BRITISH PAVILION 2002

BRITISH PAVILION 2002

2002.11.22
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今月に入ってから、ロンドン仕様の赤い2階建てダブルデッカーバスが公園通りを走っている姿をよく目にする。バスの車体には大手外資系CDショップ3社のロゴと、オアシス、スウェード、ポールウェラーなどUKロックミュージシャンのCDジャケットが描かれており、客席には一般客と思われる乗客の姿も見える。

これは、(株)ソニーミュージックジャパンインターナショナルが、全国のHMV、タワーレコード、ヴァージンメガストアで展開中のUKロックキャンペーン「BRITISH PAVILION 2002」の一環で、11月2日から24日までの3週間、都内をダブルデッカーが巡回するというもの。

「9月から11月にかけて、約10組を超えるUKロックミュージシャンが作品を発売するという、前代未聞のリリースラッシュなんです。そこで『BRITISH PAVILION 2002』と題したキャンペーンを行っているんですが、その宣伝ツールとして、イギリスの代名詞であるダブルデッカーを選びました」と、同社のデービッド・ワッセルマンさん。

平日は広告車として池袋〜渋谷間と渋谷〜六本木〜銀座間を走行。週末は、実際に乗客を乗せ、新宿〜原宿〜渋谷区間をピストン運行している。乗車場所は新宿・ヴァージンメガストア前、原宿・明治神宮交差点付近、渋谷AX前の3地点。HMV、タワーレコード、ヴァージンメガストアのいずれかのショッピングバッグを持参すれば、誰でも無料で乗車することができるという仕組みになっている。ちなみに、今回のようにHMV、タワーレコード、ヴァージンメガストアの3社が連動した形でキャンペーンを行うことは、非常に珍しいケースだそうだ。

車体は、現在ロンドン市内を走っている新型バスではなく、おしゃれな旧式の車両を使用。車内にはUKロックが大きなボリュームでかかっており、視覚の効果に加え、聴覚の効果も狙っている。

「10代後半〜20代のUKロックファンはもちろん、小さなお子さんのいる家族連れからお年寄りまで乗客の年齢層はかなり幅広いですね。夜には車内がライトアップされ、ちょっとメルヘンな雰囲気になることもあって、女性客が多いです。交通手段というよりもアトラクション感覚で楽しんで頂き、UKロックに興味を持ってもらえれば、と思っています」(デービッドさん)

00年4月、東京都は車体広告の規制を大幅に緩和することで車体全面に広告が入ったラッピングバスを解禁。それ以降、広告用のバス・大型トラックは民間企業からも続々と登場し、現在では音響装置を搭載したものや、内側から光を照射することで夜間に光るものなど、“走る広告塔”がかなり多様化しているのは周知の事実である。

ここ数年は、渋谷エリアに限ってみても、ビルの壁や屋上に看板媒体が新設されたり、ショップの店頭などにもLEDが設置されたり、以前ここでも取りあげたCVSの店頭の「シティチャネル」など、「ストリートメディア」は増加の一途を辿っており、さらにひと工夫、と新しい広告媒体の創出にも拍車がかかっているようだ。

そんな中、今後このダブルデッカーバスのように、視覚、聴覚だけではなく、「実際に乗れる」などの体感できるサービスも備えた「新・五感広告」はさらに増えていくと予想される。

なお、同キャンペーンは、ダブルデッカーの運航終了後も、UKのアーティストのリリースや来日が続く来年4月まで継続する予定だ。

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