DOMETHORY(ドメトリー)

DOMETHORY(ドメトリー)

レポート
2002.07.16
ファッション|FASHION
昼夜で異なるシーンを演出する“増幅型ショップ”

(株)ロックワットは、「WAX」や「a.m.o.u」など、これまで卸しで展開してきた自社ブランドに加え、今春新ブランド「ドメトリー」をデビュー。その旗艦店となる『ドメトリー』を、5月25日にオープンし、小売り業に乗り出した。

場所は、明治通り沿いで、1Fにヴィヴィアン・タムが入居しているビルの3F。商品構成は、メンズ8割:レディス2割といった割合だ。

「コンセプトは、ストリート感を残しつつ、デザイナーズブランドにも合わせられる服。ロゴ入りTシャツだけが飛ぶように売れるようなブランドにはしたくなかったんです」と、プレスのサトウタロウさん。

内装は、辻堂海岸の「chill out cafe SPUTNIK」を手がけたtripsterが担当。テーマは、“都会にある海の家”、ということで、段差を設けたフロアには木を用い、商品を直接フロアに置いてあったりと、まるでインスタレーションのようにも見える。また、スケートボードのハーフパイプのような広いテラスも特徴だ。

同店は、なんと、週末の夜は「サロン」としても営業。不定期ではあるものの、DJイベントも開催している。とくに告知はしていないが、毎回口コミで、モデルやスタイリスト、アパレル関係者などが集まるのだという。もちろん、フラリと立ち寄った一般客も参加可能。

「クラブイベントなどをやっているブランドは他にもたくさんありますが、店舗をそのままサロン化することで、店に求心力がつくと思うんです。夜は、テラスに明かりが灯り、音楽が流れているだけでも目立つらしく、わざわざ3Fまで見に来る方もいらっしゃいます」(サトウさん)。

昼間の顧客も巻き込み、夜はサロンで仲間たちと集う。そんな“横(業界)のつながり”を活性化することで、話題性を確保し、広く一般客に向けてのパブリシティ効果を狙うという。

今後は、自社ブランドだけでなく、フランスのグラフィティアーティストのTシャツを販売するなど、国内外の新進気鋭のブランドを紹介し、セレクトショップ化していく予定だという。また、イベントスペースとしても、積極的に店舗を開放していく方針だ。

00年以降、アパレル+カフェ、雑貨+カフェ、アパレル+フラワーショップ、家具+カフェなど、複数の業態を1つにまとめた“複合型ショップ”が急増して久しいが、同店のように、“昼夜で異なるシーンを演出する”ことで、顧客との関係性を拡げる、“増幅型ショップ”が、その次のビジネスのスタイルとして顕在化しているようだ。

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