COVID-19禍で、なかなか新しいトレンドが見えにくい中、実際前日の12月4日までたっぷりとプレサーベイを行なったところ、アウターはショート丈、ミドル丈、ロング丈と分散。11月に取り上げた今シーズンのトレンド「フーディ」も一定層のあいだで支持されつつ、ボアやフェイクファーなどはティーンズやフェミニン系を志向する女性に再び人気に。アウターのトレンドが多様になっていることが確認されました。
では、他のアイテムはどうだろうか。と、改めて街を観察したところ、女性の足元が、気がついたらスニーカーからレザーのブーツに置き換えられている点に注目。過去の定点観測を振り返ったところ、1年前の2019年12月に取り上げた「女性のレザーシューズ、うちヒール」を、「女性のブーツ、うち、ヒール」と括り直し、「女性のブーツ・スタイル」に注目することにしました。
トレンドは、大きく3つ。もっとも多かったのは、中程度のヒールのショートブーツ。幅広パンツや裾が揺れるボリューミーなロングスカートに合わせるエレガントなスタイルは、30代、40代の大人の女性に支持されていました。
2つ目は、ロング丈のブーツをミニ丈ボトムスに合わせるティーンズたちに人気のデザイン。主に黒で、ソール自体が厚底になっているのが特徴。にょっきり露出した脚に厚底ブーツスタイルは、90sのコギャルブームを彷彿させなくもない。
3つ目は、白いブーツ。少し前から一部のエッジーなファッションを好むグループで人気だった白ブーツがじわじわ増えており、今回ブーツをテーマにしたことで、かなり量的にも散見され、浸透していることがわかりました。大半はハーフブーツ。ズームアップ2とした「オフホワイト/冬の白」とも被りますが、ブーツだけでなく、ベージュ系〜白っぽい服装と合わせるスタイルが目立地ました。
「ピタッと細見えするのが気に入ってます」と言うのは、文学部の大学3年生。10月にインターネットで韓国ブランドのものを6,000円で購入していました。ブーツはサイドゴアのものを1足持っているそうで、ロングブーツはずっと欲しいな、と思っていて、ディズニーランドに行く予定が決まり、購入したと話してくれました。
以前よりも幅広い層への浸透で人気急上昇中なのがメゾンマルジェラのタビブーツ。この日、インターンがあって愛知県から上京していた大学生は、
「もともと3月にパリに行く予定で、パリのマルジェラで買うぞ、と思っていたのですがコロナで行けなくなり、そうしたらセカンドストリートで出会ったので購入しました。3万円でした」と話す。
ふだんよく行くのは名古屋パルコと矢場町界隈。この日のバッグも、PUBLIC TOKYO(パブリクトウキョウ)の20着しか生産しなかったものだそうで、白のキルティングのチャイナっぽい雰囲気に引かれ、4万円で購入したのだそうです。
番外編として、今シーズンの東京のストリートでは、「男性のヒールブーツ」がかなり増えて点も注目しておきたい。
「ブーツは、今日のPeter DoとCELINE(セリーヌ)とDr.Martens(ドクターマーチン)の3本持っています」と答えてくれたのは、24歳の会社員の男性。メタルが施されたスクエアトゥが特徴のヒールブーツは、インターネットで15万円で購入。スーツスタイルの時は、CELINEでシュッとした印象にまとめ、今日は少し遊び心のあるスタイルの時に合わせると話してくれた。ファッションが大好きで、ブランドにも詳しいのは、毎号購入している『Them magazine』や時々購入している『SPUR』や『Numero TOKYO』などの雑誌。Farfetch(ファーフェッチ)、SSENSE(エッセンス)などのオンラインマガジンもチェックしており、将来の夢は?という質問には、「服や部屋など、好きなものを好きな時に好きなだけ買えるようになること」とファッションへの欲望がストレートに表現され、80sムードが蘇った。