大人数の男女が街なかの飲食店を回遊しながら出会い・交流をする「街コン」や、近隣の複数のライブハウスを回ってイベントを楽しむ「サーキットライブ」、様々な街を舞台に謎を解くイベントの「リアル脱出ゲーム」など、街をステージにしたキャンペーンやイベントが盛り上がっている。単なる場所貸しではなく、主催者・街の店舗・参加者が一体となって街が活性化される新しい街おこしのかたちとも言えるだろう。
そういった動きが盛んになるなか、独立行政法人日本スポーツ振興センターが運営する最高6億円くじ「BIG」による、宮城県をステージに新たなキャンペーン「BIG FRIDAY MIYAGI(ビッグフライデー ミヤギ)」が絶賛開催中だ。
今年4月19日にスタートした「BIG FRIDAY MIYAGI」は、1口300円で最高6億円が当たるくじ「BIG」を、BIGマークのある店舗で買うと、金曜日に提携飲食店で“BIG盛り”のサービスが受けられるという12月末までの宮城県限定キャンペーン。購入1口以上買うとBIG盛り引換券「BIG FRIDAY PASS」1枚がもらえる仕組みで、コンビニとインターネットでの購入は該当しない。飲食店によって大盛りメニューや限定メニューが出されるという食事の満足感と、くじが当せんして大金を手にできるかもしれないワクワク感を味わえるという内容だ。
「くじは当たりハズレだけでなく、当せん発表を待つ間のドキドキ感、ワクワク感も楽しみの一つです。さらにBIG FRIDAY MIYAGIでは、この、くじ本来の目的に加えてBIG盛りを楽しんでいただくことも出来ます。買って楽しむだけではなく、その収益はスポーツ振興に役立てていますし、このキャンペーンでは夢だけではなくお腹もいっぱいになる。みんなで飲みに行くきっかけになったり、久しぶりの同窓会や普段は一緒に飲みに行けない上司、同僚と食事をするきっかけにしてもらえたら嬉しいです。金曜日を楽しむツールに役立ててもらいたいですね」(独立行政法人 日本スポーツ振興センター/スポーツ振興事業部 事業企画課広告宣伝係長 村上成さん)
Jリーグの勝敗結果を購入者が予想する「toto(トト)」と、コンピュータがランダムに試合結果を選択する「BIG」。買ったことがない人でも、その名前はご存知だろう。だが、その収益が、グラウンドの芝生化、スポーツ大会の運営、様々なスポーツ活動を行うNPO法人への助成など、スポーツの普及・振興に幅広く役立てられているということは意外に知られていない。
そもそものきっかけは、2011年2月にスタートした「SPORTS JAPAN PROJECT」というスポーツ振興の広報キャンペーンである。これは、toto・BIGの販売開始10周年を記念して2011年からスタートしたもので、Jクラブのホームタウンから毎年5、6か所を選定し、各地元クラブの応援番組で、地元メディアが制作したスポーツ振興くじのCMを放送し、実は収益が身近に使われていることを知ってもらおうというものだった。
しかし、開始直後に東日本大震災が発生。宮城での広報活動は同年3月で一時中断を余儀なくされたこともあり他県では1年で終えた活動を、宮城では2年間実施。キャンペーンが終わった今年、今度はBIGを入口に楽しんでもらおうということで「BIG FRIDAY MIYAGI」がスタートしたという訳だ。
全国発売の「BIG」が、なぜ宮城を選んだか、という理由に関しては、2年という長期にわたり前身キャンペーンを行ったことで、宮城でのスポーツ振興くじへの好感度が高まっており、地元メディアや関係各社、ベガルタ仙台との連携が図れていたことが大きな理由だそうだ。
また、「ちょうど良い街の規模感」もポイント。東京・大阪・名古屋などの大都市とは異なり、仙台は繁華街が中心部にコンパクトに集中しており、人々もそこに集まり賑わっている。提携飲食店を集めるのにもちょうどいい規模で、ここで成功すれば他県へと横展開していける可能性を持っているという。