東京・府中にある多摩エリア最大級の卸売市場であり、通称「府中市場」として知られる「大東京綜合卸売センター」。昭和41年の創業から50年以上の歴史を持つ市場は、卸だけでなく一般客向けの小売も解放。コンクリート造りのレトロな場内には、水産、精肉などの生鮮食品、加工・冷凍食品、調理器具、文具、包材、生活雑貨など約80軒の専門店がそろい、バラエティ多彩な食堂の”市場めし”も充実するとあって、早朝から昼過ぎまで幅広い層の人々で賑わっている。
そんな市場の一角に2021年11月にオープンしたのが、ヴィンテージデニム販売とリペアの専門店「GREEN DOOR(グリーンドア)」だ。中国の市場でおなじみの赤い傘と木枠のガラス引き戸が目印の外観は、市場のレトロなムードに溶け込む絶妙な雰囲気。だが、店内は異国情緒漂うインテリアに心地よいインセンスの香りが漂い、ここが市場ということを忘れてしまう心地よい空間に仕上がっている。右側の棚とラックはヴィンテージジーンズの販売スペース、左側はカラフルな糸と2台のミシンが並ぶ作業スペースで、オーナーで職人の押田直樹さんがひとりで店を切り盛りする。