「ACROSS」編集室の事務所は渋谷・神泉町にある。渋谷の喧騒からは少し離れていて、小規模で気の利いた飲食店がポツポツ立ち並ぶおしゃれエリアとしても注目されていたが、COVID-19のパンデミックの影響でその風景もずいぶん変化した。閉店したお店も少なくないが、一方、新しくオープンしたところも出てきている。
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実は町から消えていた手芸店。毛糸&編み物教室が、ここ渋谷に誕生。
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場所は、東急Bunkamuraを旧山手通りに向かう道から少し入った神泉駅に向かう路地を入ったところの新築のマンションの1F。約20坪のスペースは、毛糸などを販売するところを編み物教室・サロンのようなスペースに分かれている。ワインセラーのような毛糸の棚や、部分的に壁にあしらわれたレンガ、家具などから、お店のロゴなども全て、知り合いの都内のグランピング施設なども手がけるアレックスクリエイトの方に直接オーダーしたそうだ。奥には、バーカウンターも配備。いずれはちょっとしたカフェ、バーのようなサービスも付加したいと話す。
「先生、ここ3段で合っていますか?」
「はい、あってます。とっても上達していますね。これだったらすぐに完成しますね!」
取材で伺った平日の午後も、女性が2名みゆき先生のアドバイスを受けながら、楽しくおしゃべりをしながら黙々と手を動かしていた。1人が帰った後もまた別の女性が来店。先週から編んだ部分を先生に見てもらっていた。COVID-19ということもあるものの、先生とほぼマンツーマンで指導してもらえるのは嬉しいし心強い。
「価格の設定はとっても悩んだんですが、初めての方でも無理のないよう、1時間1,500円としました」(あすかさん)。
実家住まいのあすかさん。お姉さんも“編み物ファン”に引き入れ、さっそく常連さんになっているのだとか。
「お客様は女性だけでなく、男性もいらっしゃいます。オープン当初、毎日通われていた男性がいらしたのですが、カウチンセーターを結局、6着でしょうか。編み上げてらっしゃいました」(あすかさん)。
お客さんは、もちろんご近所の方も少なくなく、中には1人で通ってくる小学生もいるという。一方、実は、近年町から手芸ショップが消えていることもあり、ネットで探して遠くから車で来店する人も少なくないという。車は近所にコインパーキングもあるが、店頭のスペースに1台だったら横付け可能だ。
それもそのはず、同店では他では見たことのないような毛糸もいっぱい。目の覚めるようなポップなピンクやイエロー、グリーンといった単色のものの他に、複数の色が絶妙にミックスしたもの、また、ウールやコットンだけでなく、和紙だったりなど、素材も豊富で、オンラインでも販売されていて人気だそうだ。
「和紙は、バッグや帽子などに適してるんです。先日は、山形の佐藤繊維さんに別注して、特別に染色してもらいました。オリジナルカラーですね。個人的には、いま素材にとっても関心があって、いろいろみゆき先生と探しているところです」(あすかさん)。