月5日に実施した定点観測では、とてもカラフルだった街を行き交う若者たちのファッションが、3.11を境に一気にモノトーン、黒×デニム、足元はスニーカーへと自然に変化したのを思い出す。
本稿を執筆したのは3月24日火曜日。NYやロンドン、パリなどで(不要不急の)外出禁止令が発令され、オリンピック延期説が濃厚になるほど、世界中でパンデミックが広がっている一方、日本は、その直前の3連休が、「自粛疲れ」と桜の開花が重なったことで、中目黒や新宿御苑をはじめ、若者に限らず、多くの人が街に流れ出るという真逆の様相を呈したことがニュースになっている。
3月の定点観測を実施した7日(土)は、3月2日に要請された全国の小中高校の一斉臨時休校を受け、一般的には緊張ムードが高まっていたが、実際の渋谷や原宿のまちなかは、予想以上に多くの人で賑わっていた。
もちろん、海外からの外国人観光客は激減。また、50代以上〜お年寄りの数はぐっと減り、たとえば渋谷109や原宿ラフォーレは早めに来た春休み!とでもいうように、やや遠くから来たと思われるティーンズたちで賑わっていた。また、渋谷PARCOも、大学生らしきカップルやファッション好きの男子複数連れなどが少なくなく、どんどん店内へと吸い込まれていくなど、渋谷や原宿は若者の街と化していた。
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