前夜祭はMASU。mister it.やPHOTOCOPIEU、Kota Gushikenなど初ランウェイショーを披露するブランドも！

Rakuten Fashion Week Tokyo 2024AW、2024年3月11日開幕

“若手の登竜門“というニュアンスが強かった東京のファッションウィークがバージョンアップ！

参加ブランドを厳選。
確実に次世代活躍できるブランドに絞ったキュレーションに

2024年3月11日（月）～3月16日（土）に開催される東京のファッションウィーク＝「Rakuten Fashion Week TOKYO 2024 A/W」（主催：一般社団法人日本ファッション・ウィーク推進機構）に関する詳細が発表になりました。今回、参加ブランドは前回よりも7ブランド減り、フィジカル35、デジタル8の合計43ブランドに。

「長年、若手登竜門という意味合いが強かった東京のファッションウィークですが、ここ数年は、確実にブランドビジネスとして継続していけることや、海外からの参加組で日本でのセールスやオペレーションが難しいところなどは、検討に検討を重ね、残念ながら落選とすることにしました。今回も50ブランド以上のお申し込みがあったのですが・・・」と一般社団法人日本ファッション・ウィーク推進機構事務局長の古茂田博さんは話す。

２月15日の記者会見のようす。登壇者（右から順に）：一般社団法人日本ファッション・ウィーク推進機構事務局長古茂田博氏、楽天株式会社上級執行役員兼マーケットプレイス事業デピュティヴァイスプレジデント松村亮氏、一般社団法人日本ファッション・ウィーク推進機構理事太田伸之氏、同ディレクター今城薫氏。

プルミエールヴィジョンに招聘されたKANAKO SAKAIをはじめ、
若手支援プログラムの受賞者たちのショーに注目！

今回のハイライト、１つ目は、同団体が、東京都と一緒に支援する若手ブランドのインキュベーション・プラットフォーム、JFW NEXT BRAND AWARD 2024年度の受賞者と、TOKYO FASHION AWARD 2024の受賞者たちがランウェイショーを披露すること。

・JFW NEXT BRAND AWARD （NBA）2024年度の受賞ブランド：KANAKO SAKAI（さかいかなこ）

・TOKYO FASHION AWARD（TFA） 2024 受賞ブランド：HAENGNAE (アンナ・チョイ)、mister it.(砂川卓也) 、PHOTOCOPIEU (竹内美彩) tanakadaisuke (田中大資)、FAF (荒井一帆 / 高林司)、Kota Gushiken (具志堅幸太) 、HINYAKOZUKA (小塚信哉 / 梶浦慎平)、SOSHIOTSUKI (大月壮士)

＊また、JFW NEXT BRAND AWARD 2024審査員特別賞受賞を受賞した「fluss」(児玉耀)は、24AWの展示会を渋谷ヒカリエ９Fのアトリウムにて開催します。

過去にNBAやTFAを受賞し、現在活躍中のブランドが多数参加！ ANREALAGEからはANREALAGE HOMMEがデビュー

２つ目のハイライトは、過去にNBAやTFAを受賞したブランドや、by R（バイアール）にて発表したブランドからの参加が多数ある点です。なかでも、ANREALAGEは新しく、ANREALAGE HOMMEというメンズブランドのデビューショーが最終日に行われます。

また、近年の東京のファッションウィークでアワード受賞し、現在活躍中の実力ブランドが、継続して多数参加する点も注目されます。以下、( )はデザイナー名および受賞または参加年度(アルファベット順)。

AKIKOAOKI (青木明子 TFA 2023) / ANREALAGE (森永邦彦 by R 2023 S/S) / Chika Kisada (幾左田千佳 TFA 2017 ・ by R 2023 A/W) / FETICO (舟山瑛美 TFA 2023 ・ NBA 2023) / HARUNOBUMURATA (村田晴信 TFA 2022) / IRENISA(小林祐 / 安倍悠治 TFA 2023 ) / TANAKA (タナカサヨリ/クボシタアキラTFA 2023) / VIVIANO(ヴィヴィアーノスー TFA 2023) / YOHEI OHNO (大野陽平 TFA 2017)

by RからはMarimekkoが初めてのショーを披露！仏ファッション展示会TORANOIの関連イベントも開催

３つ目のハイライトは、毎回注目の冠スポンサーである楽天による企画、「by R」です。今回は、日本でもファンの多いフィンランドのデザインハウス「Marimekko」(マリメッコ)が、初めてこの枠でファッションショーを開催することになりました。実は、同ブランドのテキスタイルデザインは多くの日本人のデザイナーが関わってきた歴史があります。今回も、楽天が運営するファッション通販サイト「Rakuten Fashion」で限定商品を販売し、クリエイティブ・ディレクターレベッカ・ベイ氏のショーへの想いを伺ったインタビューなどを特設サイトにて配信するそうです。

また、コミッティメンバーとして何度も提案していた海外からのバイヤーやメディアの招聘については、今シーズンから具体的に強化されることに。さらに、海外戦略としては、パリのファッション展示会「TRANOÏ（トラノイ）」(Paris Fashion Week Official Tradeshow Partner)が、Rakuten FWT 24 A/Wの関連イベントとして、会期中にプレスイベントも開催される予定です（詳細は、パリのTORANOIにて記者発表があるそう）。

他にも関連イベントとして、日本のアパレル・ファッション産業協会による日本の繊維・縫製産地の品質を世界に向けて情報発信しようと活動する「J♾QUALITY」が、 1月の伊ピッティ・ウォモ、仏パリのショールームにも出展した商品群が「J♾QUALITY SPECIAL COLLECTION」を澁谷ヒカリエ８／COURT・CUBEにて展示される他、合同展示会「CREATION AMOUR」（トランクホテル）や久しぶりの開催となる「PLUG IN｜Editorial」（EBIS303ホール）などの合同展示会の開催、さらにESMODE Tokyo 2024年卒業コレクション、「Tokyo AI Fashion Week」なども開催される予定だ。
詳細は、楽天ファッションウィークの公式ページにてご確認ください。

いずれにしても、”ポストCOVID19”だった前回から確実にバージョンアップ。”日本のファッションと文化を、日本から世界に向けて発信していく”フェーズへの起点となるシーズンといえそうです。

実は、海外のデザイナーらに多大なる影響を与えた90年代以降の東京のストリートファッション。それを「東京ファッション・スタディーズ」として研究テーマの１つとしている筆者としては、ますます丁寧に、国内外のストリートとコレクションの双方を取材することが楽しみになってきました。（高野公三子）