“コロナ・ショック”の影響により中止となった2020AWシーズンのRakuten Fashion Weekからちょうど1年。その間に行われた世界中のファッションウィークは、すっかりオンラインでの発表が主流となっている。
そんななか、2021年3月15日(月)〜20日(土)、Rakuten Fashion Week2021AWが開催された。今回は参加全50ブランドのうち、なんと20ものブランドがフィジカルでショーやプレゼンテーションを発表。もちろん半数以上の30ブランドがオンラインでの発表を行ったが、ブランドが見せたい世界観によって形式を選択できる、新しいファッションウィークのフォーマットに図らずも(?)なっている。
また、ファッションウィークの公式スケジュール周辺の日程や会期中に、オフスケジュールで発表するブランドも毎回存在する。たとえば直前の3月14日(日)には<JOHN LAWRENCE SULLIVAN(ジョンローレンスサリヴァン)>がショーを開催したほか、翌15日(月)には<JUNYA WATANABE COMME des GARCON(ジュンヤワタナベコムデギャルソン)>がオフスケジュールでショーを開催した。
本レポートでは、オフスケジュールも含め、フィジカルショーを開催したブランドのなかからいくつかを紹介したい。
*楽天ファッションウィーク公式HP:2021AW参加ブランド一覧
https://rakutenfashionweektokyo.com/jp/collection/2021aw/
KEISUKEYOSHIDA(ケイスケヨシダ):
原点でもあるスクールルックを、「装い」ではなく「佇まい」として描いて更新
・2021年3月15日(月)12:00/ワールド北青山ビル
*公式サイト:https://www.keisukeyoshida.com/
フィジカルショー組のトップバッターは<KEISUKEYOSHIDA>。昨年11月末の夕暮れどきに行われた荒川河川敷でのショーや、ヒカリエのホールを真っ赤な照明で染めたショーなど、暗い会場でのショーが多い同ブランドにしては珍しく、今回の会場は明るい自然光が差し込むワールド北青山ビルだった。紫に塗られた学校机と椅子の間を俯いた姿のモデルがゆっくりとウォーキングして最後に机の上に乗るという演出、そしてベートーヴェンの「月光」(2019AWでもBGMで使用)とともに響き渡る雨音は、「明るい教室にいても常に心の中は雨だった」というデザイナーの吉田さんの青春時代の心象風景とリンクする。
歪んだフォルムのTシャツをかっちりしたコートやジャケットにレイヤードして過剰に歪なシルエットを形成したり、俯きの姿勢そのものをデフォルメして洋服のシェイプに落とし込んだ。2014年のデビュー以来、「明るいのか暗いのかわからない青春の空気と、そこにいる彼らの装い」をブランドのコンセプトに洋服をデザインしてきたが、今回は初めて「装い」ではなく「佇まい」をデザインしたのだという。コレクションタイトルである「like a dead pigeon(=死んだハトのように)」の象徴的なグラフィックの数々はNOZLE GRAPHICSのTSUNEさん(@nozlegraphics)によるもの。
生まれ育った北区荒川の河川敷での前回のコレクションで、ブランドをスタートした当時の精神へと原点回帰したという吉田さん。今回はスクールルックという自身のファッション的な原点を、現在の視点でどう表現するかチャレンジしたコレクションだったのかもしれない。
ショーのラストでは、モデルたちが机から降りてビルのエントランスへと移動し、前後二列に並んでフォトシューティングを行った。まるで卒業写真撮影を思わせる光景は、終始ダークでアンニュイだったショーに救済をもたらすかのようだった。
*公式サイト:https://www.keisukeyoshida.com/
フィジカルショー組のトップバッターは<KEISUKEYOSHIDA>。昨年11月末の夕暮れどきに行われた荒川河川敷でのショーや、ヒカリエのホールを真っ赤な照明で染めたショーなど、暗い会場でのショーが多い同ブランドにしては珍しく、今回の会場は明るい自然光が差し込むワールド北青山ビルだった。紫に塗られた学校机と椅子の間を俯いた姿のモデルがゆっくりとウォーキングして最後に机の上に乗るという演出、そしてベートーヴェンの「月光」(2019AWでもBGMで使用)とともに響き渡る雨音は、「明るい教室にいても常に心の中は雨だった」というデザイナーの吉田さんの青春時代の心象風景とリンクする。
歪んだフォルムのTシャツをかっちりしたコートやジャケットにレイヤードして過剰に歪なシルエットを形成したり、俯きの姿勢そのものをデフォルメして洋服のシェイプに落とし込んだ。2014年のデビュー以来、「明るいのか暗いのかわからない青春の空気と、そこにいる彼らの装い」をブランドのコンセプトに洋服をデザインしてきたが、今回は初めて「装い」ではなく「佇まい」をデザインしたのだという。コレクションタイトルである「like a dead pigeon(=死んだハトのように)」の象徴的なグラフィックの数々はNOZLE GRAPHICSのTSUNEさん(@nozlegraphics)によるもの。
生まれ育った北区荒川の河川敷での前回のコレクションで、ブランドをスタートした当時の精神へと原点回帰したという吉田さん。今回はスクールルックという自身のファッション的な原点を、現在の視点でどう表現するかチャレンジしたコレクションだったのかもしれない。
ショーのラストでは、モデルたちが机から降りてビルのエントランスへと移動し、前後二列に並んでフォトシューティングを行った。まるで卒業写真撮影を思わせる光景は、終始ダークでアンニュイだったショーに救済をもたらすかのようだった。
BALMUNG(バルムング):
彫刻家・鈴木操さんの「ソフト・スカルプチャー」と共鳴するコレクション
・2021年3月17日(水)13:00、14:00、15:00/&studio
*公式instagram:https://www.instagram.com/balmung_tokyo/?hl=ja
馬喰町のレンタルスタジオでインスタレーションを開催した<BALMUNG>。会場の床にランダムに置かれた段ボールがモデルたちによって次々と開かれていき、中に入っていた物体(圧縮袋に入った布)が段ボールに括りつけられ、立体作品になっていくというパフォーマンスからショーがスタート。「単なる段ボールが複雑な物体へと変化していくこの過程を通して、規格的なものと複雑で歪なものとはグラデーションで繋がっており、そこに境界線はないということを表現した」のだとデザイナーのHachiさんは話す。
この立体作品は「ソフト・スカルプチャー」というジャンルのもので、作者は彫刻家の鈴木操さん。鈴木さんは今回のショーに寄せて、『ファッションの様相についての覚書、BALMUNGからはじめる』と題したテキストも執筆しており、 正方形の紙に隙間なくびっしりとプリントアウトされたペーパーが来場者には配布された。以下にその一部を引用する。
—さて、ここ十年くらいの間、人新世やAI、思弁的実在論といった人間というスケールを大きく超えていく思考の枠組みから、人体や人格を再発明することを目指す方向性が、各ジャンルにおいて展開されています。BALMUNGが放つ総体的な魅力は、このような同時代的な志向性を、ジャンルの垣根を超えて衣服の次元において提示し続けていることです。(『ファッションの様相についての覚書、BALMUNGからはじめる』(鈴木操)より)—
そんな鈴木さんのテキスト、そして「ソフト・スカルプチャー」のグロテスクな質感やフューチャリスティックな造形が服と共鳴。ショーに登場した服はどれも<BALMUNG>らしいものだったが、さまざまなコンテクストが重なり合うプレゼンテーションによって、その世界観をより明確に描き出していた。
*公式instagram:https://www.instagram.com/balmung_tokyo/?hl=ja
馬喰町のレンタルスタジオでインスタレーションを開催した<BALMUNG>。会場の床にランダムに置かれた段ボールがモデルたちによって次々と開かれていき、中に入っていた物体(圧縮袋に入った布)が段ボールに括りつけられ、立体作品になっていくというパフォーマンスからショーがスタート。「単なる段ボールが複雑な物体へと変化していくこの過程を通して、規格的なものと複雑で歪なものとはグラデーションで繋がっており、そこに境界線はないということを表現した」のだとデザイナーのHachiさんは話す。
この立体作品は「ソフト・スカルプチャー」というジャンルのもので、作者は彫刻家の鈴木操さん。鈴木さんは今回のショーに寄せて、『ファッションの様相についての覚書、BALMUNGからはじめる』と題したテキストも執筆しており、 正方形の紙に隙間なくびっしりとプリントアウトされたペーパーが来場者には配布された。以下にその一部を引用する。
—さて、ここ十年くらいの間、人新世やAI、思弁的実在論といった人間というスケールを大きく超えていく思考の枠組みから、人体や人格を再発明することを目指す方向性が、各ジャンルにおいて展開されています。BALMUNGが放つ総体的な魅力は、このような同時代的な志向性を、ジャンルの垣根を超えて衣服の次元において提示し続けていることです。(『ファッションの様相についての覚書、BALMUNGからはじめる』(鈴木操)より)—
そんな鈴木さんのテキスト、そして「ソフト・スカルプチャー」のグロテスクな質感やフューチャリスティックな造形が服と共鳴。ショーに登場した服はどれも<BALMUNG>らしいものだったが、さまざまなコンテクストが重なり合うプレゼンテーションによって、その世界観をより明確に描き出していた。
Requal≡(リコール)
プレッピーやヒッピーのスタイルをクチュール的に再構築=「Re frppie(リフレッピー)」を提案
・2021年3月20日(土)19:00/ヒカリエホールA
*公式Instagram:https://www.instagram.com/re_qual_/?hl=ja
公式スケジュールのフィジカルショーでラストを飾ったのは、第34回「イエール国際モードフェスティバル」ファッション部門の審査員特別賞や第1回「big design award」のファイナリスト、そして第6回「TOKYO FASHION AWARD」受賞など、数々のコンペティションでも活躍するブランド<Requal≡>。
今シーズンのテーマである「Re frppie(リフレッピー)」は、「プレッピー」「ヒッピー」「フレンチ」をかけ合わせた造語。プレッピーやヒッピーというアメリカ的なスタイルに、パリのクチュール的なシェイプやディテールをミックスして再構築したコレクションだ。
同ブランドらしい複雑な構造は健在で、2着がドッキングされて1着になった服の数々(ニットやジャケット、MA-1など)は特に目をひいた。「ソーシャルディスタンス」という言葉が浸透し、人と人との距離がより遠くなった社会が早く元に戻るようにとの願いを込め、人と人とが身体を抱き合う姿を洋服に落とし込んだそう。
フィナーレでは歌手による弾き語りをバックに、ランウェイを歩いたモデルたちが全員集合。架空のキャンプファイヤーを人々が囲むハッピーな光景を描いたという。そのほかにも、まるでテントから出てきたように見えるルックが繰り返し登場したりと、家の外に出たい、以前の「あたりまえ」が愛おしい、というデザイナーのストレートな思いに心を打たれたショーだった。
*公式Instagram:https://www.instagram.com/re_qual_/?hl=ja
公式スケジュールのフィジカルショーでラストを飾ったのは、第34回「イエール国際モードフェスティバル」ファッション部門の審査員特別賞や第1回「big design award」のファイナリスト、そして第6回「TOKYO FASHION AWARD」受賞など、数々のコンペティションでも活躍するブランド<Requal≡>。
今シーズンのテーマである「Re frppie(リフレッピー)」は、「プレッピー」「ヒッピー」「フレンチ」をかけ合わせた造語。プレッピーやヒッピーというアメリカ的なスタイルに、パリのクチュール的なシェイプやディテールをミックスして再構築したコレクションだ。
同ブランドらしい複雑な構造は健在で、2着がドッキングされて1着になった服の数々(ニットやジャケット、MA-1など)は特に目をひいた。「ソーシャルディスタンス」という言葉が浸透し、人と人との距離がより遠くなった社会が早く元に戻るようにとの願いを込め、人と人とが身体を抱き合う姿を洋服に落とし込んだそう。
フィナーレでは歌手による弾き語りをバックに、ランウェイを歩いたモデルたちが全員集合。架空のキャンプファイヤーを人々が囲むハッピーな光景を描いたという。そのほかにも、まるでテントから出てきたように見えるルックが繰り返し登場したりと、家の外に出たい、以前の「あたりまえ」が愛おしい、というデザイナーのストレートな思いに心を打たれたショーだった。
コロナ時代のファッションウィークは“囲み取材”のスタイルも変化!
ファッションショーの形式だけでなく、これまで当たり前だった東京コレクションをめぐる光景にも変化が見られた。
たとえばファッションショー終了後の“囲み取材”。ジャーナリストがデザイナーを至近距離で取り囲み、マイクなしで質問するという形式の取材だったのだが、今シーズンは、ヒカリエのホールにジャーナリストが距離を保ちながら整列し、質問がある場合は挙手してマイクスタンドのもとへと向かうスタイルに変化。また、コレクションはオンラインで発表しながら、新スタイルの“囲み取材”だけはヒカリエでフィジカルに行うというブランドもあった。
たとえばファッションショー終了後の“囲み取材”。ジャーナリストがデザイナーを至近距離で取り囲み、マイクなしで質問するという形式の取材だったのだが、今シーズンは、ヒカリエのホールにジャーナリストが距離を保ちながら整列し、質問がある場合は挙手してマイクスタンドのもとへと向かうスタイルに変化。また、コレクションはオンラインで発表しながら、新スタイルの“囲み取材”だけはヒカリエでフィジカルに行うというブランドもあった。
Yusho Kobayashi(ユウショウコバヤシ):
ベルギー出身の画家リュック・タイマンスにインスパイアされたコレクション
・2021年3月7日(日)18:00/ラフォーレミュージアム原宿
*公式Instagram:https://www.instagram.com/yushokobayashi/?hl=ja
毎シーズンオフスケジュールでのショーを継続している<Yusho Kobayashi>。今回はラフォーレミュージアム原宿を舞台にインスタレーションを開催した。今シーズンのテーマは「still life」(=静物画)で、ベルギー出身の画家リュック・タイマンスの作品群にインスパイアされたという。
2020SSシーズンにデビューして以来、毎シーズン少女の小さな私空間を連想させる会場でショーを行ってきたが、今回も少女が自分の部屋でコーヒーをドリップするかのような描写からスタート。ショーの半ばからは、小林さん自身が描いた絵画をモデルが次々とイーゼルにかけ変えていくという演出に。そこから想像できるひとりの少女の個人的なストーリーと同ブランドの特徴であるハンドメイドのアイテムとが密接に結びつき、過去のシーズンと同様に記憶に焼き付くコレクションだった。
ちなみに筆者はインビテーションの「still life」という文字を見て池澤夏樹の同名小説を思い浮かべたが、直接は関係なかったよう。しかしながら、ピュアで透明で浮遊感の漂うこの小説の世界観は、どことなく同ブランドのクリエーションにも通ずるものがあるような気がした。
*公式Instagram:https://www.instagram.com/yushokobayashi/?hl=ja
毎シーズンオフスケジュールでのショーを継続している<Yusho Kobayashi>。今回はラフォーレミュージアム原宿を舞台にインスタレーションを開催した。今シーズンのテーマは「still life」(=静物画)で、ベルギー出身の画家リュック・タイマンスの作品群にインスパイアされたという。
2020SSシーズンにデビューして以来、毎シーズン少女の小さな私空間を連想させる会場でショーを行ってきたが、今回も少女が自分の部屋でコーヒーをドリップするかのような描写からスタート。ショーの半ばからは、小林さん自身が描いた絵画をモデルが次々とイーゼルにかけ変えていくという演出に。そこから想像できるひとりの少女の個人的なストーリーと同ブランドの特徴であるハンドメイドのアイテムとが密接に結びつき、過去のシーズンと同様に記憶に焼き付くコレクションだった。
ちなみに筆者はインビテーションの「still life」という文字を見て池澤夏樹の同名小説を思い浮かべたが、直接は関係なかったよう。しかしながら、ピュアで透明で浮遊感の漂うこの小説の世界観は、どことなく同ブランドのクリエーションにも通ずるものがあるような気がした。
PERMINUTE(パーミニット):
オンラインとフィジカルで見える風景を異なるようデザイン、「地方万博」が夢みた未来感とリアルの複雑系を表現
・2021年3月27日(土)15:00、17:00、19:00/BOOTLEG gallery
*公式サイト:https://perminute.net/
公式スケジュール終了からちょうど1週間後、江戸川橋のギャラリーでインスタレーションを開催した<PERMINUTE>。
今シーズンの着想源は、デザイナーである半澤慶樹さんの地元・福島で2001年に開催された「うつくしま未来博」の記憶。地方博覧会という土着的かつノスタルジックなイベントに宿る奇妙なハッピー感や祝祭性、そしてそれを体験した10代だった頃の自身の複雑な感情を、平面的なランウェイショーではなく、オンラインとフィジカルで見え方が異なり、さらにフィジカルでも見る場所によって見え方が変わってくるような演出で表現。
この演出は、ファッションブランド<A MACHINE>(エーマシン)の金井慶介さんとのコラボレーションで生まれたもの。ちなみに本ショーに先立って開催されたA MACHINEの2021AW展示会では、半澤さんが自身の身体をスキャンして作成したオブジェや、そこからデザインした1着のドレスを展示しており、「今回はそのお返しです(笑)」とは金井さんの言。共振する同世代のクリエイター同士によるクロスオーバー的なコラボレーションは今後ますます増えていきそうだ。
また今回から、ファッション業界の慣例でもあった春夏/秋冬というシーズン切りでのコレクション製作ではなく、5-15℃/28℃というような、気温に合わせたウェアの提案に変更。オンラインでのコレクション発表の増加やメンズラインとウィメンズラインの統合など、コレクション発表の既存のシステムが崩れつつある現状にマッチしている。ブランド自体のサステナビリティ向上(発表できるタイミングで発表する)という側面もありそうで、新時代のファッションブランドのあり方としてユニークだ。
*公式サイト:https://perminute.net/
公式スケジュール終了からちょうど1週間後、江戸川橋のギャラリーでインスタレーションを開催した<PERMINUTE>。
今シーズンの着想源は、デザイナーである半澤慶樹さんの地元・福島で2001年に開催された「うつくしま未来博」の記憶。地方博覧会という土着的かつノスタルジックなイベントに宿る奇妙なハッピー感や祝祭性、そしてそれを体験した10代だった頃の自身の複雑な感情を、平面的なランウェイショーではなく、オンラインとフィジカルで見え方が異なり、さらにフィジカルでも見る場所によって見え方が変わってくるような演出で表現。
この演出は、ファッションブランド<A MACHINE>(エーマシン)の金井慶介さんとのコラボレーションで生まれたもの。ちなみに本ショーに先立って開催されたA MACHINEの2021AW展示会では、半澤さんが自身の身体をスキャンして作成したオブジェや、そこからデザインした1着のドレスを展示しており、「今回はそのお返しです(笑)」とは金井さんの言。共振する同世代のクリエイター同士によるクロスオーバー的なコラボレーションは今後ますます増えていきそうだ。
また今回から、ファッション業界の慣例でもあった春夏/秋冬というシーズン切りでのコレクション製作ではなく、5-15℃/28℃というような、気温に合わせたウェアの提案に変更。オンラインでのコレクション発表の増加やメンズラインとウィメンズラインの統合など、コレクション発表の既存のシステムが崩れつつある現状にマッチしている。ブランド自体のサステナビリティ向上(発表できるタイミングで発表する)という側面もありそうで、新時代のファッションブランドのあり方としてユニークだ。
【取材・文:大西智裕(『ACROSS』編集部)】