コミックやテレビなど、各メディアにも登場する機会が増え、ここ数年裾野が大きく拡大した女装文化。女装を実際に楽しむ人も増加しているが、中でも2012年12月にオープンした「女の子クラブ」は“誰でも気軽に女の子体験ができるサロンバー”として注目を集めているスペースだ。
ロケーションは新宿2丁目のビル4階で、店内はピンク色のトーンで統一された、綺麗でガーリーな雰囲気。店内には着替えスペースが用意され、メイク用品やウイッグ、コスプレ衣装も多数揃っている。手ぶらで来店しても女の子に変身できる。入場料金は女性 (女装含む) 2,000円、男性 3,000円で、コスプレ衣装・化粧台・着替え部屋の使用は無料。ドリンクは500円からで、2丁目のバーとしても安めの設定といえるだろう。
好奇心で“女装を一度体験してみたい”というような、女装文化の外側のお客にも開かれた点が同店のコンセプトだ。初心者からベテランの愛好者まで遊び方はさまざまで、お酒を飲みながら女装やメイクで変身したり、女装したお客さん同士での交流や、スタッフとの会話を楽しむこともできる。この女の子クラブを着替えとメイクの“変身拠点”として、新宿2丁目に点在する女装バーなどの遊び場へ出かけるユーザーもいるという。
「女の子クラブ」店長の“れんれん”さんによれば、ここを交流サロン的に利用する既存の女装者たちは全体の半分程度という。
「女装に関心はあってもこれまできっかけや勇気がなかった人、好奇心で女装を体験してみたいという初体験の方、女装文化を覗きにくる観光客、そして新宿2丁目には以前からいる、女装さんがいるお店が好きな人が残りの半分ですね。普通の会社員の団体さんが飲み会の二次会に利用されることもありますし、デートで来店されるカップルもいます」
同店を運営するのはコンテンツの企画運営会社の株式会社UNI(ユニ)。同社は飲食サービスが専門ではなく、ウェブサイトの制作やデザイン、システム開発など、ITやデザインを手がけてきた企業である。この「女の子クラブ」は、同社が2007年から継続して開催してきた日本最大の女装イベント「プロパガンダ」をベースとして生まれたものだ。
“女装に関心のある人なら誰でも気軽に遊びにいけるイベント”を目指したという「プロパガンダ」は、スタートから一挙に人気イベントとなった。2009年には会場を新宿2丁目から現在の歌舞伎町・風林会館の元・グランドキャバレー跡に移し、毎回約300名以上が集まる大型イベントへと成長している。
“女装に関心のある人なら誰でも気軽に遊びにいけるイベント”を目指したという「プロパガンダ」は、スタートから一挙に人気イベントとなった。2009年には会場を新宿2丁目から現在の歌舞伎町・風林会館の元・グランドキャバレー跡に移し、毎回約300名以上が集まる大型イベントへと成長している。