「無人販売」と聞いてまず思い浮かぶのは、地方の道路沿いにある無人野菜販売所だろう。無人店舗にある料金箱に代金を入れて品物を持ち帰るもので、購入者の良心で成り立っていることから「良心市」、英語では「honesty box」とも呼ばれている。
無人=接客なしの非接触店舗は、昨今のコロナ禍で改めて脚光を浴びていることは言うまでもない。数年前から、米国ではアマゾンの「Amazon Go(アマゾン・ゴー)」、国内ではファミリーマートの無人決済コンビニ「TOUCH TO GO(タッチトゥーゴー)」ほか、AIなどのテクノロジーを使った最先端の非接触店舗が注目されているが、コロナ以降には日本各地で餃子店や焼肉店、豆腐店など飲食店や、リサイクル家電店など小売の無人販売も見られるようになるなど話題が豊富だ。
そんななか、24時間営業の”無人古着店”として早くから話題を集めていたのが、2020年8月に中野区にオープンした「ムジンノフクヤ」である。西武新宿線の野方駅から徒歩5分、商店街の奥というアクセス良好とは言えない立地ながら、ユニークな店作りが地元客ほか各種メディアにも大いに注目され、開店1カ月目から黒字を達成。オープン1年目にして、東長崎店、椎名町店(フランチャイズ)、新宿アルタ店の計4店舗に拡大するなど勢いづいている。