今年40年目となる「定点観測」。
新型コロナウィルス感染症(COVID-19)対策のため、3月は社員スタッフ+カメラマンのみというコンパクトなスタイルでの実施となったが、その後緊急事態宣言の発令で、渋谷パルコも臨時休業となり、さらに期間延長ということで、GW明けに希望していた5月16日(土)も実施困難に。
しかし、「ファッションは時代・社会、カルチャーを映す鏡」。
COVID-19(新型コロナウィルス)禍における若者とファッション&インサイト。
・インタビュー日時:4月20日(月)18:30-20:00
・インタビュアー:高野、大西/zoom利用
Q(「ACROSS」編集部、以下Q):改めて、今のお仕事の内容についてと、在宅ワークになってからの変化とかありましたら教えてください。
Aさん(以下、A):仕事は主にECサイトの運営とMDを担当しています。でもECなんですが休業中。商品の発送業務に社員の出社を伴うというのが理由です。運営を続けたかったのですが、服飾雑貨の需要も下がっていますし、もし続けてたとしても予算は達成しなかったと思いますね。実際に予定していたイベントは白紙に。インテリアなどのMDをもっと多くしておけば良かったな、と思いますね。2月以降、引っ越し祝いなどに向けて組んでいたMDを「おうち時間」などのキーワードと絡めて軌道修正はしてきたんですが。いまは先々のイベントを企画したり、修正する作業が中心です。ECは5月半ばに再開を予定していて、エンジニアとのやり取りなどオンラインでミーティングしています。
店頭勤務の社員に比べればかなりふつうに仕事はできているんだと思います。販売員は基本的に有給休暇中。本当はUAのグリーンレーベルがやったようなSNS接客などの仕組みがつくれたら良かったんですが、そこまでの機動力は残念ながらありませんでしたね。
Q:今日、いまのファッションについて教えてください。
●今日のファッション
・ニット:オーラリー/ビショップ/グランフロント/梅田/2018年春/30,000円
・ブラトップ:ユニクロ/購入時期、場所、価格不明
・ジーンズ:ハコ/ゾゾタウン/インターネット/2018年春
・ピアス:ブランド不明/ロクガツビル/神戸/2019年春/1,000円
・ソックス:中学生のころから実家のタンスにあったもの
A:これは会社のオンラインミーティングとほとんど同じような格好です。コロナ以前の仕事着よりは若干カジュアルになりましたが、意識してカジュアルになり過ぎないようにしています。あまりカジュアルだと、そのまま寝ることができちゃいそうなので、マインドコントロールのためですね(笑)。上半身は常に人に見えても大丈夫な服装を心がけています。カットソー+カーディガンとか、シャツとか。ジャケットは着ません。ボトムスは部屋から出ない日でも絶対にタイトなものを選んでいます。スウェットなどの楽なものにすると、絶対に太るから。スキニーまではいかないにしてもタイトなもの。デニムの他はコーデュロイパンツも履きますね。
Q:ZOOM飲みとか、お友だちとオンラインで会う時はどんな服装が多いですか?
A:友だちにもよりますが、部屋着(パジャマではない)とかカットソーが多いかな。オーラリーのもありますが、無印、ユニクロ、B&YなどのサーマルTが多いですね。在宅ワークになる前は、休日は1日中パジャマだったりすることもありましたがいまは必ず着替えるようになりましたね。
これから買いたい服は、オンライン会議映えするブラウス。パフスリーブが流行っているし、グリーン系もはやっているので、モスグリーンとかミントグリーンのやつがいいかな。ZOZOで見つけたパブリックトウキョウでチェックしているものがあるので、買おうかと思っています。
もともとUAが好きでスティーブンアランとか買ったりしているので、今も見ています。あと、最近だとマッシュグループ。スナイデルとかミラオーウェンのサイトも見ます。なるべくブランドの純利益が高い方法で買ってあげたいから(笑)、オフィシャルのECはよく見てますね。
A:ヘアサロンはラッキーなことに4月上旬に行ったばかりだったんです。ヘアスタイル的に伸ばしっぱなしでもいけそうなので、しばらくはいかなくても大丈夫かなと思っています。
オンラインになってから、メイクは薄くなったような気がしますね。眉毛を描いているだけでオンラインなら結構化粧している感が出る。というか、あんまり濃くすると浮いてしまうような気がするので眉マスカラのみ。まつ毛もパーマが残ってるのでそれだけです。アイシャドウはバーム系で1色のみ。リップも今までと一緒のものを塗っています。会議のときにはチークを入れることもあります。仕事のときは、いつ来てもいいようなつもりでメイクとかしています。
Q:いつから在宅ワークになったんですか? また、そうなってから買ったものは何かありますか?
A:4月8日からです。でも、少し前に会社が副業OKということになって、自分としても家=部屋を仕事がしやすいように環境を整備していたのでそれほど困りませんでした。美大生だった時からのデスクトップのiMacと、オンライン会議はMacbook、会社用のPCもあるので、PCは全部で3台体制です(笑)。
買ったものは、そのiMacが旧式なのでワイヤレスキーボードなので、まず単三電池の充電器をアマゾンで購入しました(笑)。
会社が「明後日から在宅ワークにしてください」と言われたのが4月7日。しばらく街で買い物ができない!って思って、まず本を本屋さんで買いました。実用書を中心に6冊。これを機に資格の勉強をしようと思って。
あとは、クラシエのストレスに効く漢方薬も購入。でも幸いまだ開けていません(笑)。ボディソープとシャンプーも買いました。いつも使っているものが買えなくて、梅田のコスメキッチンとココカラファインで、シゲタのボディソープを選びました。いつもはもうちょっと安いものを使ってるんですが、このくらいお金使ってもいいかなと。でも、その後、シゲタを毎日使うのはどうかなと思ってオンラインでパブリックオーガニックのシャンプーとボディソープも購入しました。
そうそう、緊急事態宣言前に無印(良品)に行き忘れてしまい、オンラインで化粧水とほうじ茶ラテ、チャイティーラテなど合わせて5000円分ほど購入しました。
実は、以前から「枕カバーを毎日変えられる人になりたい」と思っていたので、アマゾンで1000円しないやつを3枚購入しました。美肌のためには毎日変えたほうがいいとTwitterで見たんです。あと、衣替えをしたので布団圧縮袋も購入していました。あとは楽天で、詐欺かなとも思ったけど50枚入り4,000円のマスクも購入しました。5000円以内なら捨てることになってもいいやと。ないより安心ですからね。
Q:COVID-19(新型コロナウィルス)禍になって以降、情報収集やメディア接触で変わったことはありますか?
A:インスタをえげつないぐらい見ています。通算すると1日5時間くらいになるんじゃないかな。実は、インスタはβ版のときから見ているんです(笑)。検索のおすすめのところを何回も何回も更新してアカウントに飛びまくって「へー」って。ブランドや金子彩さんとかスタイリストさんのアカウントを見ることが多いのでそれに最適化されていると思います。
ECサイトもよくチェックしますね。仕事っていうのもありますが、特に「shopify(ショッピファイ)」が出てきて、ありとあらゆる企業、ブランド、個人ショップもECのレベルがかなり上がっている。最近見つけていいなと思ったのは「はちみせ(@kaibutsushop)」というサイトです。ウィットにとんだ提案していて、ちょっと悔しい!って思いました(笑)。
あとは居酒屋とかカフェの行きたいリストをインスタで作っています。お店の位置情報を自分に送ってリスト化しています。YOUTUBEは、ユーチューバーはほとんど知らないので、「ゆうこす」くらいでしょうか。Twitterは以前からマーケティングや広告系の人をフォローしていてチェックしています。
Q:ご自身主催のインスタライブ、面白かったです。きっかけは?
A:ありがとうございます。始めたきっかけは友だちに「ポッドキャストとかやらないの?」と言われたからです。とりあえず今はライブやれば、みんな暇だから見てくれるよって(笑)。続けていくつもりはありません。すでに人とオンラインでコミュニケーションとるという意味では達成できた感じがあるので、次はラジオをやってみようかと。「stand.fm(スタンド・エフエム)」(音声プラットフォーム)でやるつもりです。いま登録数が増えているらしいんです。
Q:COVID-19によって毎日の暮らし、生活で変わったこととかありますか?
A:「枕カバーを毎日交換している生活」のことも含め、今までできていなかったことをできる期間と捉えています。これまでは水回りの掃除だけだったのが、フローリングを磨くとか、うどんに納豆かけるだけみたいな食生活からもうちょっと自炊するようになったりとか。これまで疎かにしていた衣食住、やりたいと思っていてもやれなかったシリーズ。花を飾るとか、毎日掃除機をかけるとか。ちなみに今日使っている花瓶は松陰神社のドゥフトで買ったものです。花瓶は6個くらい持っていて、今日また1個買う予定。社会人になったとき、「部屋にお花を飾るような人」になりたいと思っていたんですよね。
そうやって、「自分がなりたかった自分になれているな」という感覚。自分が仮想で作り上げたロールモデルは「“ない”ものがない人」。基本的に何かされている、何かをしている、というのでしょうか。例えば、消耗品のストックがされている、アイロンがきっちりかけられている、生活を適当にはしていない、そういう基本的なことができている人になりたいな、と。実家時代にはコントロール出来てなかったことまで今、この期間にやっている感じでしょうか。
もともと自分の稼ぎで部屋を作って理想の生活がしたかった。いまはひとり暮らし4年目。昨年11月に今の部屋に引っ越したのも大きなきっかけになっていると思います。新築だったので、きれいに保ちたいと思っていたんですが、なかなかお家のことができていなかった。それが今回の在宅ワークで「~していきたいな」を後回しにする理由がなくなって、ひとつ1つやれることが楽しいですね。
A:SARSみたいな終わり方にはならないと思います。最低でも1年はこの空気感を引っ張る。仕事的には、インバウンドがなくなった百貨店なんて考えられないので、今後マインドを変えていくことが必要だと思います。働く一個人としては、本業と副業のバランス。どういう風にマネタイズしていくかなど、大きな社会の枠組みが変わるんじゃないかな、と思っています。新しい時代が来ると思いますね。
もともと私は世間に対してネガティブというか悲観的に物事を見ていて、そのなかで楽しさとか面白さを追求してきたタイプなので、今回のような事態もまあ想定内ではありますね。だからというわけではないのですが、この機会に、中小企業診断士の資格取得を目指して勉強を始めました。
30代半ばまでに取得できたら40代から食べていけると思うのです。それに勉強していて楽しい。実は、デザビレの鈴木村長を尊敬していて、この状況下でものすごく発言力があると思うんです。ああいう仕事をしたいな、と改めて思いました。クリエーターにかかわる仕事。そういう意味ではコロナによってゆるやかな将来設計が思ったより早くできそうな気がしています。
今にも増して、意識的にいろいろ追いかけないと、すぐ時代に置いて行かれると思いますね。特にこれからプレイヤーになる人はもっと積極的に追いかけないといけないと思いますね。
コロナが落ち着いたらやりたいのは少人数での旅行かな。関西に来てから温泉地巡りをしているんですが、今年はキャンセルになっちゃったから、ぜひ行ける日が早く来るといいな。
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