2025年になってファーアウターやレオパード柄など、ギャル=フェミニンなテイストの復活が目立っていたストリートですが、先月、そして今月と、春が近づくにつれ再びニュートラルでカジュアルなムードに落ち着いてきたような印象に。さらに不安定な天候にも悩まされプレサーベイが難航しましたが、その結果、定番アイテム化している「色落ちブルージーンズ」にあらためてフォーカスすることにしました。さらにズームアップアイテムでは、「ローファー」「レッグウェア」と足元のアイテムに注目しました。
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フェミニンなムードが台頭するストリート。
定番アイテム化している「色落ちブルージーンズ」にあらためてフォーカス。
カウントアイテム:男女色落ちブルージーンズ
マス化しているルーズフィットジーンズだけでなくタイトなフレアジーンズも台頭。
もはや大定番アイテムである色落ちブルージーンズですが、2023年~2024年にかけてはブラック(色落ちしてグレーに見える)ジーンズが大ヒットしたのが記憶に新しいところ。ところが早くも飽きられてしまったのか、ブルージーンズへと回帰する人が増えているのでは?という仮説が浮かび上がってきました。男性を中心に一般化しているルーズフィットのジーンズや、先月ズームアップアイテムで取り上げたフレアジーンズなど、シルエットやデザインを問わず褪色したブルーのジーンズが再び目立ち始めています。また、過剰なバギーシルエットのジーンズは減少し、ほどよくルーズなサイジングへと戻り始めているのも昨年との違い。特に先月ズームアップアイテムとして取り上げた「フレアジーンズ」が急増中で、コンサバ/フェミニンなテイストのリバイバルとの関連性も窺えます。さらにレーススカートとのレイヤードによる“スカパン(スカートオンパンツ)”スタイルなど、ギャルのリバイバルというストーリーとは別軸の女性らしさ=ガーリーなスタイルも浮上しています。
過去を振り返ってみると、直近では2021年3月や2020年1月に「色落ちブルージーンズ」の名称でフォーカスしていますが、意外にもカウントアイテムとして取り上げたのは2017年3月まで遡ります。2015〜17年といえば、ヴェトモン(デムナ・ヴァザリア)やグッチ(アレッサンドロ・ミケーレ)の影響で本格的に古着ブームがどんどん拡大していったタイミング。そのトレンドが継続・定着し、ある種の臨界点に達したのが現在という言い方もできるのかもしれません。
■各地点の「男女色落ちブルージーンズ」はこちら
過去を振り返ってみると、直近では2021年3月や2020年1月に「色落ちブルージーンズ」の名称でフォーカスしていますが、意外にもカウントアイテムとして取り上げたのは2017年3月まで遡ります。2015〜17年といえば、ヴェトモン(デムナ・ヴァザリア)やグッチ(アレッサンドロ・ミケーレ)の影響で本格的に古着ブームがどんどん拡大していったタイミング。そのトレンドが継続・定着し、ある種の臨界点に達したのが現在という言い方もできるのかもしれません。
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(左)ジーンズはMASUのもの。「ピンクの加工がされているデニムは珍しいし、かなり太いシルエットが気に入って購入しました」という21歳の男性(https://www.web-across.com/observe/ppce54000001seou.html)。
(右)ジーンズはZARAのもの。「太すぎるのが嫌で、ちょっと細めだけどタイトじゃないシルエットで、店舗で着てみていいなと思ったので買いました」という22歳の男性(https://www.web-across.com/observe/ppce54000001sfma.html)。
ズームアップアイテム①:ローファー
カジュアルすぎずドレッシーすぎないモカシンシューズ全般がトレンドに。
ミュウミュウ〜NewJeansという流れからY2K的なスクールガールスタイルが一大トレンドとなったことで、その足元に欠かせないアイテムとして再び脚光を浴びたローファー。直近では2023年1月に取り上げていますが、その際にはあまり見られなかった厚底のデザインや、ミニ丈ボトムスとの組み合わせも一般化。さらにズームアップ②でも取り上げたルーズソックス等のレッグウェアともセットで流行しています。ルーズなジーンズやスウェットパンツなど、現在トレンドのボトムスに合わせるレザーシューズとしてちょうどいいバランスが人気のポイントで、スニーカーほどカジュアルではなく、レースアップシューズほどドレッシーでもない、ほどよい上品さがいまの気分にマッチするのでしょうか。実は昨年あたりから、2013年頃に流行したシティボーイっぽいローファー+白ソックスのスタイルも復活。昨年大復活を遂げたティンバーランドのデッキシューズなど、モカシンシューズ全般が人気となっています。その一方でポインテッドトゥのパンプスのような女性っぽいシューズが久しぶりに台頭している流れもあり、華奢なフォルムのビットローファーが増加している点も今年らしい要素として注目したいところです。
■各地点の「ローファー」はこちら
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(左)SUPREMEとDr.Martensのコラボローファーをはいた21歳の男性(https://www.web-across.com/observe/ppce54000001sgta.html)。
(右)「TOMORROWLANDのKIYOKA(@kykph)さんのスタイリングが好きでよく見て参考にしています」という23歳の女性(https://www.web-across.com/observe/ppce54000001sf0s.html)。
(右)「TOMORROWLANDのKIYOKA(@kykph)さんのスタイリングが好きでよく見て参考にしています」という23歳の女性(https://www.web-across.com/observe/ppce54000001sf0s.html)。
ズームアップアイテム②:レッグウェア
ルーズソックスやファー素材のブーツなど、特に足元にボリュームが出るギャルテイストのアイテムが人気に。
2025年1月に「ボトムスレイヤードスタイル」、3月に「シースルーボトムス」を取り上げたように、下半身にアクセントを置いた着こなしがストリートに広く浸透しています。2022年頃からY2Kの文脈でリバイバルしていたルーズソックス、同じくギャルの象徴的なアイテムとして今年急浮上したファー素材のブーツなど、特に足元にボリュームが出るアイテムが人気です。あるいはカラータイツや網タイツ、タトゥー風の柄タイツなど、タイツ類で足元にアクセントを加える着こなしも目立ちます。
定点観測で最初に類似のアイテムを取り扱ったのは、実は1982年2月にまで遡ります。エアロビ流行の影響から「女性レッグウォーマー」がファッションアイテム化しました。その後1995年4月、2001年10月、2003年1月と90s後半〜00s前半にかけて立て続けに取り上げられており、ルーズソックスが女子高生/ギャルたちの必須アイテムに。2010年前後にはレギンスとのレイヤードによる「山ガール」的なテイストも登場しました。Y2K=韓国トレンドという文脈ももちろん大きなストーリーとしてはあるのですが、90s当時にギャルだった世代が親になった=ギャルカルチャーの素養を潜在的に内包した子どもたちがストリートの主役になったという点も大きなポイントと思われます。
■各地点の「レッグウェア」はこちら
定点観測で最初に類似のアイテムを取り扱ったのは、実は1982年2月にまで遡ります。エアロビ流行の影響から「女性レッグウォーマー」がファッションアイテム化しました。その後1995年4月、2001年10月、2003年1月と90s後半〜00s前半にかけて立て続けに取り上げられており、ルーズソックスが女子高生/ギャルたちの必須アイテムに。2010年前後にはレギンスとのレイヤードによる「山ガール」的なテイストも登場しました。Y2K=韓国トレンドという文脈ももちろん大きなストーリーとしてはあるのですが、90s当時にギャルだった世代が親になった=ギャルカルチャーの素養を潜在的に内包した子どもたちがストリートの主役になったという点も大きなポイントと思われます。
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(左)ソックスはyushokobayashiのもの。「無地のソックスとかだったら無難になっちゃうけどこれならアクセントになる」という26歳の女性(https://www.web-across.com/observe/ppce54000001sgvo.html)。
(右)「Gardenの店員さんを見てレッグウォーマーを買いました」という23歳の男性(https://www.web-across.com/observe/ppce54000001sga6.html)。
(右)「Gardenの店員さんを見てレッグウォーマーを買いました」という23歳の男性(https://www.web-across.com/observe/ppce54000001sga6.html)。