PROGETTO

PROGETTO

レポート
2002.05.31
カルチャー|CULTURE

99年より、渋谷・道玄坂を登りきった「円山町」で営業していた、デザイン全般を扱う書店「progetto」が、5月9日、少しだけ坂を降り、住所を「道玄坂」に変え、移転・オープンした。

新店鋪は2層で、1Fにはカフェコーナーを併設。吹き抜け部分を活用したギャラリースペースも確保されている。

「新しい目論みとかそういうんじゃなくって、店をはじめようと考えた当初からの企画が実現できる物件に出会っただけですよ」と言うオーナーのY氏。
その「考えていたこと」とは、日曜日の営業 平日の夜11時までの営業 カフェの併設、の3点。延べ床面積は約33坪と、前店鋪より若干狭くはなったものの、その他はほぼ希望通りになったそうだが、実は、この物件が決まったのは、4月の中旬とかなりぎりぎり。

「いろいろあって、4月20日には前の店を閉めることになってたので、ここが決まらなかったら、お店自体もなくなってましたねー」とY氏は笑う。

そんなこんなで一気にスタートした「移転プロジェクト」だが、そこは、やはり、懇意にしているアーティストたちの強力なヘルプが介入。前店鋪同様、グラフィックデザインは、THE STUDIO TOKYO JAPANの奥村靫正氏、内装は、タイルの家の小野一郎氏と尾形優氏が担当。また、突然の依頼にすぐOKし、新店舗の新しいスペースに合わせた展示を自ら行った伊藤桂司氏の「NEW WORK」がオープニングの展覧会になったかと思えば、ハンドメイドバッグ「Ore(オー)」の展示販売企画が入り、さらに、スライドショウやライブ等など。あっという間に、新生「progetto」らしいスタイルが完成していった、というわけだ。

商品は、グラフィックをはじめ、写真やイラスト、建築、インテリア、など、デザイン・ヴィジュアル関係の書籍、雑誌がメイン。他にも、前店鋪でも扱っていたアーティストグッズやCD、VIDEO、CD-ROMなど、幅広いジャンルから、スタッフの眼で商品セレクトした「本のセレクトショップ」といいたいところだがが。

「よくそう雑誌に書かれるんだけど、違うんだよね。古本屋ならそれもありだけど、ここは新刊本を扱うふつうの本屋だからね」と、そこには、某チェーン系の総合書店で一緒に働いていたスタッフ達の仕入れ&棚づくりの秘密のテクニックが隠されている、のである(?)。

仕入れのポイントを訪ねると、「その話すると長いよー(笑)」とY氏。で、本当に長かったので、ここではヒントだけ。

どんなジャンルでも、「時を越えて残るもの(本)」があり、それを基本として、
「今だけのもの(本)」を配備する。実は、この「法則」は、なにも本に限ったことではない。もちろん、実際に数字をつくるのは、「後者」なのである。

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